秋、冬になると食べたくなるのがさつまいも。焼きいもや大学いもなど、さまざまなさつまいも料理が恋しくなるのではないでしょうか。秋冬はさつまいもが美味しいというだけではなく、実は美容において非常に優れた食品なのです。得られる効果や効果的な食べ方などをご紹介します!
さつまいもといえば?
さつまいもといえば「甘くて食物繊維が豊富」というイメージがあると思います。またイモ類であるため、炭水化物が主成分という認識がある方もいると思います。甘い炭水化物なんてカロリーが高そう…と思われがちですが、さつまいも100g当たりのエネルギーは約134kcalとそんなに高くないのです。そして、食物繊維以外の栄養素も豊富に含んでいることが特徴です。
また、さつまいもの旬は秋で栄養価が最も高いのですが、とれたてのさつまいもは実は甘味が少ないため、1か月以上熟成されてから売り場に出されるものがほとんど。実はさつまいもは冬に食べるのがベストタイミングなのです。
さつまいもに含まれる代表的な栄養素
- 食物繊維
- ビタミンC
- ビタミンB1
- ビタミンC
- ビタミンE
- カリウム
- ヤラピン
- ポリフェノール
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
さつまいもで得られる美容効果
腸内環境の正常化
便秘の解消には食物繊維を摂ることがいいと言われていますが、中でもさつまいもはお通じをよくするために非常に効果的な食品なのです。なぜ便秘の際に食物繊維を摂るといいのかというと、固まってしまった便に水分を含ませたり、便の量を増やしたりして、体外に排泄しやすくする効果があるからです。また食物繊維には、腸内の健康を維持する善玉菌を増やす働きがあり、便秘の解消だけでなく、腸内環境を正常にする役割も担ってくれるのです。
更にさつまいもには「ヤラピン」という成分が含まれています。ヤラピンとは、さつまいもを切ったときに出てくる白い汁で、時間が経つと黒くタールのようになるものです。これは糖脂質の仲間で、皮の近くに多く存在しています。ヤラピンが染み出ていると、そのさつまいもが甘いことを示す指標として使われたりもしますが、ヤラピンの効果として、便を柔らかくしてお通じをスムーズにする働きがあると言われています。また、ヤラピンはさつまいもにしか含まれておらず、熱してもその性質が壊れることがないというのも特徴です。
さつまいもは、食物繊維とヤラピンの相乗効果により、腸内を綺麗にする効果に非常に優れているといえるのです。
美肌効果
体内でコラーゲンの生成を助けたり、メラニンの生成を抑えてシミやそばかすを薄くしたりすることなどに効果がある美肌には欠かせないビタミンCですが、さつまいものビタミンCはリンゴの5~10倍も含まれています。ビタミンCは、一般的に調理などで加熱すると失われやすいという欠点がありますが、さつまいもに含まれるビタミンCは、でんぷんによって熱から守られるため、調理をしてもビタミンCが失われにくいのです。
またビタミンEやポリフェノールは「若返りのビタミン」ともいわれ、抗酸化作用があります。体内に取り込んだ活性酸素が正常な細胞と結びつくと、細胞の老化を早めるだけでなく、がん細胞の増加や動脈硬化を引き起こすなどさまざまな病気の原因になることがあり、これを細胞の酸化と呼んでいます。細胞の老化は、シミ・しわなどの原因になりますが、これを防ぐのがビタミンEやポリフェノールなのです。
ダイエット・肥満予防効果
ビタミンB1は、糖質の代謝に働きかけ、摂取したエネルギーを燃焼する作用があります。ビタミンB1が不足すると、糖質をうまくエネルギーに変えることができなくなるため、余った糖質が体内で脂肪として蓄積され、肥満を引き起こすことがあるため、ダイエットには必須のビタミンであるとされています。
更に、先述の通り、さつまいもはパンやご飯なと比べてGI値が低く、食べた後の血糖値が上がりにくい食品です。食事の際に最初に食べたり、置き換えたりすることによって、肥満の防止にもなります。また、食物繊維が豊富なため、消化に時間がかかります。そのため、腹持ちがよいことからも、ダイエットの際に摂る食品として優れているといえるのです。
むくみ解消
塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度を調節しようという働きによって身体に水分が溜まりやすくなり、それがむくみとなります。カリウムは余分なナトリウムを体外に排出してくれる作用があるので、血圧の低下やむくみ対策に効果があります。さつまいもに含まれるカリウムは、他の食品に比べても豊富に含まれているため、効率的にカリウムを摂取することができます。
さつまいもの栄養素を効率よく摂るために
さまざまな野菜や果物と同様、さつまいもの栄養素は皮の近くに集まっています。最も効率よく栄養素を摂るには、皮ごと食べるのが一番です。皮ごと食べると、栄養素を無駄なく摂ることができるだけでなく、皮のみに含有されている「アントシアニン」を摂取することができます。アントシアニンは眼精疲労の緩和・予防の効果が期待されています。身の栄養素だけでなく、皮の栄養素を余すことなく摂ることができることを考えると、皮ごと食べるのが最適と言えるのです。
さつまいもは、調理方法によって甘さが変わると言われています。低温でじっくり加熱すれば、焼きいも屋さんで売られているようなねっとりと甘いさつまいもになりますが、日常でさつまいもを取り入れるのであれば、手軽に調理できる方が取り入れやすいと思います。
さつまいもをそのまま食べることを前提とした加熱方法としては、「煮る」「ふかす」「焼く」がありますが、栄養素を残しつつ手軽に食べることができるのは「ふかす」方法です。蒸し器などがある場合にはそちらを使ってもできますが、簡単にできるのは電子レンジです。
さつまいもを皮ごとよく洗い、輪切りにします。濡れたキッチンペーパーで包み、更にその上からラップで包みます。そのまま電子レンジ(600W)で4~5分加熱してできあがり。おやつなどとして食べるとよいでしょう。ちなみに「煮る」方法は、水に栄養素が流れ出てしまうため、そのまま食べるのであれば煮るのは避けましょう。調理して煮汁ごと食べられる煮物などであれば、栄養素も摂ることができます。またさつまいもご飯などもさつまいもをまるごと食べられる料理として挙げられます。
さつまいもといえば天ぷらにすることもありますが、皮付きのまま天ぷらにした場合も、含まれる栄養素は大きく減ってしまうことはありません。ただし、衣をつけたり油で揚げたりすることにより、多くのカロリーを摂ることになってしまいますので注意が必要です。
さつまいものお菓子はどうなの?
芋けんぴなどの市販のお菓子についても、さつまいもの栄養素を摂ることができます。ただ、製造の過程でさつまいもをよく洗うため、上に挙げた栄養素などは少なくなっている可能性が高いといえます。また、市販の芋けんぴに関しては油で揚げてあるため、非常に高カロリーです。また油だけでなく砂糖もたくさん使われているため、摂り過ぎは肥満の原因になってしまいます。油と砂糖で腹持ちは非常によい食品ですので、適量にとどめ、健康と美容に効果的に食べるようにしましょう。油や砂糖の摂り過ぎを防ぐには、自分でお菓子を作る方法があります。細切りにしたさつまいもを少なめの油でカリっとするまで焼き、砂糖をまぶすと、油や砂糖の量を調整することができます。
まとめ
美容大国の韓国でも、さつまいもの置き換えダイエットが流行しているそうで、さつまいものダイエットや美容効果の高さが注目されています。腸内のリフレッシュにもなることから、デトックス効果も期待できます。さつまいもを食べるのであれば冬が一番いい時期です。さまざまな料理もありますので、是非自分の好きな味で楽しみながら食べてみてくださいね。ただし美味しいからと言って食べ過ぎは厳禁です。食欲が湧く時期ですが、自制しながら美しさを手に入れましょう!
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