アマニ油ってなに?

最近さまざまなところでよく見かけるようになったアマニ油。CMをしていたり、テレビでも女優の方が積極的にアマニ油を摂っていると話していたり、注目度が急上昇中のアマニ油ですが、一体どのようなもの?摂るとどんな効果があるの?摂り方は?など、アマニ油についてのあれこれをご紹介します。

アマニ油とは?

アマニ油は、成熟した亜麻の種子を絞ることで得られる油です。亜麻自体は繊維などの原料にもなる植物です。食用のアマニ油は揚げ物や炒め物などの加熱調理には向いていません。理由は、サラダ油などより酸化しやすいからです。油が酸化すると、風味が落ちたり、酸化した油を多量に摂取すると健康を害したりする可能性があります。そのため、アマニ油はそのまま飲むか、料理や食材に適量かけて摂るのが一般的です。

アマニ油を摂るとどんないいことがあるの?

アマニ油を摂る理由として最も大きなものは「オメガ3系脂肪酸が摂れる」というものです。オメガ3系脂肪酸とは、多価不飽和脂肪酸の一種で、身体のさまざまな機能を維持するのに必要な脂肪酸です。不飽和脂肪酸にオメガ3系脂肪酸が含まれていますが、オメガ3系脂肪酸は動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用を持っています。また体内でDHAに変化し、脳細胞を活性化する働きなどもあります。

美容においては、便秘の改善や血行促進、新陳代謝の促進などに効果があるとされています。また、アマニ油には「リグナン」という成分が含まれています。リグナンは植物に含まれるポリフェノールの一種で、イソフラボンのように女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをする作用があるため、肌や髪の潤い、更年期障害の緩和などに効果があると言われています。

アマニ油だけでなくオメガ3系脂肪酸が多く含まれているのは、脂肪が多い魚(サケ、マグロ、マス、サンマ、ブリ、イワシなど)や甲殻類(カニ、ムール貝、カキなど)などです。

身体の機能の維持に必要な不飽和脂肪酸には、オメガ6系脂肪酸というものもあります。こちらは大豆油やコーン油などの植物油に含まれているものです。揚げ物や炒め物、スナック菓子などに使われているので、特に意識しなくとも、日常生活の中でオメガ6系脂肪酸は十分摂取できていると言われています。

アマニ油を摂ることで、オメガ3系脂肪酸が効率よく摂取できるため、健康や美容のために取り入れる方が増えているのです。

※参考https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html

アマニ油の適切な量とは?

アマニ油が身体にいいからと言って、むやみに摂っていいかというとそうではありません。あくまで油であって、摂り過ぎは健康を害する恐れがあるのです。適正量は1日小さじ1杯程度。それ以上は摂り過ぎになってしまう可能性があります。成人の1日に必要なエネルギーの20~30%ほどを脂質からとるのがよいといわれていますが、成人の1日に必要なエネルギーは2,000kcalほどです。9kcalで脂質約1gとなるため、脂質は約40~60gとなります。食事に使われる食材やサラダ油などのことを考えると、アマニ油を必要以上に摂ると、脂質全体の摂り過ぎになってしまうのです。ちなみに厚生労働省は、オメガ3系脂肪酸およびオメガ6系脂肪酸の摂取目標値を出していますが、成人の場合、オメガ3系脂肪酸は1日約2g、オメガ6系脂肪酸は1日約10gとしています。

※参考https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf

アマニ油の注意点

熱と光に弱い

アマニ油は酸化しやすいのが特徴です。そのため、焼く・炒める・揚げるなどの熱を加える調理には使用しないようにしましょう。また、日の当たらないところに保管し、開封後は冷蔵庫で保管することも大切です。また開封後は1か月ほどで使い切るのがよいでしょう。1日小さじ1杯までですので、摂取量に合わせた容量のものを購入しましょう。併せてアマニ油を購入する際には、光を通さない色のついた遮光性の高い容器に入っているものを選ぶようにすると、酸化の速度を抑えることができます。

ちなみに、酸化した脂質は過酸化脂質と呼ばれており、消化器官や血液の流れに悪影響を及ぼす有害な物質になってしまいます。色がついたり、油のにおいが強くなったりしますので、そうなった油は摂らないようにしてください。

摂りすぎない

先述の通り、アマニ油はあくまで油で、高カロリーなものです。摂取しすぎると、逆に太ってしまったり、健康を害してしまったりする恐れがありますので、適正量を守るようにしましょう。

容器に注意する

カップめんの容器など発泡ポリスチレン製の容器に入れると、容器が変質・破損し、中身がこぼれる可能性があり、やけどなどの恐れがあります。なお、納豆などの容器も発泡ポリスチレン製のものがありますので、別の容器に移すなどしてからアマニ油をかけるようにしてください。

リグナンの作用に注意

アマニ油の中には、先ほどご紹介したリグナンを多く含んでいる商品があります。リグナンは女性ホルモンと似た働きをするため、時に月経のサイクルを乱すことがあります。また、妊娠中の方なども女性ホルモンの働きに影響がある可能性がありますので、心配な方は必ず医師に相談してから摂るようにしてください。

最後に

実は魚などにも含まれているオメガ3系脂肪酸ですが、現代の日本人は、魚を食べる量が減ってきていると言われています。アマニ油は、魚などに比べても非常に効率よくオメガ3系脂肪酸を摂ることができ、美容だけでなく健康にも大きな効果が期待できます。最近のアマニ油は無味無臭のものが多くなってきているため、好きな料理にかけたり混ぜたりして、手軽に摂ることができます。食事にアマニ油をプラスするだけでなく、同時にこれまでの食事についても見直すことで、より効果的に美と健康を手に入れましょう!

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