気になる歯の黄ばみ…ホワイトニングに頼らず白くするには?

気になる歯の黄ばみ…ホワイトニングに頼らず白くするには?

鏡で顔を見ながら歯を磨いている時、他の人と写った写真を見返す時、自分の歯がやけに黄ばんで見える…そんな方もいらっしゃると思います。歯の黄ばみには様々な原因がありますが、もともと歯が白かった人でも、歳を重ねると黄ばんでいきます。黄ばみが気になってなかなか歯を出して笑いづらいという悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。歯が白い人は清潔感がある・明るい印象がある等好印象を持ってもらいやすく、人間関係をプラスに働かせてくれます。近年に日本でもホワイトニングが一般的になってきて歯が白い人が増えてきています。とはいえホワイトニングは時間やお金がかかるのでなるべく避けたいところですよね。黄ばみの原因を知り予防と対策をすることで歯本来の白さを取り戻しましょう。

歯の黄ばみの原因

黄ばみの原因は、飲み物や食べ物による外部要因、薬などの服薬や加齢による要因の大きく2つに分かれます。同じ黄ばみでも原因が違えば取るべき対策も違ってくるので、まず何が原因なのかを突き止めましょう。

外部要因

外からの原因として大きく挙げられるのが、毎日口に入れる食べ物などによるステイン(着色汚れ)です。ステインは、歯の表面のエナメル質をおおっているペクリルというたんぱく質が食べ物に含まれているポリフェノールなどの物質と結びつくことによって出来ます。ステインが蓄積することによって、いわゆる「黄色い歯の汚れ」として歯につきます。ステインになりやすいのは赤ワインやチョコレート、グレープフルーツジュースに含まれる「ポリフェノール」や、コーヒー・紅茶・ウーロン茶に含まれる「タンニン」「カテキン」などが挙げられます。また、タバコのヤニやカレー粉・ケチャップなどの調味料による着色もあります。色の濃い食べ物ほどステインが付着しやすくなるので注意しましょう。食べ物だけではありません、タバコの「ヤニ」は、ステインよりも粘着力が高く、さらに歯を黄ばませる働きがあるので注意が必要です。タバコの煙で部屋の壁紙が黄ばむのと同じようにタバコのヤニは食べ物以上に歯を黄色くさせてしまいます。また、歯磨きで磨き残した歯垢が硬くなって歯石になるのも歯の汚れになります。歯石は最初白色もしくは黄色をしていますが、じょじょに黒へと着色していきます。歯石は見た目も悪い上に口臭の原因にもなります。歯石がついていると感じる場合は口が臭っていることもあるので放置しないようにいましょう。

内部要因

一般的に歳をとると歯はだんだんと黄ばんでいきます。歯は「エナメル質」「象牙質」「神経」の三層構造で出来ており、歯の黄味は半透明のエナメル質を透かしたその下にある象牙質の色に影響を受けています。歳をとると歯の表面を覆っている半透明のエナメル質が徐々にすり減って薄くなっていく一方、歯の内部の象牙質は次第に厚くなっていき象牙質の色が浮き出て見えるようになります。日本人は元々外側のエナメル質が薄い傾向にあり、歯の内部にある象牙質の黄ばみが透けて黄ばんだ歯に見えます。象牙質の色の強弱には個人差がありますが、「最近歯が黄ばんできた」と感じる場合は、歯の内部の黄ばみが原因です。加齢のほか、抗生物質の服薬によって黄ばむ場合があります。肺炎やニキビの治療薬としても使用されているテトラサイクリン系に属する抗生物質は骨や歯に影響を及ぼし、歯に着色を起こす副作用が報告されています。

歯の黄ばみの予防方法

歯の黄ばみを予防するためには、口内環境を出来るだけ清潔にしてステインを付着させないようにすることが大切です。日頃口のケアをおろそかにしがちな方は、これを機に見直しましょう。

着色汚れの原因をなるべく口に入れない

着色による黄ばみは毎日の積み重ねによって出来ます。着色汚れの原因となる食品・嗜好品をセーブするようにしましょう。特にタバコ、ポリフェノールを多く含む食品のセーブは黄ばみ防止に一番です。習慣化していてなかなかセーブできないという場合は、着色の原因を口に入れているという事を自覚し、こまめなブラッシングやうがいを心がけ、口の中を綺麗にしましょう。

ブラッシング

飲食による黄ばみは、食後こまめに歯磨きを行う事が大切です。食事後歯磨きが出来ない場合や特にいろの濃いものを食べたり飲んだりした後は、水を飲むこともおすすめです。コーヒーなどの飲み物を飲んだ後も、水を飲んで口の中にコーヒーを残さないように心がけましょう。意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、食後砂糖不使用のキシリトールガムを噛み、唾液を分泌するのも有効です。口の中に着色するものがのこっていると、歯に色が残ります。泡立ちが良い歯磨き粉は磨ききった気分になって逆に磨き残しが多くなる傾向にあります。できれば低発泡の歯磨き粉を使いましょう。磨き残しが少なくなれば黄ばみはもちろん虫歯の予防にもなります。着色汚れが気になる場合はステイン除去効果のある歯磨き剤を使うのも有効です。ただし、歯のエナメル質を傷つけるような研磨剤入りのものは避けましょう。また、汚れを取りたいからといってゴシゴシ力を入れて磨くのは厳禁です。歯を傷つけ、その傷から汚れが入り込みかえって着色の原因になります。歯を傷つけないよう優しく磨くことが大切です。最近では電動歯ブラシにステイン除去機能がついているものがありますが、この機能を使う場合は研磨剤入りの歯磨き粉は使わないようにしましょう。歯の表面のエナメル質を傷つけてしまいます。

歯間ブラシ・デンタルフロス

歯ブラシだけでは歯と歯茎の間に溜まった歯垢を除去しきれません。歯垢は2日経つと歯石になるとも言われているので、毎日のブラッシングに歯間ブラシやデンタルフロスの習慣もつけましょう。若い方であれば歯間ブラシではなくデンタルフロスで構いません。歯間ブラシを無理矢理使うと歯茎を傷つける原因になるので気を付けましょう。歯石は歯医者で綺麗にとってくれます。歯石は一度できてしまうと自分だけではどうしても取りきれない部分がありますので、定期的に歯医者で歯石を取ってもらうようにしましょう。その際歯のクリーニングで歯についている着色を落としてもらうこともできます。ホワイトニングのような歯の白さにはなりませんが、自分のもっている歯本来の白さを自然に引き出すことができます。

誤った手入れの方法

歯を磨くのは大切ですが、誤った方法を続けると黄ばみを促進させるので注意が必要です。まず、ホワイトニング歯磨き粉の使い過ぎに注意しましょう。ホワイトニング歯磨き粉は通常研磨剤が含まれています。黄ばみへの効果が期待できますが、使いすぎると歯の表面のエナメル質が削れて歯が傷付いてしまうので注意が必要です。黄ばみが気になる気持ちはわかりますが、使用は週に1回程度にとどめましょう。黄ばみを気にする方は力を入れて歯を磨いてしまう傾向にあるので、ホワイトニング歯磨き粉を使うときは、研磨剤が少ないものを選ぶことをおすすめします。

また、近年ネットでは重曹で歯を磨くという情報を見かけますが、これも絶対に行わないでください。重曹は磨き粉として掃除には使えますが、非常に研磨力が強く歯に使うと深刻なダメージを与えるリスクがあります。重曹の他、レモン汁やお酢などの強い酸で歯を磨く方法も紹介されていますが、これも絶対に行わないでください。一時的に歯が白くはなりますが、歯の表面のエナメル質が溶け出し知覚過敏や虫歯になってしまいます。ネットにはこうした気軽なホワイトニングの情報が出回っていますが、歯に悪い影響を与えるリスクのあるものも多いです。歯の黄ばみに悩んだ場合は安易にネットの方法に頼らず、きちんと歯科医院を受診して歯科医に相談し、適切な方法を紹介してもらうようにしましょう。

ホワイトニングを考えるタイミング

加齢による歯の黄ばみが深刻な場合や、一般的な歯科の歯のクリーニングだけで戻る歯の白さに満足できない場合はホワイトニングを検討しましょう。ホワイトニングは歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがあります。オフィスホワイトニングは濃度の高い薬剤を使うため、高い漂白効果が得られます。白さを実感できるスピードが早いので、例えば結婚式までに白くしたい等、目標の日があり短期間で歯を白くしたい場合におすすめです。早く白くなりますが、その分、後戻りするのも早いというデメリットもあります。ホームホワイトニングはマウスピースと薬剤など、ホワイトニングシステムを自宅へ持ち帰って自分で行います。ホームホワイトニングに使用する過酸化尿素は白くなるスピードがゆっくりなので、効果が出るまでに時間はかかる上、毎日自分で施術時間を確保する必要がありますが、継続するとオフィスホワイトニングよりも白くなり、また白さを長くキープできるというメリットがあります。この2つは自分の口腔内の状況によってはどちらかしか出来ないという場合もあるので、まず歯医者でホワイトニングを相談し、ベストな方法を検討するのがおすすめです。近年はホームホワイトニングとオフィスホワイトニング両方を同時進行で行うデュアルホワイトニングと呼ばれるものもありますので、短期間で効果的に白くしたい場合は一度相談してみましょう。ただし、ホワイトニングは自費診療になりますので、自分の経済状況とよく相談しましょう。そこまでするお金が無いという場合も、保険のきく歯のクリーニングで本来の歯の自然な白さは取り戻せます。歯のクリーニングと日頃のこまめなケアで白さを取り戻しましょう。

一度白くした歯の白さを維持するために

もしホワイトニングをした場合でも、その後ルーズな口腔ケアをしていると、また黄ばみは戻ってしまいます。特に外部要因を自覚している場合は、前述した黄ばみの予防と同じような習慣を心がけましょう。また、定期的に歯科医院に通うことも大切です。ホワイトニングを行わなくとも、歯のクリーニングや歯石取りは半年に1回のペースが理想的です。

いかがでしたでしょうか。歯の黄ばみは自分が思っている以上に、「印象」に影響を与えます。いくら肌や髪、ファッションに気をつかっていても歯が汚いと台無しになってしまいます。歯は白すぎても不自然ですが、清潔感や笑顔を美しくするためにある程度歯は美しく白くしておきたいですよね。笑顔が素敵な人だなと思われるのももちろん、仕事などの人間関係でも第一印象を良くしておきたいものです。ホワイトニングができなくとも、日頃のケアで歯本来の白さを取り戻しましょう。

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