少しずつ秋らしい風が吹く日が増えてきましたね。前回の記事でもご紹介した通り、夏の間冷たくて甘いものばかり食べて太ってしまった…夏バテしてそうめんばかりたべていたら肌荒れをおこした…等夏は体の内側からの原因で体のバランスを崩す人が多い季節です。これから秋が近づくと、「食欲の秋」がやってきて、美味しくたべられる食材が増えてきます。どうせ食べるなら体に良いもの・美容に良いものを積極的に食べたいところ。秋は美容に良く、且つ美味しい食材が多い季節です。今回は美容と健康に良い秋の味覚をご紹介します。おすすめの食べ方もお伝えするので是非チェックしてください。スーパーなどで見かけたら是非調理して夏の間に崩れてしまった体のバランスを秋の食材でリセットしましょう。
老若男女皆大好きな栗
秋になるとスーパーはもちろんカフェなどでも栗がよく登場しますね。秋の味覚の代表格ともいえる栗はデザートにも使えるので、老若男女問わず好きという方が多いのではないでしょうか。なんとなしに食べる機会増える栗ですが、実は栄養価が高いだけではなく美容にも大変良い食材なんです。
美容に良い栄養素が豊富
意外に思われる人もいるかもしれません、実は栗はビタミンCをたっぷり含んでいます。ビタミンCはメラニンを抑制し、発生してしまったメラニンを還元する作用もあるので、夏の間紫外線を浴びすぎた!という方にはとってもおすすめ。通常ビタミンCは熱に弱いので調理しづらいイメージがありますが、栗に含まれているビタミンCはデンプンに包まれている状態となっているので、熱に強いという特徴があります。また、ビタミンB1、B2が豊富なので、疲労の回復や、肌、粘膜を健康な状態に保ちます。そのほか、食物繊維も多く含まれているので、腸の動きを改善してくれるというメリットも。
栗はそのまま食べちゃえばOK
栗は一粒にぎゅっと栄養素がつまっており、そのままで十分美味しいので間食でクッキーやケーキなどを食べる代わりに栗を食べるのがおすすめです。栗の渋皮ごと調理されたデザートや料理があれば是非渋皮ごと食べてください。渋皮にはタンニンというポリフェノールの一種である成分が含まれていて、老化の原因となる活性酵素を抑制し細胞の酸化を防いでくれます。ただし、栗は栄養価が高い分カロリーも少々高め。大きめのサイズ感のある茹でた栗であれば1個約35キロカロリー、小さめのサイズの茹でた栗であれば1個約15キロカロリー程度となっています。栗はおいしいのでついつい食べすぎてしまいがち。間食として食べる時は食べすぎに注意しましょう。大人であれば一日10個を目安にしましょう。
秋といえば…さつまいも
栗と同様秋の味覚の代表格。さつまいもは甘くておいしいですが炭水化物なので太るというイメージもありますよね。さつまいもは食物繊維が豊富で確かに炭水化物が主成分ではありますが、カロリーはそこまで高くありません。スイーツにも主食にもなり、栗よりもバリエーション広く料理できるので、是非秋の食卓に取り入れてください。
美肌効果を高めるビタミンが多い
意外と知られてないのですが、さつまいもはビタミンCが豊富。さつまいも一本で一日に摂取を推奨されるビタミンCの1/4を摂ることができます。ビタミンCは熱に弱いですが、さつまいものビタミンCはさつまいものデンプンに守られているため調理をしてもビタミンCが失われにくいという特徴があります。ビタミンCは紫外線ダメージによって発生したメラニンを分解、排出してくれるので、夏に紫外線をがっつり浴びてしまった人は積極的に摂取したい栄養素です。また、ビタミンEやビタミンB群も含まれているので、乗効果で、シミ・そばかす・シワなどに効果的とされています。ビタミンEは動脈硬化を防ぐ働きもあるので、健康という面から見てもとても体に良い野菜です。
食物繊維の一種ヤラピンのパワー
さつまいもには食物繊維が沢山含まれている事が有名ですね。その中でも代表的な栄養成分「ヤラピン」は食物繊維の一種で、腸内環境を整えるうえで大きな役割を持っており、美容とのかかわりが大きいと言われています。ヤラピンが体内に吸収されると、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす効果が期待できるため、腸の働きが活性化し、便秘解消に繋がります。腸内環境を健やかに整えてお通じをスムーズにするので、この流れによって体内の老廃物・毒素が排出できるので、繰り返しできる大人ニキビや肌荒れの改善が期待できます。また、さつまいもにはカリウムも含まれているので、体内に蓄積されたままの余分な水分・塩分を、利尿作用によって体外に排出し、むくみを解消してくれます。食物繊維と相まって、デトックス効果が高い食材なんです。
できれば蒸して皮ごと食べる
さつまいもは焼いて食べるより蒸して食べた方がビタミンCの損失が少ないです。家に蒸し器がある人は是非蒸して食べてください。さつまいもの皮には食物繊維やポリフェノールが沢山含まれています。またヤラピンは皮と実の間に多く含まれているので、できれば皮ごと食べてください。皮にだけ含まれている栄養素「アントシアニン」は、パソコンやスマートフォンで酷使した目をいたわったり、眼精疲労の緩和・予防の効果が期待されているので、デスクワークの方などにぴったりです。便秘気味の人は朝さつまいもを食べると調に水分が溜め込まれて便秘解消を促すので、例えば朝ご飯にさつまいもを食べるといいですよ。ビタミン・ミネラル・タンパク質なども含まれているので、バランス良く栄養を摂る事ができます。
秋になると安くなる鮭
鮭は一年を通してスーパーに出回っていますが、秋鮭は少し値段が下がり、手に取りやすくなります。サーモンというと海外セレブがよく食べているイメージもありますが、美味しいだけでなく、消化吸収の良い良質のたんぱく質をはじめ、健康に役立つ栄養素がたくさん詰まったスーパーフードなんです。
化粧品にも使われるアスタキサンチン
鮭って実は白身魚なんです。海にいる間エサにしているオキアミを食べると、オキアミの殻にふくまれる赤い色素によって赤い身になります。この赤い色素含まれるアスタキサンチンは抗酸化作用がビタミンEの500~1000倍あるといわれ、活性酸素やメラニンの生成を抑える効果が期待でき、化粧品にも使われるほど。ベニサケの切り身一切れで、ビタミンEの豊富なアーモンド1~2キロを食べた分の抗酸化力があるんです。強い抗酸化力があり、肌老化を食い止めるだけでなく、脂肪の代謝も助けてくれます。また、鮭そのものにも豊富な海洋性コラーゲンが含まれているため、お肌にハリと弾力を与えてくれます。
食べる時は皮ごと食べて!
鮭を食べる際、皮はぶよぶよしていて好きじゃない・食べないという人も多いですが、是非皮も一緒にたべてください。鮭の皮はほとんどがコラーゲンで出来ています。肌に潤いとハリをもたらしてくれる大事な栄養素です。特に鮭の皮から取れるマリンコラーゲンは動物肉よりアレルギー性が少なく、吸収率も高い事から化粧品や医療分野でも注目されているほど。また、皮にはカルシウムやビタミンB2も含まれています。さらに皮のすぐ下にある脂にはDHAやEPAが豊富に含まれているので、皮ごと食べるとより美容と健康に良いんです。アスタキサンチンは脂溶性で、油と相性が良い成分なので、ソテーやムニエルにして食べるのがおすすめです。ビタミンCと一緒に食べると効果が増すので、野菜と一緒に食べるとより栄養価が高くなります。
美肌効果テキメンの柿
秋の果物として親しまれている柿ですが、最近の若者の柿離れも進んでいると言われています。そんな柿ですが、美容にかかせない栄養素が沢山入っているんです。
柑橘類顔負けのビタミンC含有量とポリフェノール
柿はビタミンCを多く含んでいます。みかん1個と比較して2倍のビタミンCを含んでいます。ビタミンCの効用は栗やさつまいもで述べた通り。さらに、柿には高い抗酸化力が期待できる成分がポリフェノールが含まれています。柿には『柿タンニン』というポリフェノールがあり、その含有量は赤ワインの20倍ほど。タンニンは血液をサラサラに保ち血管の若返り効果も期待できるほど美容と健康に重要な働きをします。また、カリウムも多く含んでいる優秀な果物。夏バテの原因の一つにカリウム不足が挙げられるので、夏バテを引きずっている人は是非柿を食べてみてください。
干し柿はどうなの?
スーパーで柿が並ぶ季節にはもれなく干し柿も並びますよね。柿は皮を向くのが面倒だからなかなか買う気になれないけど干し柿なら…という人もいるのではないでしょうか。干し柿と生の柿では実は栄養バランスが異なってきます。干し柿は生の柿と比較するとビタミンCが半減。ビタミンC摂取を目的にする場合は生の柿を選びましょう。ただし、干し柿は生の柿に比べてβカロテンは2倍に増加し、食物繊維も豊富になります。βカロテンはビタミンCと同じく強い抗酸化作用を持つ成分で、ビタミンCと同時に摂取することで相乗作用が起こるため肌荒れなどに効果的です。干し柿はペクチンの含有量が非常に豊富なため便秘予防に効果的です。ただし、干し柿にふくまれるタンニンやペクチンは便秘に効く一方お腹をゆるくしてしまう事も。また、タンニンは鉄と結びつき鉄分んの吸収が妨げられる事があるので、食べ過ぎると貧血を引き起こしてしまう可能性があります。干し柿は甘くて美味しいので、生の柿より食べ過ぎてしまう傾向にありますが、食べ過ぎには注意しましょう。
家計に優しいきのこ
きのこは秋が旬です。一言にきのこと言っても色々な種類がありますが、どのきのこ類も低カロリーで食物繊維が豊富なので、便秘が改善したり、ダイエット向きの食材と言われています。また、ビタミン類がたっぷり含まれているので、美容にも良い食材です。比較的安価に手に入るのもうれしいですよね。また、お味噌汁や炊き込みご飯、お鍋などにさっと入れるだけでOKな手軽さも魅力です。きのこの種類によって、含まれる栄養素も異なるので、お味噌汁に入れるきのこを、普段不足している栄養素を補ってくれるきのこにしてみたりするとさっと栄養が補えます。きのこの種類ごとにどんな栄養素が含まれているのか知りましょう。どのきのこも傷みやすいので、キノコを長持ちさせるには冷蔵よりも冷凍保存がおすすめです。冷凍すると細胞が壊れて栄養が溶け出して栄養価が高まり、旨味がアップしますよ。
きのこの種類とそれぞれの特徴
しいたけ
日本人がよくたべるきのこの代表の一つしいたけ。しいたけにはビタミンDのもとになるエスゴステリンが多く含まれています。ビタミンDは骨を丈夫にしたり、細胞の代謝機能をアップさせる効果があります。ビタミンDは他の食材ではあまり摂れない栄養素なので、是非しいたけで補ってください。また、ビタミンB2も多く含まれています。ビタミンB2はにきびや肌荒れ予防に効果的です。実はしいたけは天日干しするとビタミン類が増えるんです。干ししいたけを利用するのもいいし、生のしいたけの場合も調理をする30分~1時間前に日光に当てて干すとビタミンの量がアップしますよ。
まいたけ
まいたけには肌荒れを防ぐビタミンB2とナイアシン、お肌の潤いを保つトレハロース、メラニンの活性化を抑えるチロシナーゼ阻害物質など美肌効果のある栄養素が含まれています。特にビタミンB2はきのこの中でも一番含まれていると言われているほど。肌荒れやニキビに悩まされている人はまいたけを選ぶといいですよ。まいたけを選ぶ時はかさの色が濃く、肉厚なものを選びましょう。表面が水っぽくなっているまいたけは鮮度が落ちているので注意。水溶性の栄養素を含んだ食材なので、水洗いすると栄養素が流れてしまいます。軽く拭く程度にしておきましょう。
エリンギ
しっかりとした食感とボリューム感があり、炒め物にもよく活躍するエリンギ。エリンギはきのこの中でも食物繊維が多く含まれているので、便秘解消にとても良い食材です。またカリウムも多く含まれているのでむくみの解消にもなり、デトックス効果の高い食材といえるでしょう。料理に入れるとかさましできるので、ダイエット中の人におすすめの食材です。またビタミンB群も含まれているので、美肌効果も期待できます。ただし、カリウムやビタミンは水に溶けやすいというデメリットも。ビタミンBやカリウムの栄養価を期待している場合は煮汁まで飲めるスープに入れるとよいでしょう。一方ビタミンDは脂溶性なので、炒め物など油と一緒に食べると効率的に吸収できます。自分が積極的に取りたい栄養素をベースにどう調理するかを決めましょう。
まとめ
食欲の秋といわれるほど、秋はおいしい食材が多いです。イメージとは違いビタミンCが豊富な野菜があるので、夏に紫外線を沢山浴びた肌を回復させるのにぴったりです。ただし、どんな食材にもいえる事ですが、食べすぎは逆に体に負担をかけることがあるので注意しましょう。特に秋はさつまいもをはじめ、野菜に甘みが増し、かつ簡単な調理のみで美味しくなるのでついつい食べすぎてしまう傾向にあります。今日はこれだけ、という量を決めて、バランスの良い食事を心がけましょう。
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