アジア人の目元は、一重でつり上がっている人が多く、これによって冷たくキツい印象を与えてしまう…なんてことも。
つり目でお悩みの方は、たれ目形成でつり目を解消し、優しい雰囲気へと変わることができます。また同時に、白目と黒目の見える範囲を広くすることで、目を大きく見せる効果もあります。
たれ目形成(グラマラスライン/下眼瞼下制術)とは?
たれ目形成とは、名前の通りたれ目を形成する治療のことです。別名「グラマラスライン」「下眼瞼下制術」「下眼瞼拡大術」とも呼ばれています。
目尻側の下瞼3分の1(約1㎝程度)を外側に下げて丸いカーブを作ることでつり目を解消させ、優しく癒されるような印象を演出します。
また、たれ目にするだけでなく、下瞼のラインを下げることで白目と黒目の露出が大きくなるので、目を大きくぱっちり見せる効果もあります。同時に二つの効果を得られ、満足度の高い施術であるので希望する方が多い治療法です。
目元は数ミリの違いで大きく印象が変わり、非常に大事なパーツであるので、施術には高い技術が必要とされます。
<おすすめの方>
*たれ目にしたい
*つり目を解消させたい
*目つきが悪いと言われることがある
*下瞼が黒目にかかって目が小さく見える
*下瞼の逆さまつげを改善したい
*優しい目元になりたい
*癒し系のフェミニンな雰囲気にしたい
*目を大きく見せたい
*カラコンに合う目元になりたい
*左右の目の大きさを整えたい
施術方法
たれ目形成の手術には、糸で留めるだけの「埋没法」と、切開して確実なラインを作り本格的なたれ目にする「切開法」、そして注射だけで気軽にたれ目を形成する「ボトックス注射」の3種類があります。
<切らないたれ目形成…埋没法>
結膜(下瞼の裏側)に2mm程度の入り口を作り、瞼板から下円蓋部までを糸で留めます。仕上がりのラインに沿って、下瞼の一番下げたい部分と、黒目の外側の2ヶ所を糸で留めて瞼板を下に下げます。縛った糸を下げることで、たれ目になります。
切らずに糸だけで行う方法は、腫れやダウンタイムが少なく、傷跡も見えません。しかし術後に糸が緩んでもとに戻ってしまうことがあり、つり目具合が強い方ほど後戻りしやすいです。個人差はありますが、効果の持続は約10年です。
もし元に戻したい場合は、術後1ヶ月以内であれば可能です。それ以上時間が経過してしまうと糸と組織が癒着してしまい、完全に元に戻すのは難しくなります。
<切るたれ目形成…切開法>
つり目が強い方・埋没法だと元に戻りやすい方・半永久的な効果が欲しい方には、切るタレ目形成がおすすめです。埋没法と違って、元に戻すことは難しいので、その場合は再手術が必要です。
切開法には2種類やり方があります。
⑴結膜側(下瞼の裏側)から切開
下瞼がどの位置からつり上がっているかを診察し、マーキングしていきます。
麻酔後、下瞼を裏返して結膜を露出させ、黒目の内側から目尻までを約1㎝ほど切開します。眼窩隔膜を切開することで、眼窩脂肪と、その奥の腱膜が露出します。(※この時、くまやたるみの原因となる目の下の脂肪取りも同時に施術可能です。)
結膜と腱膜を、瞼板に糸で固定します。この時の、縫い縮める量と場所で、下まぶたの下がり具合とカーブが決定します。縫い縮めて余った結膜と腱膜を切除し、最後に結膜を縫合します。
縫合した糸の結び目を粘膜の内側に埋め込んで終了です。瞼の裏側を切開するので、傷跡が表に出ず目立ちません。
⑵皮膚側(下瞼の表側)
下まぶたの吊り上がりが強い場合は、皮膚の切開も併用します。
始めに、切開する部分をマーキングします。その後、切開する部分の皮膚(下瞼のまつ毛のすぐ下辺り)を切除し、脂肪を下へずらします。瞼板と筋肉を縫合し、希望のたれ目に合わせて、カーブの底辺になる部分を調整し、糸を結びます。最後に皮膚の表面を縫合し、終了です。
皮膚の切開を行う場合はまつ毛に沿った傷は残りますが、数か月するとほとんど目立たなくなります。
結膜側から行うよりも、皮膚側から処置を行うことで正確な操作ができ、半永久的に効果が持続するのが特徴です。しかし、余分な皮膚を切除しないと皮膚がだぶついて綺麗に下がらなかったり、下まつ毛が内側向きになって、逆さまつ毛のようになってしまうことがあります。ダウンタイムも長引くことがあります。
<注射のみでたれ目形成…ボトックス注射>
目の周囲を同心円状に取り囲む眼輪筋に対してボトックスを注射し、部分的に下瞼の眼輪筋の緊張を和らげます。筋肉を弛緩させることにより下瞼のラインを下げ、たれ目を形成します。注入箇所によって印象も変わってきます。
ボトックス注射は切開までは考えていない方や、一度たれ目が似合うか試してみたい、一時的にたれ目になりたい、という方にとてもおすすめの治療です。安価で施術時間は短く、リスクも低いです。手軽にたれ目にすることができます。術後すぐに普段通りの生活を送ることができます。
ボトックスの効果の持続は約3~6ヶ月程度ですが、定期的に注射することでさらに効果持続も実感できます。
◎たれ目をより強調したい方へ
“よりタレ目を強調させたい方”は、目尻切開を同時に手術することをおすすめします。目尻切開とは、目の外側にある目尻を数㎜ほど切開して白目部分を増やし、横長にする手術のことです。目尻切開で目尻の白目部分が露出することで、よりタレ目を強調することができます。また、目が横長になることで小顔に見せる効果もあります。
◎たれ目にしつつ、目を最大に大きくしたい方へ
たれ目形成に加え、埋没法による二重術、目尻切開、目頭切開をすることで、たれ目にしつつ目を最も大きく見せることができます。
この組み合わせは女優さんやモデルさんのような、ぱっちりとした大きな目を目指す方におすすめです。たれ目であることから、優しい印象も与えることができるので、人気の目元の組み合わせ手術です。
しかし、治療の種類を増やせば増やす程リスクは高くなります。目元はわずか数ミリの違いで大きく印象が変わってしまうので、ひとつの施術でズレが生じるとイメージと違う出来上がりになってしまいます。
施術の流れ
①カウンセリング
医師に目元を診察してもらい、希望の仕上りを伝えた上でたれ目のデザイン、最適な施術方法を決定していきます。つり目を治したい場合はつり目の範囲を診察し、位置や幅を調整してマーキングします。
②麻酔
瞼の裏側から局所麻酔を行います。クリニックによっては、痛みや起きた状態での手術が心配な方に対し静脈麻酔を行い、眠ったまま手術を受けられるところもあります。
ボトックス注入によるたれ目形成をする方は、麻酔は必要ありません。
③施術
カウンセリングで決定した施術方法を、それぞれ施していきます。施術時間は、治療法によって変わってきます。
埋没法…約30分
切開法…約40~60分
ボトックス注入…約5分
また、たれ目形成には主に手術方法が3種類あります。
・目尻側の下瞼を下げてたれ目を強調
・目尻と黒目の両方の下瞼を下げて、目を大きくしながらたれ目にする
・黒目のすぐ下を中心に下げ、縦に長い目元にする
下げ方によって目元の印象も変わります。たれ目にする以外に目元の悩みを同時に解消できるので、カウンセリングで理想の目の形状・タレ目の下げ度合いなど、デザインを入念に話し合いましょう。
④術後
施術後の対応は術式により変わってきます。
下瞼の裏側の結膜部分を切開する方法では、通院が基本的に不要です。それに対し、下瞼の皮膚を切開する方法では、抜糸が必要なため、施術の5日〜1週間後に再度クリニックへ行く必要があります。ただし、抜糸以降の通院は特に必要ありません。
リスク・副作用
*術後、目元に痛み、違和感、腫れ、赤み、内出血が生じますが、数日で収まります。しかし瞼や眼球の赤みや痛みが持続する場合は、早めにクリニックで受診しましょう。
*結膜側の手術を行った場合、下瞼の裏側の粘膜にうっすらと傷跡が残ります。メイク、洗顔は施術翌日から可能ですが、痛みや沁みる感化がある場合は、数日無理をせず様子を見ましょう。
*皮膚側の手術を行った場合、下まつ毛のすぐ下にうっすらと傷跡が残りますが、メイクで隠せる程度で、ほぼ目立ちません。メイク、洗顔は抜糸翌日から可能です。
*埋没法の手術を行った場合、1~2週間後にやや元に戻ってしまいますが、これを見越した上で施術を行っています。約2週間後の状態が完成形となります。
また、埋没法は後戻りのリスクもあります。完全に元に戻ってしまうことはほぼ稀です。
*目の周りへのマッサージは、1ヶ月後より可能です。運動は可能ですが、徐々に身体を慣らすようにしていきましょう。
まとめ
たれ目形成術は、つり目を改善するだけでなく、目を大きく見せることもできます。二重術などをすでに施した方で、よりぱっちりした目元にしたい方にもおすすめです。
しかしたれ目形成では”瞼の下げ過ぎ”に注意しましょう。下げすぎてしまうと、かえって見た目の違和感が強くなったり、下瞼は逆さまつげになりやすくなってしまうこともあります。
目元は人の印象に大きく関わるパーツなので、顔全体のバランスを考慮した上で、自分の理想の目元に近づきましょう。
興味はあるけど、希望のたれ目が自分に合うか心配な方は、まずはボトックス注射で気軽にたれ目を試してみるのも良いでしょう。
コメントを書く