気になるエラ張り…もしかして歯ぎしりが原因かも

気になるエラ張り…もしかして歯ぎしりが原因かも

エラが張って顔が四角く見える、大きく見える…そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?実はエラ張りは多くの場合、咬筋(こうきん)と呼ばれる筋肉が原因になっており、美容整形や小顔エステはもちろん、簡単なマッサージでも改善できます。しかしながら、咬筋発達の原因の一つである歯ぎしりは、実は美容面だけではなく身体の健康にも大きく影響を及ぼします。ストレス過多のキャリア女性は、無意識に奥歯をグッと噛み締めてしまったり、寝ている間の歯ぎしりしてしまうこともあり、食いしばりがくせになっている、という人も多いのではないでしょうか。また、寝ている間の歯ぎしりは気づかない人も多いです。いくら美容整形や小顔エステでエラ張りを解消しても、歯ぎしりが悪化すればまたエラが張ってしまいます。まずは自分が歯ぎしり・食いしばりをしている可能性があるかをチェックし、原因・対処方法を知りましょう。

歯ぎしり・食いしばりのチェック

歯ぎしりや食いしばりは本人に自覚がなくとも一緒に寝ている家族が気がついたり、友人との旅行をきっかけに友人から指摘される事もあります。ですが、一人暮らしだったりするとなかなかわからないものです。

以下のチェックリストの中であてはまる項目や気になる項目があれば、一度は歯ぎしり・食いしばりを疑ってみましょう。もしくは歯科医院で気になる事を相談してみましょう。

・歯が磨り減る、歯が欠けている

前歯の先端が平らになっていたり、奥歯の噛む面の凸凹がなくなっていていませんか?歯は長く使い続けると自然とすり減っていくものですが、そのすり減り方が通常よりも早いペースで進んでいるような場合は頻繁に歯ぎしりをしている可能性があります。また、歯ぎしりによる強い咬合力が継続的に加わると、表面のエナメル質がすり減り、象牙質が顔を出します。象牙質はエナメル質よりやわらかいので、さらに減りやすく、象牙質が減ったエナメル質は、欠けたり折れたりしやすくなります。

・朝起きると「アゴがだるい」「アゴの関節が痛い」

歯の異常はなくとも、起きている時に顎の疲れを感じていませんか?食いしばりをしているかもしれません。歯ぎしりをするとアゴの関節やその周囲の筋肉に大きな負担がかかります。時には、首まで痛むことがあり、寝違えたと勘違いしやすいので注意が必要です。日中でも顔の筋肉がこわばるような感覚があれば、無意識に歯をくいしばっている可能性があります。

・起床直後に知覚過敏がある

起床後冷たいものを飲むと歯がしみていませんか?寝ている間の歯ぎしりのために歯が滑って、起床と同時に知覚過敏の症状がでているかもしれません。

・骨隆起がある

下の裏側の歯ぐきに硬いコブのようなものがありませんか?歯ぎしりでアゴの骨に加わる力の刺激によって骨隆起ができることがあります。コブが大きくなると歯ブラシや食べ物などで歯ぐきが傷つきやすくなることがあります。

・原因不明の頭痛や肩こりに悩まされる

原因のわからない頭痛や肩こりが慢性的に起きていませんか?歯ぎしりやくいしばりによる顔やアゴの周りの筋肉の緊張はやがて首や肩の筋肉にも影響し、慢性的な肩こりの原因となってしまいます。

歯ぎしりのデメリット

痛みがなければ放置しがちですが、対処をしないと歯や健康に大きなダメージを与える可能性があります。

・歯がすり減る、ひびが入る、折れる

毎日のように歯ぎしりを続ければ少しずつ歯は磨り減ってきてしまいます。磨り減ることで噛み合わせが悪くなり、さらに歯ぎしりがひどくなるという悪循環に陥ることも。さらに、歯ぎしりにかかる力は、ものを食べるときにかかる力の約100倍あります。想像以上の力が加わって、ひどい場合は歯にひびが入ったり折れてしまうことさえあります。

・歯周病を引き起こす

歯ぎしりを繰り返していると歯に加わる咬合力により、歯肉や組織に炎症が起こり、歯周病がひどくなる可能性があります。

・知覚過敏症を引き起こす

歯ぎしりによって、歯の表面(エナメル質)が削られ、中の象牙質が露出してくると、冷たいものや甘いものがしみるようになります。これが所謂知覚過敏の症状です。飲食のたびに痛みを感じるため、思ったように食べられなくなってしまいます。歯ぎしりがあまりにひどいと歯の痛みが治まらず、歯の神経の処置をしなければならない事もあります。

・睡眠障害を引き起こす

睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の原因にもなります。

・咬筋(エラ)の肥大

歯ぎしりを繰り返すと口周りの筋肉が発達し、エラが張ります。輪郭が四角くなり顔が大きく見えるため、美容の観点からも影響を及ぼします。

そのほか、虫歯治療の被せものや金属が取れやすくなる・入れ歯などの破損、インプラントの破折など、既に治療を終えた歯にも悪影響を及ぼします。

歯ぎしりの主な対策

歯ぎしりはストレスや噛み合わせが原因とも言われていますが、明確な原因がまだ解明されていません。そのため歯ぎしりを根本的に治す方法というのもいまだ確立されていないのが実状です。しかしながら8割から9割の方に発現するといわれる症状ですので、日常的に対処し、上手に付き合っていく事が大切です。

・歯科医院で『歯ぎしり用マウスピース』を作る

歯科医院で現在おこなっている主な歯ぎしり治療がマウスピースの装着です。寝ている時にプラスチック製のマウスピースを上の歯に装着することで、歯や顔周りの筋肉、アゴの関節に対する負担を減らしていきます。また、マウスピースで噛み合わせを調整することによって歯ぎしりの抑制が期待できます。マウスピースは健康保険が適用されるので歯科医院で相談しましょう。

・矯正治療で噛み合わせを治す

人によっては噛み合わせの悪さが歯ぎしりの原因になります。正常な状態に治していくために矯正治療を行う場合もあります。治療が長期に渡ることもありますが、噛み合わせが整うと、歯ぎしりの解消だけでなく肩こりなど全身の不調解消にもつながります。

・ストレスの発散、ストレスを溜め込まない

歯ぎしりの原因で現在もっとも有力だといわれているのが『ストレス』です。また、歯ぎしりは寝ている時に何らかの原因で脳が興奮し、その興奮が歯やアゴに伝わることで生じることが近年の研究で明らかになっています。ストレスの原因はさまざまであり、そのすべてを根本から解消するのは難しいですが、軽い運動や日々のストレッチ、読書や趣味の時間など、自分に合ったストレス解消法で軽減することはできます。

・意識的に歯ぎしりを抑える

日中だけでも、お口のなかの状態に意識を向けておくことで、無意識におこなってしまう歯ぎしりを抑えることができます。噛みしめてしまっていることに気付いたときには、すぐに離すように意識しましょう。口をかみしめていると気づいたらすぐに口を開くなども有効です。

・ボトックスによる治療

ボトックス(ボツリヌストキシン)はボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種で、神経に作用し弛緩作用や筋肉の動きを抑制する働きがあります。もともとは美容外科でよく使用されるものでしたが、最近ではこの作用を利用して歯ぎしり・食いしばりの治療手段とする歯医者も増えてきています。効果が永久的ではない治療になるので、歯科医院で計画をきちんと相談しましょう。

・マッサージをする

お口の周りの筋肉をほぐすようにマッサージをすることで筋肉をリラックスさせ、歯ぎしりの誘発を抑制できます。マッサージをする際は肌を傷つけないよう爪を切り、乳液などで肌の滑りをよくして優しくマッサージしましょう。

・寝る直前の飲酒、カフェイン摂取、スマホいじりを避ける

浅い眠りは頬の筋肉が過度に収縮し、歯ぎしりがお起こりやすくなると言われています。寝る前の過度な飲酒やカフェイン摂取は睡眠は眠りを浅くし、歯ぎしりを起こす原因となります。またスマホやテレビで光を見続けていると交感神経が刺激され、くいしばりが強くなります。就寝一時間前にはスマホ・テレビは終えるように心がけ、リラックスした状態で眠りにつけるようにしましょう。

子供の歯ぎしり

歯ぎしりは大人だけのものではありません。子どもは、乳歯が生え始めるタイミングから歯ぎしりをすることがあります。大人の歯ぎしりの原因と同じくストレスによる歯ぎしりもありますが、大きくは歯の生え変わりの準備と考えられています。親からすると心配になってしまいますが、どれも別段問題はなく、成長の過程で生じる自然な行為なので安心してください。ただし、歯ぎしりによる痛みを訴えている・異常に歯がすり減っている場合は歯科医院に相談しましょう。また、永久歯が揃う中学生くらいになっても歯ぎしりが終わらない場合も歯科医院に相談することをおすすめします。過剰なストレスが原因になっている場合もあるので、その場合は大人が適切に対処することも大切です。

歯ぎしりしていないつもりでも、筋肉によるエラ張りがある方は無意識のうちに歯ぎしりをしている可能性もあります。本来の美しいフェイスラインに戻しながら、健康も取り戻しませんか?単なる体質と片付けず、自分の美容と健康のためにお口のチェックも定期的に行いましょう。

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