ボトックス治療で”歯ぎしり・歯の食いしばり”を軽減!?

ボトックス治療で”歯ぎしり・歯の食いしばり”を軽減!?

歯ぎしりや歯の食いしばりを他人から指摘されたことはありませんか?
寝ている時や無意識の内に行われていることが多く、自分では治しにくい症状です。
歯ぎしり・歯の食いしばりがもたらす体への悪影響は多く、美容外科でよく使用される「ボトックス治療」が実は有効的なのです。

歯ぎしり・歯の食いしばりとは?

歯ぎしり・歯の食いしばりの原因は未だ明確にはなっておらず、遺伝や飲酒、喫煙、カフェイン摂取、ある種の抗うつ薬の服用、ストレス、歯並びの乱れ、噛み合わせ不良などの関与が指摘されています。

歯ぎしり・歯の食いしばりは寝ている時にしていることが多く、特に眠りが浅い時に起こりやすいです。飲酒や喫煙、ストレスなどは、睡眠を浅くする要因です。その中でもストレスは、歯ぎしりの7~10%に関与していると言われ、肉体的・精神的なストレスがたまると、歯ぎしりをすることによって発散していると言われています。
また、睡眠時無呼吸症候群の方、逆流性食道炎の方も眠りが浅くなるので歯ぎしりの原因になると言われています。

歯ぎしりには主に3つの種類に分けられます。
グラインディング…上下の歯を横にギリギリと擦り合せる。
クレンチング…あまり音を立てずに上下の歯を強く噛み合わせる。食いしばりや噛み締めはこちらに該当。
タッピング…上下の歯をカチカチと噛み合わせる。

以上の3つが混在するタイプもあります。
特にクレンチングは、グラインディングやタッピングと違って音があまりしないので周囲からも気付かれにくく、発見が遅れやすいです。歯ぎしりを指摘してもらえる状況にいない場合は、歯のすり減り具合により、歯科医院で診断してもらうことができます。

歯ぎしりは睡眠中に行われていることが多いですが、起きている時にも無意識に歯を食いしばっていたり、カチカチと噛み合わせていたということがあります。
起きている時に行っていることに気付いた時は、意識的に行わないようすることが大切です。

ストレス社会と言われる現代において、ストレスを完全にゼロにすることは難しいことですが、ストレスと上手に付き合えるよう工夫しつつ、歯ぎしり・歯の食いしばりから歯や顎を守るための対策を自ら行うことが大切です。

しかし、子供と大人では歯ぎしりの原因が異なる場合があります。
子供は浅い眠りと深い眠りを多く繰り返し、睡眠のリズムが整っていないので歯ぎしりが大人より多いケースがあります。この場合は成長と共に睡眠のリズムが安定し、歯ぎしりが自然となくなることが大半ですので、酷すぎなければ様子を見るだけでいいでしょう。

大人の場合は、何かしらの影響を受けているので、まずは生活習慣を整えたり、ストレッチやリラックスを心がけて工夫をするところから始めてみましょう。

歯ぎしり・歯の食いしばりがもたらす影響

睡眠中に行われている場合は、睡眠の妨げになってしまいます。しかし音が鳴らないタイプの歯ぎしりで睡眠に影響が出ていなかったとしても、自分が思っている以上に歯や顎に大きな負担をかけています。
というのも、ある研究によると、睡眠中の歯ぎしりの際に出る力は、食事中などに噛みしめたときに出る力よりも大きくなることがあり、その力は体重の約1.5倍近いと言われています。人によってはギリギリと5分間も歯をすり合わせたり、一晩で計何十分も歯を食いしばっていることがあります。

このように歯への負担が大きくなるほど重大なトラブルへと繋がってしまいます。


◎咬筋肥大
歯ぎしりや食いしばりが続くと、食物を咀嚼するときに使われる筋肉(咬筋)が必要以上に発達します。
この状態が長く続くことによって顎の痛み、血行不良、ストレス、頭痛、肩こり、エラ張り、むくみなどの原因になる可能性があります。 

◎歯の詰め物の脱離・破損
噛む力が強いとセラミックの詰め物や、インプラントが外れたり破損することがあります。

◎歯周病
もし既に歯周病を発症している場合、歯ぎしりによって進行が早まることがあります。

◎顎関節症
歯ぎしりによる力は通常の食事のときよりも大きな力が働きます。そのため、顎関節への負担が大きくなり、顎関節症の原因となることがあります。
顎関節症になると、顎の痛み、口が開かない、顎からカクカク音がするなどの症状が出ます。

◎歯の亀裂
歯へ過度の負担がかかると、その力に耐えられずに歯の表面に亀裂が生じます。
亀裂は人によって大小様々ですが、その亀裂によってできたヒビから虫歯菌が侵入して虫歯になったり、歯が割れて抜歯せざるを得ない状況にもなります。

◎歯のすり減り
強い力で歯をこすり合わせ続けると、歯の先端が削れていき、歯の先が平になったり短くなることがあります。
この症状が進行すると表面のエナメル質が削れて歯の中の象牙質が露わになり、虫歯や知覚過敏を引き起こしてしまう原因になります。

◎骨隆起・外骨症
歯ぎしりや食いしばりが強い方に見られる症状です。顎の骨に過度の力が加わり、その刺激によって上顎、下顎、歯茎の部分にできる硬い骨が盛り上がってふくらみができます。歯ぎしりをしているサインでもあります。
痛みはなく、病的なものでもないので放置していても大きな問題はありません。しかし肥大化していくので、私生活に支障が出てきたら切除する必要があります。

◎楔状欠損(くさびじょうけっそん)
歯ぎしりなどによる大きな力によって、歯の歯茎に近い部分にひずみが集中し、歯の根元が楔状に削れていく症状です。
歯の表面を守るエナメル質が欠損してしまうため、知覚過敏などの症状が発生し、目に見える部分でもあるので審美的な問題にも繋がります。進行すると亀裂に発展し、破折につながるというケースもあります。

ボトックス治療

ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種で、神経伝達物質(アセチルコリン)の分泌を阻害し、神経に作用し筋肉の働きを抑える作用があります。 別名ボツリヌストキシンとも言います。

その効果や安全性は、米国FDA(アメリカ食品医薬品局:アメリカ合衆国の政府機関)によって実証され、世界中で使用されています。
日本では医療領域において厚生労働省の承認を受けており、美容業界ではシワ取り治療、小顔治療として一般的に知られており、美容目的では世界70か国以上で使用されています。他にも、過剰な発汗を抑制したり、眼瞼や顔面の痙攣、脳性麻痺の歩行障害などの治療にも用いられています。

歯ぎしりや歯の食いしばりにおけるボトックス治療

肥大した咬筋にボツリヌストキシン注射をすることによって咬筋の緊張を緩和し、筋肉の動きを抑えます。睡眠時に歯ぎしりをしている方は、この神経伝達物質が無意識のうちに働いてしまっている傾向があるため、ボトックス注射によりその働きを抑制することで歯ぎしりを防止することが出来ます。

歯ぎしりや歯の食いしばりは、その頻度と強さによって引き起こされる症状が変わりますが、そもそもの原因となる咬筋の筋肉の動きを減らすことで、噛むことによる顎や歯の負担を軽減させることができます。

他にも、噛む筋肉が過度に発達したエラの部分のボリュームを軽減させ、フェイスラインがすっきりし小顔効果も得られます。

<施術や効果について>
施術は注射による注入のみなので、15分前後で施術は終了します。痛みやダウンタイムが少なく、気軽に受けることができます。
個人差はありますが、1週間ほどで歯ぎしりなどが軽減し、1カ月ほどで筋肉が減ったことをを感じることが多いです。効果は3~6ヶ月程度続き、効果がなくなる前に再度ボトックス治療を行うことが理想的ですが、歯ぎしりなどの習慣的な症状は数度のボトックス治療で解消できることもあります。


<おすすめの方>
*家族や友人、恋人から歯ぎしりを指摘された
*起きている時でも気がつくと歯を噛み締めていることがある
*起床時に顎に倦怠感やこわばり等の症状を感じる
*口が大きく開かない
*顎周りの筋肉や関節が痛い
*顎の筋肉が発達してきて顔が大きく見える
*歯ぎしり、食いしばりによって歯や歯茎に影響が現れてきた
*歯ぎしりなどによる影響で頭痛、肩こりをおこしている
*嘔吐反射があってマウスピースがつけられない
*片方で噛むクセがあって顔の左右差が激しい

ボトックス治療以外の改善法

歯ぎしりや歯の食いしばりの改善法には、ボトックス治療以外に、マウスピース(ナイトガード)の着用で歯や顎関節にかかる負担を軽減することもできます。
しかし、この方法は歯ぎしりそのものを防ぐのではなく、歯ぎしりによる過度な力によって歯が破壊・欠損されてしまうのを防ぐためのもので、歯ぎしりや歯の食いしばりの根本的な解決にはなりません。保険が適用されるので、安価で症状を緩和させたい、予防をしたい、注射が苦手な方には有効でおすすめです。

まとめ

歯ぎしりや歯の食いしばりによって引き起こされる影響は沢山あります。
寝ている時の歯ぎしりの音を指摘されてから治療を考える人も多いと思いますが、音が鳴らず、気にならないない場合でも、放っておくと大きなトラブルを引き起こす可能性があります。手遅れになるほど治療費もかさばるので、早期の治療をおすすめします。

ボトックス治療は美容外科のイメージが強い方もいると思いますが、歯ぎしりや歯の食いしばりにも効果的な治療で、場所によっては歯科クリニックでも施術を受けることができます。
ボトックス治療は噛んだり食いしばる力を抑制してくれるだけでなく、発達してしまった咬筋を収縮させてエラをすっきり見せる外見の面でも効果があります。

歯ぎしりや歯の食いしばりでお悩みの方、生活習慣を整えても改善されない方は、早めに受診し、ボトックス治療をぜひご検討下さい!

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