諦めていた”赤ら顔”は治療できる!?

諦めていた”赤ら顔”は治療できる!?

頬や額などを中心とした顔が、長時間赤みを帯びてしまう「赤ら顔」。メイクで隠すのも難しく、体質だから仕方ないと諦めていませんか?
実は、原因に応じた治療を行えば「赤ら顔」を治すことができます。

赤ら顔とは?

人間は、緊張や興奮、気温などの変化によって自律神経が働き、一時的に毛細血管が拡張し、顔に赤みを帯びることがあります。通常であれば拡張・収縮を繰り返し、血液が循環されていますが、血液が過剰に滞ってしまうと長時間、又は常に皮膚表面から血液の色が透けて見え、顔が赤みを帯びてしまいます。この状態のことを「赤ら顔」といいます。
別名「酒さ」「毛細血管拡張症」とも呼ばれています。

敏感肌をともなうこともあり、繰り返す顔のほてりと発赤によって発症し、徐々にニキビに似た発疹も出てくることがあります。症状が長引くと鼻瘤(だんご鼻)を形成することもあります。

頬の赤みは、メイクでカバーしても完全に消すことができないため、根本からの治療が必要となります。

症状

赤ら顔の症状は段階的に現れ、放置して時間が経つほどに悪化していきます。

①症状が出始めた頃は、頬、鼻、顎、眉間を中心に繰り返すほてりが見られます。時には首にもほてりが出ることがあります。

②紫外線、飲酒、寒暖差などといった刺激によって、顔のほてりや赤みが数時間〜数日間続きます。ヒリヒリとした刺激を感じることも多々あります。

③ニキビのような発疹が突然現れ、それが数週間持続します。

④鼻が赤く腫れ、ニキビのようなしこりが見られるようになります。放置した場合、鼻瘤(団子鼻)が見らるようになります。


◎症状が現れたら…
こするような洗顔方法は、皮膚を刺激してしまうので症状を悪化させてしまいます。また、食べ物としての刺激物(アルコール飲料、香辛料など刺激物)も避けましょう。
赤ら顔の原因のひとつでもある温度変化にも気を付ける必要があります。精神的なストレスも悪化要因になるので、自分に負担をかけ過ぎないよう意識して過ごしましょう。

原因

赤ら顔になってしまう原因は大きく分けて、「温度の変化によるもの」「皮膚の問題によるもの」「健康上の問題によるもの」の3つに分けられます。

<温度の変化によるもの>
*寒くなると、血流が悪くなり毛細血管の拡張・伸縮が低下します。そうなると顔の温度を上げようと、血管が収縮を弱めて拡張をし続け、血管が透けて顔が赤くみえるようになります。
この場合、かゆみを伴うことがあり、アルコールや刺激物などを摂取して血流がよくなったときも同じような症状が出ることがあります。
風呂あがりや、寒い場所から暖かい室内などに移動した時、寒冷地(特に寒風のある地域)で育った場合に症状が顕著に現れます。


<皮膚の問題によるもの>
*顔の皮膚は薄く、目の下などは薄紙一枚にも満たないほど薄くできています。そのため、毛細血管が集中している顔に血管が透けやすいです。

*薬の副作用やニキビ、炎症などの皮膚疾患によって肌荒れを起こす場合。
ニキビの場合は、ニキビが治ったあとも、その赤みだけが残ってしまった状態がニキビ跡の赤みです。
ニキビは肌の組織にダメージを与えます。そうすると、炎症によって損傷した組織を治すために、毛細血管が患部に集中し、集まった血液によって赤い色素が濃く見えます。

*肌に合わない化粧品を使用し続けると、敏感肌の人はかぶれて炎症を起こしたりなど、外因性の刺激によって赤みが増すこともあります。
フェイスブラシを用いたり、スクラブ洗顔、ゴシゴシと強くこする洗顔など、間違った洗顔方法によっても赤ら顔を招くことがあります。

*ステロイド外用剤、放射線照射等の影響で皮膚萎縮が生じた場合。

*皮膚の表面の毛包虫感染した場合。


<健康上の問題によるもの>
*内分泌ホルモン系機能障害や、便秘、胃腸障害によるのぼせの状態が継続した場合。

*胃のピロリ菌感染に伴う場合。

*抗菌ペプチドと呼ばれる、皮膚の表面にある細菌を抑えるためのタンパク質に何らかの問題がある場合。

赤ら顔の治療法

主に、赤ら顔の治療は、フォトフェイシャル(IPL)・YAGレーザー(ジェネシス)・フォトRF(オーロラ)・Eライト・E-max・M22・ePlusなどといった光レーザーで改善できる場合がほとんどです。
どの治療法が一番自分に合っているかどうかは、まず最初に診断を受け、カウンセリングにて決定していきます。
赤みの強さや、症状によっては数回に分けて治療を受ける必要もありますが、正しい治療を重ねて行くと、毛細血管の拡張が正常な状態に改善されていきます。


以下、赤ら顔治療によく使用される、フォトフェイシャル(IPL)・YAGレーザー(ジェネシス)についてです。

◎フォトフェイシャル(IPL)
有害な紫外線をカットし幅の広い波長を持つマイルドな光、IPL(Intense Pulsed Light)を用いた光治療のマシンです。表面だけでなく肌の奥に働きかけて血管を収縮させて肌の赤みを抑えていきます。

肌トラブルの原因となるメラニンやヘモグロビンに選択的に吸収されることによって、光のエネルギーが熱に変わり、ターゲットにダメージを与えます。そのため、赤ら顔やニキビ跡の赤みだけではなく、シミ・シワ・毛穴の開きなどにも有効で、幅広い症状に効果を発揮します。同時にコラーゲンの再生を活性化させるので、お肌が内側から美しく変わっていきます。3~4週間の間隔をあけ、5回程度の治療が効果的です。
様々な悩みを同時に解決できるので、複数のお悩み・肌トラブルをお持ちの方にオススメです。


−治療の流れ−
①特殊なカメラを使って顔を撮影し、照射可能であるかの診断を行います。

①クレンジングでお肌の汚れやメイクを落とし、眼を保護してからお肌を守る冷却ジェルを塗っていきます。

②痛みの具合などを確認しながら、医師の指示によるパワーで希望部位に丁寧に照射をしていきます。照射中に痛みはほとんどありません。

③施術後はしっかりとクーリングします。最後に保湿・鎮静パックでお肌を整えます。

④施術後はメイクをしてそのまま帰宅可能です。紫外線対策をしっかりしましょう。
光に反応した色素沈着部分が一時的に濃く浮き上がりますが、治療経過の一部です。


−ダウンタイム・リスク・注意点−
*メイク・洗顔・入浴は当日から可能です。顔を洗う際は、こすらないよう泡を使って優しく洗いましょう。

*ヒリヒリ感、ほてり、赤み、軽度の浮腫を感じることがありますが、通常3~5日程度で消えていきます。

*照射部位にムダ毛が多いと、やけどを起こす可能性があるので事前に処理を済ませておきましょう。また、日焼けをした場合、必ず医師に申告しましょう。


◎YAGレーザー(ジェネシス)
赤い色に反応するため、赤ら顔・赤いホクロ・血管腫・毛細血管拡張症など、毛細血管が肌表面に赤く見える症状の改善に適したマシンです。その他にも、毛穴や目の下のクマにも有効的です。

真皮層にある毛細血管内の赤血球に含まれるヘモグロビンに反応し、熱エネルギーに変換されます。産生された熱は血管の内皮細胞を凝固させる、あるいは熱が大きい場合は血管を破壊します。毛細血管を熱凝固や破壊をさせることで皮膚の赤みを伴う症状を改善させていきます。
治療後に内出血をおこすリスクが少なく、肌への負担を抑えながら治療が受けられます。3ヶ月の間隔をあけ、3~4回程度の治療が効果的です。

3ヶ月以上の間を空けて治療する場合に限られますが、YAGレーザーは単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症の治療において、健康保険と乳児医療の適応となります。
ニキビ跡の赤みに対しては、保険適応外治療です。


−治療の流れ−
①医師が診察し、カウンセリングを行っていきます。

②クレンジングでお肌の汚れやメイクを落とし、眼を保護してからお肌を守る冷却ジェルを塗っていきます。

③痛みの具合を確認しながら、丁寧に希望部位に照射していきます。

④治療後はしっかりとクーリングしていきます。最後に保湿・鎮静パックでお肌を整えます。

⑤施術後は治療部位意外のメイクが可能で、そのまま帰宅できます。


−ダウンタイム・リスク・注意点−
*メイク・洗顔・入浴は当日から可能ですが、炎症が強い場合には、メイクは控えましょう。

*腫れ、赤みの持続、紫斑になることがありますが、通常5~7日程度で消えていきます。また、水疱や2~3日の痛みが続く場合があります。

まとめ

人は誰にでも顔が赤くなる経験があります。恥ずかしくなったり、興奮したり、気温の変化だったりと、赤くなる原因は状況によって人それぞれです。

しかし、その赤い顔の状態が長時間続く場合は「赤ら顔」である可能性が高いです。
そもそも顔が赤くなる原因の正体は毛細血管です。毛細血管が拡張して血流が増えると、皮膚表面から血液の色が透けて見え、結果として顔が高潮してみえます。

赤ら顔は基本的にレーザー治療で治ります。切開を伴う治療ではないのでリスクは低く、傷跡は残りません。治りも早く、赤ら顔以外のお肌トラブル(シミ・毛穴・ニキビ跡など)にも有効的なものもあり、一度で様々なお肌の悩みが改善されます。
治療時間も、範囲にはよりますが、約5〜30分ほどで終わるので、仕事が忙しく中々時間が取れない方や、一度にいくつか気になるお肌の症状を改善させたい方にもおすすめです。

普段の洗顔や、何気ない行動が刺激となってしまうこともあり、赤ら顔をそのまま放置していると悪化することがあります。日焼けも大敵です。
もし「赤ら顔かも?」と気になった場合は、まず病院でカウンセリングを受けてみることをおすすめします。
コンシーラーやファンデーションなどのメイクではカバーしきれない赤ら顔の原因を究明し、自分に合った治療法で、確実な改善をしてみてはいかがでしょうか?

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