”マスクによる肌荒れ”その原因と気になる対策とは?

”マスクによる肌荒れ”その原因と気になる対策とは?

近頃では新型コロナウイルスの影響で、マスクはシーズン問わず誰もが着用するアイテムとなりました。そんな必需品と化したマスクを、日常的に使うようになったことで、今まで起こらなかった肌荒れを起こす人が増えてきました。マスクの着用を避ければいいものの、マスク無しでは過ごせない状況で悩ましい問題です。
マスクによる肌荒れの原因と、その対策についてご紹介していきます。

”マスクによる肌荒れ”なぜ急増?

日本では、花粉症や風邪など、日常的な予防でマスクを着用する習慣がありました。海外と比較しても、日本はマスク着用に抵抗を感じる人は少なく、非常に身近なアイテムです。特に冬から春にかけては、最も着用する割合が多いシーズンです。
しかし最近では新型コロナウイルスの影響で国内外関係なく、マスクの着用が当たり前となってきました。湿度の高い梅雨から、気温の高い夏まで手放せない存在になったことから、お肌にも大きな負担となって、今まで起きなかった肌荒れ・肌トラブルを起こす人が急増してきました。

まだまだ世界的にもマスクの着用を強いられる日々は継続すると思われます。マスクと上手に付き合っていくためには、マスクによって引き起こされる肌トラブルの予防と対策を知っておく必要があります。
マスクによる肌トラブルと直面している方も、まだ今は異常はないが今後その可能性がある方も、予防と対策を知っておくと早期改善に繋がるでしょう。

肌荒れの原因について

実は、マスクによって引き起こされる肌荒れの原因はひとつだけではなく、いくつかあります。また、肌荒れが出る場所も、口周りやアゴ周り、鼻周りなど人によって異なります。それぞれについて詳しくみていきましょう。

①蒸れ・多湿

マスクを着用するとマスク内の湿度が高くなり、普段生活していて適切な湿度である50〜60%程度を大きく上回ります。呼気によってマスク内は高温にもなるので、汗もかきやすくなります。

このように湿度が過剰になって蒸れた状態が続くと、マスクを外した時に肌に触れている水分が急激に減少してしまうので、肌に大きな負担を与えます。ふやけた状態の肌の最外層を守る角層は外部環境の影響を受けやすくなります。特に梅雨〜夏場にかけてはより蒸れやすくなるので、マスクの着脱の度に肌に大きなダメージを与えることになります。

②乾燥

①の蒸れとは正反対の”乾燥”になりますが、マスクを外した直後の肌の表面は水分が一気に蒸発し、肌に必要な水分まで一緒に蒸発することで乾燥に繋がります。お風呂上がりのお肌をイメージするとわかりやすいでしょう。乾燥したその状態で長時間放置してしまうと、表面のバリア機能が低下し、細菌やウイルスの侵入が容易になります。すると口唇ヘルペスができやすくなったり、湿疹が起こりやすくなります。同時に化粧ノリも悪くなり、肌のザラつきの原因にもなります。
マスクで湿度が高くなって保湿されたような感覚にもなりがちですが、これは錯覚に過ぎないので注意しましょう。

③摩擦・擦れ

マスクの繊維と肌が擦れることは、肌にダメージを与えていることと同じです。シリコンマスクを除き、不織布マスクと布マスク、どちらも繊維を使っている製品であり、何度も使い込んでケバ立つようになると、肌の刺激を引き起こしがちになります。また、どんな素材でも、マスクをすると顎のラインにぴったりとフィットしている場合、擦れによってニキビが出来たり、肌荒れがいつもよりも治りにくかったりする場合があります。

デリケートな層でできている肌の表面にダメージが加わると、肌のバリア機能が低下しやすくなり、刺激による炎症で肌トラブルが起こりやすくなります。通常は刺激にならない物質が表皮に入り込んで炎症が生じ、赤みや痒み、かぶれ、小さなブツブツが発生する湿疹ができることもあり、更にマスクの蒸れによって湿疹が悪化することも。もちろん元々肌が荒れていた方が、マスクの長時間着用によって肌荒れが悪化することもあります。

それだけでなく、マスクの擦れによって角質が厚くなり、毛穴の入り口が詰まって皮脂が溜まり、白ニキビが発生することもあります。アクネ菌は好脂性・嫌気性菌なので、放っておくと白ニキビの炎症が進み、赤ニキビや黄ニキビ、悪化すればクレーター状のニキビ痕になります。大人ニキビは摩擦によって生じやすいのも特徴です。

マスクの摩擦による肌荒れは、顔だけでなく耳の後ろにも影響を及ぼすことがあります。耳にかけるゴムが耳の後ろで擦れて湿疹ができることもあります。

④汚れ

マスクを着用したまま会話や咳、くしゃみが行われると、マスク内に唾液が飛びます。飛んだ唾液には雑菌が含まれ、高温多湿なマスク内では繁殖しやすいです。
他にも、マスクの内側には皮脂、メイク料、汗などが付着します。マスクの外側には花粉やホコリが付着し、マスク着脱の際に顔に触れることもあります。
これらの汚れが付着した状態でマスクを長時間使用し続けることは、当然肌にも良くありません。皮脂を餌とするニキビ菌も増殖しやすいので、肌荒れを引き起こしやすくなります。

⑤ストレス

マスクそのものによる肌荒れは無くとも、今までマスクをしていなかった人がマスク着用の義務や習慣を身につけることを強いられることで、新たなストレスの発生によって肌荒れを起こすこともあります。
いつもは肌荒れを起こさない人で、マスクによるケアをしていても肌荒れを起こしてしまう人は、心理的ストレスが原因の可能性があります。

対策方法とは?

上記にあげられた原因に対する対処法をひとつずつ見ていきましょう。肌荒れの原因が明確であるほど、適切な対処を行うことができ、早期改善に繋がります。
原因がはっきりわからない場合は、いくつか試してみるといいでしょう。いずれの方法も手軽にできるものが多いです。

①蒸れ・多湿の対策

通気性の良いマスク生地を選ぶことがベストですが、汗をかいている時は、こまめに引き取ることを心がけましょう。拭き取りに使用するタオルやハンカチは清潔なものを使用します。拭き取りようのミストなども販売されているので、携帯してお出かけ先でも気軽にケアが行えます。専用ミストがない場合は、ミニボトルなどに化粧水を入れておくのも便利です。

帰宅してからは、蒸れたお肌をしっかりと洗顔します。ゴシゴシと肌をこするような洗い方はかえって肌に刺激を与えてしまうので、優しく守るように洗うことを心がけましょう。洗顔料も自分の肌に合ったタイプを選ぶことがポイントです。
洗顔で肌を清潔にしたら、乾燥しないよう丁寧に保湿までしっかりと行います。ずっと蒸れていたとしても、洗顔後は肌が乾燥しやすい状況なので、保湿も怠らずにきちんとすることが大切です。

特に汗っかきの方や、蒸れが酷くなる夏場などでは、定期的にマスクを浮かせてマスク内の湿気を逃がすのもおすすめです。周りに人がいない状況であれば、短時間でもマスクを取ると大きく変わるでしょう。今ではマスク着用がエチケットとなってきていますが、特に高温の日は無理して着用を続けると熱中症や脱水症状を起こしかねないので、身体の健康を守るためにもタイミングを見てマスクを取ることも大切です。

②乾燥の対策

乾燥が原因の場合、乾燥してバリア機能が低下した肌には、冬の乾燥のときなどと同様で“保湿”が重要です。肌が乾燥すると、水分と油分のバランスが崩れ、肌を守る機能を失うため、角質層に水分を蓄えることが出来なくなってしまいます。
水分を失った肌にはたっぷり保湿をして、肌にうるおいを補ってあげることが大切です。乾燥の酷いときや定期的なスペシャルケアとして、フェイスマスクを取り入れてみるのも良いでしょう。

③摩擦・擦れの対策

摩擦で荒れてしまった肌は、肌の水分も失われているので、水分不足な肌には、刺激の少ないローションでうるおいを補給します。いつもより少し時間をかけて、優しく丁寧なスキンケアを心がけましょう。
摩擦防止にはクリーム状の保湿アイテムがオススメです。マスク着用時には、高保湿なクリームや保湿力のある下地クリームを使用するのも良いでしょう。そうすることで肌をマスクとの摩擦から守ってくれます。

また、摩擦軽減のためになるべく肌当たりの優しいマスク選びも重要です。肌に合った素材のマスクが手に入らない場合は、普段のマスクにガーゼを一枚挟むことでマスクとの摩擦を軽減出来ます。ガーゼがない場合は、ハンカチや着古したTシャツを切ったものなど、柔らかく肌なじみがいい綿素材などでも構いません。挟み込むガーゼや布は、必要に応じてこまめに取り換えましょう。耳にかけるゴムの部分がヒリヒリする人は、柔らかい布を巻いてみましょう。耳のゴムが太いタイプに変えるだけでも感じる痛みは和らぎます。

マスクのサイズ感も重要です。マスクが顔のサイズよりも小さいと、肌を擦って刺激になります。マスクは着用した時に鼻から顎までが隠れるくらいの大きさで、ゴムや紐の部分が耳に擦れて痛くならない程度のものがおすすめです。機能的にも、会話をしていてもマスクがずれて鼻が見えたり下がってこないものが好ましいです。

④汚れの対策

マスクには目に見えない汚れが沢山付いています。医療現場ではマスクの交換が一日に何回も行われていますが、実際暮らしていてマスクの交換をする頻度はそう高くないでしょう。マスクは最低でも一日使用したら交換することを心がけてください。

不織布マスクは基本的には使い捨てですが、ガーゼマスクは洗濯すれば何度でも使えます。洗えるマスクはこまめに洗濯し、清潔に保つようにしましょう。洗って再利用する場合は洗剤のすすぎ残しにも注意が必要です。また、何度も使用しているマスクに触れた手で、目や鼻、口元を触るとウイルスが皮膚に感染しやすくなります。マスクだけでなく、触れる手も清潔を保つよう意識することが大事です。

⑤ストレスの対策

睡眠時間を確保する、食生活を改善する、リラックスする時間を取り入れるなど、自分にできる可能な範囲でライフスタイルを見つめ直してみましょう。肌ケアだけでなく、肌荒れに負けない肌作りには、なるべくストレスを溜めこまないよう、自分の体調や気持ちにいつもより少し敏感になってあげてみることで改善に繋がります。食事は、炭水化物だけではなくビタミンやミネラルなどの栄養素が肌の新陳代謝を活性化させてくれます。体にたまった老廃物を排出して、新しい肌細胞が作られやすくするとお肌も蘇ります。

また、肌の調子が良くないと感じる時は、マスクをしていることを逆手にノーメイクにチャレンジすることも、ストレス緩和になります。アイメイクなどのポイントメイクだけにしぼって、ファンデーションやチークなどお休みしてことで、いつもよりゆっくりした朝の時間を過ごすことができます。ベースメイクを薄くすることで気持ちだけでなく、肌への負担も減らすことがでます。

まとめ

マスクを日々着用するようになってから肌荒れが起きたり悪化した人は、マスクが原因である可能性が高いでしょう。マスクをしないようになれば改善されるとわかっていても、なかなかマスクなしでは外出が厳しい現状です。

マスクによる肌荒れといっても、マスクが引き起こす肌荒れの原因は様々です。肌荒れを起こしている人は、もしかすると原因はひとつとは限らないこともあります。
身体の中でも顔の皮膚はデリケートであり、日々のスキンケアだけではマスクの肌荒れを改善できないことがあります。外出先でも肌を清潔に保ち、保湿を心がけ、蒸れる場合はマスク内の換気をこまめにおこないましょう。

どんなマスクを使うかもポイントになってきます。スキンケアをしていても肌荒れが治まらない場合は、マスクが自分に合っていないかもしれません。自分の肌質や、顔の形を考慮した上でマスクの素材や形にこだわって使ってみるといいでしょう。見つからなければ、ガーゼを1枚普段使用しているマスクに挟むだけでも変わるでしょう。

マスクによる肌荒れで見落としがちなのがストレスによる原因です。マスクを強いられることで、今までなかった習慣を身に付けなければならなくなり、そのような義務感がストレスに変わっていることもあり得ます。ストレスが溜まることは肌荒れを引き起こす可能性があるので、マスクと無理なく上手く付き合っていく術を見つけてみてください。

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