その疲れ、もしかしたら鉄分不足かも?

その疲れ、もしかしたら鉄分不足かも?

朝起きるのがしんどい時や毎日疲れていると感じたことはありませんか?それ、もしかしたら鉄分が足りていない証拠かも。実は女性は男性より鉄が不足しがちで、そのことが原因で慢性的な不調を引き起こしている可能性があります。「日々なんとなくだるいなあ」と感じる方は、鉄不足の症状をチェックして、不調を原因から解消していきましょう!

貧血とは?

貧血と聞くと、朝礼中などに突然起こるめまいや立ちくらみなどを思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれませんが、これは脳貧血と呼ばれ、長時間立っていることなどで血液が重力で下に集まり、脳まで血液がうまく循環しないことから起こるものです。血液が循環しないことにより、ヘモグロビンによって酸素が運ばれなくなるためにめまいなどが起こります。

脳貧血は一時的なもので、本来の貧血とは意味合いが異なります。貧血とは、血液中の赤血球の中にあるヘモグロビンの濃度が低くなっている状態を指します。ヘモグロビンを作るためには鉄が必要となり、その鉄が不足していることで慢性的にヘモグロビンが不足している状態になります。その結果、身体に酸素がうまく運ばれず、急激に身体を動かすことにより立ちくらみを起こしたり、日々不調を感じたりするのです。鉄不足による貧血は「鉄欠乏性貧血」と呼ばれています。

鉄欠乏性貧血の症状

鉄分が不足することによって身体に酸素が運ばれなくなると、普段の生活にさまざまな不調を引き起こします。

疲れやすい

貧血の人は少しの運動で動悸・息切れを起こすことがあります。これは、貧血により身体に酸素が行っていないため、心臓が鼓動を速めて酸素を送ろうとするためです。併せて、呼吸を速めて酸素を体内に取り込もうとします。身体が必要以上に稼働してしまうことにより、疲れやすさを感じやすくなってしまいます。また、筋肉に酸素が行き渡らないことにより、筋肉の代謝が落ち、肩こりや腰痛などを引き起こすことがあります。これらも疲労感やだるさを感じる原因になるのです。

いつも眠い

鉄不足によって脳に酸素が行き渡らないことにより、常に眠いと感じることがあります。また、脳に酸素が不足することは、めまいや立ちくらみを起こす原因にもなります。判断力も鈍りやすいため、運転などをする際には細心の注意を払う必要があります。

爪が弱る

鉄が足りていない人の症状に、爪が割れたり反り返ったりしてしまうものがあります。爪の下の指にはしっかりと血流があるため、なんらかの理由で血流が滞ると、爪に影響が出ると言われています。そのため、爪は身体の調子を測る指標とも言えますが、鉄不足により指先に酸素が行き渡っていないと、爪が割れる原因にもなります。ネイルなどをされる方は、自分の爪がもろくなることによりネイルが楽しめなくなってしまう可能性がありますので注意しましょう。

血色が悪くなる

血の赤色は、ヘモグロビンと酸素が結合して赤くなります。また、頬の赤みや血色も血液の色から来ています。そのため、鉄が不足することによりヘモグロビンとの結合が減り、顔の赤みや血色がなくなっていきます。その結果、顔が青白く、不健康そうに見えてしまうことがあります。

白髪が増える

髪が黒いのは、メラニン色素と血液が関係していると言われます。鉄分が不足することにより、髪に必要な栄養素が行き渡らなくなり、白髪が増えると言われています。もちろん白髪になってしまう原因はほかにもありますが、女性の場合は鉄不足が白髪の進行に拍車をかけている可能性があります。

何故鉄が不足するの?

鉄分が不足してしまう理由には、単に「必要な量を摂れていない」ということもありますが、特に女性の場合には、男性よりも鉄分が不足してしまう理由があります。

月経

女性は月経があり、経血で鉄分が体外に出てしまうため、鉄分が不足しがちです。成人女性の鉄の摂取推奨量は10.5mgですが、2016年の日本人の鉄の平均摂取量は7.6mgですので、慢性的に鉄不足になっている可能性があります。

妊娠・出産・授乳

妊娠すると月経が止まるため、1日に必要な鉄分の量は9mgとなりますが、お腹の中で赤ちゃんが大きくなってくると、赤ちゃんのための鉄分も摂取する必要が出てきます。そのため、妊娠中期~後期の鉄分摂取推奨量は16mgと増えます。さらに、授乳期においては、母乳は血液から作られるため、鉄分を失いがちです。さらに月経が再開すると、ますます鉄分が出ていきやすい状況になります。

鉄分を効率よく摂るには?

まず大切なことは、普段の食事において鉄分が多く含まれる食品を摂るようにすることです。食事から摂取できる鉄は2種類あります。肉や魚などの動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と、野菜や豆類などの植物性食品に含まれている「非ヘム鉄」です。ヘム鉄とは、食品に含まれているそのままの形で吸収され、非ヘム鉄に比べて5倍ほど吸収率が高いことが特徴です。また非ヘム鉄は、身体への吸収率は高くありませんが、鉄以外の栄養素を多く含んでいることが多いため、両者をバランスよく摂ることが重要です。非ヘム鉄は、良質なたんぱく質やビタミンCと一緒に摂取すると、吸収率が高まると言われています。

ヘム鉄を多く含む食材には、レバー・牛肉赤身・かつお・しじみなどが挙げられます。非ヘム鉄を多く含む食材は、ひじき・大豆・卵黄・ほうれん草・小松菜などがあります。

ただ、ヘム鉄の吸収率が高いとはいえ、摂取した鉄のほとんどは大便とともに体外に排出されてしまいます。そのため、継続的に鉄分を摂取することが重要です。一方、鉄の摂りすぎには注意が必要です。1日の上限は40mgですが、サプリメントや注射などで上限を超える量を摂取し続けると、肝臓や心臓などに鉄が蓄積し、重篤な疾患につながることがあります。食品からの鉄分摂取で過剰摂取になることはほとんどありませんが、サプリメントなどを活用する場合には注意しましょう。

最後に

最近しっかり眠れていないな…、日々の疲れが取れないな…と思った時には、是非鉄分を摂ってみてください。数日で効果が現れる方もいると言います。ただし、鉄だけに頼るのは禁物です。健康的な生活が送れるように、意識的に行動をとることも重要です。たとえば入浴の際は湯船に浸かるようにしたり、肉や野菜を偏りが起きにくいように摂るようにしたりする、適度な運動を取り入れてみるなどが挙がります。鉄を取り入れてみるのと同時に、改善できる生活習慣を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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