皆さんは反り腰という名前を聞いた事がありますか?ダイエット中の人やボディメイクをしている人、腰痛持ちの人などは知っているかもしれません。ダイエット中で手足はひとまわり細くなったのにお腹だけは減らない人や、もともとそこまで太ってないのに何故かお腹だけがぽっこりして見える人など、お腹周りだけが綺麗にならないという人はもしかすると反り腰が原因かもしれません。反り腰はお腹周りだけではなく、身体全体のバランスも崩して綺麗な体型に見えなかったり、腰痛の原因にもなります。今回は反り腰による身体への影響と原因、改善方法を解説します。お腹がぽっこりしている人は是非チェックしてください!
反り腰ってどんな腰?
反り腰と聞くとなんとなく腰が反っている状態なんだろうという想像は付きますが、腰はそもそも反っているイメージがあるので実際どんな状態なのかわからない人も多いのではないでしょうか。反り腰とは骨盤が前に傾き、骨盤の一部である仙骨と繋がっている腰椎の前弯が強くなって腰が反り返っている状態です。本来は閉じている骨盤が反り腰になると開いてしまい、骨盤が前傾したままの状態になります。骨盤が前傾したままだと内臓が正しい位置に収まらなかったり、内臓が下がることによって腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因にもなります。いくら痩せても下腹がぽっこり出ている人は内臓が下がっている可能性があります。
自分は反り腰?チェック方法
自分が反り腰かわからないと場合はチェック方法があるので実践してみましょう。仰向けで寝た状態で、床と腰の隙間に手を入れます。小指を床面にした状態でグーをつくります。グーの手より隙間が大きい場合は、反り腰になっている可能性が高いです。ぎりぎり手が入るくらいの隙間であれば、正常の範囲です。また、仰向けの状態で足を伸ばすと腰が痛くなり、膝を曲げて立てると腰の痛みが和らぐという場合も反り腰の可能性が高いです。
反り腰による悪影響って?
反り腰は美容にも健康にも良くないと言われていますが、具体的にはどんな悪影響があるのでしょうか。
ダイエットに悪影響?!へこまないお腹を作ってしまう
全体的に太っているわけではないのにお腹だけっぽっこり出ている、ダイエットをしてもお腹だけずっと太っているように見える、というような見た目の影響は反り腰の典型的な影響です。反り腰になると背中の筋肉が緊張し、お腹の筋肉が緩むので下腹がぽっこり出やすくなります。お腹の筋肉が弱まると、お尻の筋肉にも力がはいづらくなり、お尻が垂れやすくなります。反り腰の自覚がある場合は改善を心がけましょう。また、反り腰によって骨盤が歪むと、血流が停滞し、身体が浮腫みやすくなります。その影響がお腹にも及び、締まりのないお腹に見えることがあります。
慢性的な腰痛持ちになってしまう
反り腰は腰の筋肉が過剰に緊張した状態なので、腰に非常に負担をかけます。反り腰の状態が慢性的に続くと、腰痛を起こしやすくなります。また、「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」や「坐骨神経痛」を引き起こすこともあります。腰部脊柱管狭窄症とは、腰の部分で脊柱管が狭くなってしまう病気です。腰の痛みの他、お尻や足の痛み・しびれなどの症状の他、症状が重いと歩行障害や排尿障害が出ることもあります。坐骨神経痛は、足の後ろや外側にかけて存在する坐骨神経のあたりがずきずきと傷む病気です。症状が酷くなると、座っている事が難しいほど痛くなってしまいます。健康面から見ても反り腰の放置は避けた方が好ましく、なるべく早く改善する必要があります。
冷え性やむくみの原因にも
反り腰の人は、内股が硬い人が多いです。内股が硬かったり、骨盤が歪んでいると血流が悪くなるので、下半身の冷え性に繋がります。毎日湯船に浸かったり、冷え性対策をしているのに下半身の冷えが酷いという時は反り腰が原因の可能性があります。また、血流が滞るとむくみにも繋がります。こういった場合、腰のマッサージやストレッチで一時的に冷えが改善しても、内もものせいですぐ元の状態に戻ってしまう事がありやっかいです。
肩こりの原因にもなる
デスクワークをしていると、骨盤が前傾しやすくなります。ようするに反り腰の状態になりますが、この状態は背中が緊張状態になり、方周りや肩甲骨周りが硬くなっていきます。硬くなる事で血流が悪くなり、肩こりを感じるようになります。デスクワークをしている人は、反り腰を改善させる事はもちろん、肩甲骨や背中を重点的にほぐして血流をよくしましょう。また、反り腰の姿勢を続けていると肩こりが酷くなってしまうので、時々身体を動かして、背中や肩の血の巡りを良くするのがおすすめです。
怪我をしやすい身体に
反り腰の人は運動をしている時も腰を反りやすいです。反り腰のままダイエットのために運動をしたり身体を動かすと、背骨が衝撃を上手く吸収できず、その分足の負担が増える事があります。脚の負担が増えることで疲労を起こしやすくなり、結果として怪我のリスクが高くなります。またせっかく運動をしても、運動のパフォーマンスを低下させてしまう可能性もあります。せっかくダイエットのために運動しても、怪我をしてしまうと運動を中断せざるを得なくなってしまいますし、思った以上に運動の効果が発揮できない可能性もあります。
反り腰の原因
反り腰の原因は人によってさまざまですが、男性より女性の方が反り腰になりやすいと言われています。原因として一番多いのが運動不足による筋力の低下です。背骨をまっすぐ姿勢よくキープするには、腸腰筋や脊柱起立筋などの筋肉が必要になりますが、これらの筋力が低下すると反り腰の原因となります。姿勢が悪くなると骨盤は前に傾き、身体がバランスをとろうとして反り腰になってしまうのです。また、ヒールの高い靴を履く事も大きな原因の一つになります。ヒールを履くと、必然的につま先に重心が傾きます。過度なつま先重心は、骨盤が前に傾いてしまいます。ヒールを普段からよく履くという人は、腰を反る事が癖になり、そのまま反り腰になりやすくなります。デスクワークで座り方が悪い人も反り腰になりやすいです。座る体勢は体感的には楽ですが、実は身体に大きな負担をかけています。日常的に猫背の姿勢は反り腰になりやすいです。
反り腰の改善方法
反り腰は骨盤が前傾して腰が反った状態です。改善するには逆に腰を丸めるストレッチや、反り腰に影響している筋肉をほぐすマッサージをするのがおすすめです。ストレッチやマッサージによって固まった筋肉をほぐし、柔軟性をアップできます。日常生活はもちろん、運動前などに行う事で、骨盤の傾きを正しい位置にして、運動効果を高める事ができます。
日常的に意識すること
まず正しい立ち方を意識することが大切です。むりやりお腹に力を入れるのではなく、正しい立ち方のおかげでお腹に自然と力が入る状態になるのが理想的です。体重はかかとにかけるようにして、あごを軽く引き、肩の力を抜きましょう。歩く時はつま先で地面を蹴って、かかとから着地するイメージを持ちましょう。デスクワークが多い人は、固めの椅子を選び、骨盤を真っ直ぐ立てるように意識してください。骨盤を立てようとすると自然とお腹に力が入るのがわかるかと思います。
反り腰のストレッチ
反り腰は腰を極端に反ってしまっているような状態なので、改善するためには腰を丸めるストレッチをするのが効果的です。また、反り腰の人は筋肉が凝り固まっている事が多いため、ストレッチの他に血行を促進するようなマッサージも併せて行いましょう。
椅子に座って腰を丸めるストレッチ
椅子に浅めに腰をかけて、まず背筋を伸ばしましょう。その時骨盤が椅子の上でしっかり立っている事を意識します。ゆっくりと息を吐いて、お腹をへこませていきます。おへそがみぞおちに入っていくような意識を持ちましょう。そのまま視線をおへそに向けて、腰が丸まっている事を意識し、5秒キープします。息を吸いながら姿勢を戻しましょう。戻した時は腰を反らずに、あくまで骨盤が立って背筋が伸びた状態のところでストップするよう注意しましょう。これを5回繰り返えしてワンセットです。長時間デスクワークをする人は、背中が固まってしまう前に行うのが理想的です。夕方ではなく、昼休み前などに行うのがおすすめです。
仰向け30秒で出来るストレッチ
仰向けの状態で膝をまげ、自分の胸の方に近づけて両腕で足を抱えます。この時腰回りがしっかり床についている事を意識しましょう。お尻は床から浮かして、背中が丸まり、腰が伸びている事を感じてください。その状態で30秒、呼吸をしながらキープしましょう。さらに負荷をかけたい時は、頭を持ち上げましょう。腹筋を使うので、より背中のストレッチに繋がります。呼吸を止めないように注意してください。
前もものストレッチ&マッサージ
反り腰の人は太もも前側ががちがちに固まってしまっている事が多いです。前ももの筋肉を使う癖が付いてしまうと、重心が前に乗りやすいので、反り腰を助長します。いくら腰まわりをストレッチしたりほぐしても、前ももが固まったままだとすぐ元に戻ってしまいますし、むくみが改善しづらいので、前ももを腰と一緒にストレッチ・マッサージするのがおすすめです。マッサージは自分の手だとなかなか力が入り切らないので、筋膜リリースローラーなどを使ってほぐしましょう。夜に行うと、太ももがほぐれた状態で寝る事ができるので、寝起きの浮腫み防止になります。
ヒールをなるべく履かない
長時間ヒールを履いていると反り腰になりやすいです。時たまのファッションに履くことはいいですが、日常的に毎日高いヒールを履く事は避けるようにしましょう。ヒールを履いた日は、前もものマッサージをなるべく行って、反り腰を予防しましょう。
反り腰の改善だけでもダイエットになる
反り腰の人は浮腫みやすかったり、骨盤が歪んでいたりダイエットに不向きな体型になってしまっています。過剰なダイエットをしなくても、反り腰を改善するだけでぐっとお腹周りや太ももが痩せやすくなるので、ダイエットをしているのになかなか変化が無いと悩んでいる人は、まず自分の立ち姿をチェックしてみてください。反り腰であれば、反り腰をまず改善させるようにしましょう。
痛みが続く時は病院へ
ダイエットと関係なく、もともと腰が痛くなりやすい場合は、放置せずに医師の診察を受けましょう。慢性的な腰痛だけではなく、腰部脊柱管狭窄症や坐骨神経痛になっている可能性があります。我慢せず、まず医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
まとめ
女性は男性より筋肉が少ない事、ヒールを履く機会が多い事などもあり、反り腰になりやすいと言われています。ダイエットしてもお腹がぽっこりしていたり、痩せているのにお腹だけが出ていると悩んでいる人は、まず反り腰になってないかを確かめましょう。反り腰の人は、腰だけではなく前ももや肩甲骨・背中などが凝り固まってしまっている場合が多いので、腰のストレッチと併せて背中や前もものマッサージを同時に行うと、反り腰が改善しやすいです。正しい立ち方になると、自然と腹筋も使われて痩せやすくなります。綺麗な姿勢を意識しましょう!
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