ビタミンCというと「美容に良い」「美肌になれる」というイメージが強いですよね。でもビタミンCは美容に良いというぼんやりとしたイメージがあるだけで、具体的に何が良いのかわからなかったり、自分なりにビタミンCを積極的に取っているのに改善が見られないと感じる事もあるのではないでしょうか。そのビタミンCは塗るビタミンCですか?食べるビタミンCでしょうか。今回はビタミンCを美容に効率的に取り入れるために必要なことを紹介します。
何故ビタミンCは美容に良い?
自然な知識としてビタミンCは美容に良いという考えが根付いていますが、具体的にどう美容にいいのか認識していますか?まずはビタミンCについて理解しましょう。
ビタミンCって何?
ビタミンCは水に溶けやすいビタミンの一つです。皮膚や軟骨などを作るタンパク質の一種である「コラーゲン」を作るのに必須の栄養素です。コラーゲンもよく聞く単語かと思います。コラーゲンは実は人の体の約30%も占めており、具体的には皮膚や血管、軟骨などの細胞と細胞をつなげる役割を果たしています。ビタミンCが美肌に良いと言われるのは、このためと言えます。また、赤血球を作る材料になるミネラルの一つ「鉄」の吸収を助けます。鉄には2種類あり、動物性食品に含まれているヘム鉄と、植物性食品に含まれている非ヘム鉄があるんですが、ヘム鉄は体に吸収されやすいのに対し、非ヘム鉄は吸収効率が悪いです。ところが、ビタミンCを一緒に取ると、非ヘム鉄の吸収を助ける働きをします。このように、ビタミンCはビタミンCそのものが何か効果を発揮するというより、コラーゲンを作るのを助ける、鉄を吸収するのを助ける、というように体の中にある別のものを助けるイメージをもつとわかりやすいでしょう。
栄養素としては取り込みづらい部分も
ビタミンCを栄養素として取り込みたい時に注意すべきなのは壊れやすい栄養素という特徴をビタミンCが持っているという事です。調理による加熱に弱く、光や空気に影響を受けやすいのが特徴です。また、水溶性なので水に溶けやすいビタミンと言えます。体の中にビタミンが入った場合にも特徴があります。消化管で吸収されたビタミンCは全身に運ばれるのですが、吸収されなかった分は尿として排泄されてしまうので、一度に一気にビタミンCを摂取しても、一定以上のビタミンCは体内に吸収されないのです。また、体の中でビタミンCは作られないため、常に食品から摂取する必要のある栄養素なんです。なので、美容という観点を抜きにしても、ビタミンCは自ら摂取して、欠乏状態にならないように心がける必要があります。
ビタミンCの摂取目安
ビタミンCは15歳以上で1日に100mgの摂取が推奨されています。100mgというと、レモン果汁200gに含まれているビタミンCと同じ量ですが、これは一般的な食事をしていれば、不足しにくい量ですが、摂取量が増える妊婦や授乳婦、消費量が高まる喫煙者は不足している可能性があります。しかし、食事からのビタミンCの不足を補うためにサプリメントを過剰に摂取しても、尿から排出されるだけなので注意が必要です。加えて、ビタミンCを一度にまとめて過剰に取ると、下痢や複数が起こる可能性があると言われています。
ビタミンCが不足するとどのような影響があるのか
通常の食事を取っていれば不足しにくいと言われるビタミンCですが、不足すると体に悪影響があります。軽症であれば、倦怠感や疲労感、気力の低下といった症状ですが、深刻になると、コラーゲンの合成ができないため血管がもろくなり、「壊血病」を発症する可能性もあります。聞き慣れない病気かもしれませんが、血管がもろくなることにより大腿部(太もも)に大きなあざが出tsり、毛穴の周囲から点状の出血を起こしてしまいます。加えて、歯茎や粘膜などからも出血を起こしてしまう怖い病気です。壊血病は体内のビタミンC量がおよそ300mg以下になると発症するといわれています。
ビタミンCはどんなものに含まれている?
ビタミンCと言われるとレモンを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際はどんな食べ物に多く含まれているのでしょうか。具体的にはピーマン、キウイフルーツ、イチゴ、キャベツ、ジャガイモ、サツマイモなどに含まれています。しかし、これらの野菜や果物からビタミンCを取り入れようと考えている場合に気を付けて欲しい事が、ビタミンCは水溶性であること、加熱すると失われやすいことです。たとえば、いちごはヘタのまわりにビタミンCが多く含まれているので、ヘタをとってから水洗いすると、沢山のビタミンが流れ出てしまうのです。一方で、ビタミンCがデンプンに包まれているジャガイモやサツマイモは比較的熱に強いといわれています。調理をする時はそれぞれの特徴を踏まえて、かしこくビタミンCが摂取できるように工夫する必要があります。
さっと効率よく摂取できるのはサラダ
ビタミンCは野菜や果物に含まれている栄養素なので、ビタミンCを多く取ろうとおもったら、手軽に食べられるのはサラダと言えるでしょう。生で食べられるので、加熱によってビタミンCが壊れることがなく効率よく取り入れられます。フルーツの場合も、カットして終わりという食べやすさがあるので、ビタミンCが足りないと感じたら、サラダや果物をさっと買って食べるという方法は一番効率が良いでしょう。
ビタミンCにまつわる噂
ビタミンCというと色々な噂がありますが、一体何が正しいのかここであらためて考えてみましょう。
ビタミンCは朝摂取するとシミになるのは嘘?!
ビタミンCを朝から積極的にとりたいけど、朝に摂取するとシミになると聞いたという人も多いかと思います。実際朝にビタミンCを摂取するとシミになっていまうのでしょうか。実はビタミンCでシミになるわけではないんです。ビタミンCが多く含まれるレモンなど柑橘系の果物は「ソラレン」という物質のせいなんです。ソラレンは紫外線の感受性を高める働きがあるので、朝柑橘系の果物を摂取すると、日中の肌は紫外線を吸収しやすくなってしまいます。朝ビタミンCを取ってはいけないというわけではないので注意しましょう。また、注意が必要なのは、ソラレンが体内で紫外線の吸収率を高める作用が働くのは10mgからと言われている点です。レモンでも30kgとかなりの量を摂取しない限りは問題がないと言い切れるでしょう。なお、ソラレンが多く含まれる果物や野菜として上げられるのは、グレープフルーツ、オレンジ、キウイ、レモン、セロリ、きゅうり、パセリ、人参などです。これらの野菜や果物は夕方以降に食べると良いでしょう。
コーヒーはビタミンCを壊してしまう?
コーヒーはビタミンCを破壊するというのもよく耳にしますよね。食後のコーヒーはそれまで食べた食事のビタミンCを破壊してしまうのでしょうか。実際はどうなのかあまり知らない人も多いのがコーヒー問題ですが、実はコーヒにはビタミンCを破壊するような力はありません。しかし、コーヒーの特徴によりビタミンCと一緒に取らない方が良いと言えるのは事実でしょう。コーヒーに含まれるタンニンには、鉄分の吸収を阻害する作用があるんです。せっかくビタミンCによって鉄分の吸収力がアップしていても、コーヒーを飲むと吸収が阻害されて、ビタミンCの働きが悪くなります。また、タンニンにはミネラルと結合して亜鉛の吸収を妨げる作用があります。鉄や亜鉛は私たちの皮膚作りにとても重要な要素なので、例えば朝、食事の後にコーヒーを飲むというのは避けた方が好ましいでしょう。食後三時間程度開けててからにするとか、工夫をしてコーヒーを楽しむ事も大切です。
塗る方のビタミンCってどう?
食べるビタミンCと同じくらい、美容液などにも名前が登場するビタミンC。食べるビタミンCと塗るビタミンCで何が違うのでしょうか。実は食べるビタミンCより塗るビタミンCの方が効果があると言われています。ビタミンCそのものは、肌に直接は入りにくい上に熱や光に弱く酸化しやすいですが、塗るビタミンCとしての「ビタミンC美容液」は、抗酸化成分が豊富にふくまれているので、紫外線によるダメージを軽減するためシミやソバカスなどの予防・対策にとても効果的です。加えて、ニキビ跡の原因である角質層にできるメラニンの生成を抑制する効果にも期待ができます。ニキビが沢山できてしまった…というような時は積極的にビタミンC美容液を使うようにしましょう。ビタミンCの良い点は、肌への刺激が少なく、美肌効果を発揮する成分だといわれている点でしょう。ビタミンCが肌に浸透すると、肌のデコボコを調整して滑らかにしてくれたり、肌にハリを与えて健やかに保つというようなメリットがつきます。
「ビタミンC誘導体」ってビタミンCと何が違うの?
よく美容液などで見かける「ビタミンC誘導体」という文字。この意味を知っていますか?ビタミンCと何が違うのでしょうか。ご存知の通り、ビタミンCは熱に弱いなど、構造として不安定で壊れやすいものになり、化粧品に入れづらいという特徴があります。そこで、ビタミンCの構造を変えて、壊れにくく角質層まで安定して成分が届くようになったのが「ビタミンC誘導体」です。名前のイメージ的にビタミンCをよく吸収するブースターのように勘違いされている人も多いですが「ビタミンCの美容液」と捉えておきましょう。ビタミンC誘導体は水溶性のもの、油性のもの、水溶性油性両方の特徴をかねあわせたもの、の3つに大きくわかれます。自分の肌のタイプに合わせて、ビタミンC誘導体の美容液を選ぶようにしましょう。
朝にビタミンC美容液はNGというのは嘘?
食べるビタミンCと同じく、ビタミンC美容液を朝につけると、シミの促進になると考えている人も少なくありませんが、基本的にはシミになるという事はなく、朝も積極的に塗るビタミンCを習慣にしてください。ただし、ソラレンが多く含まれるフルーツでパックをするのはNGです。ソラレンが紫外線に反応し、顔にシミを作る原因となってしまいます。通常のビタミンC美容液であれば、むしろ活性酸素を除去する「抗酸化効果」があり、紫外線のダメージから皮膚細胞を守り、シミやソバカスなどの色素沈着を防いでくれます。朝紫外線を浴びる前に塗るということがとても大切です。修復より、損傷を防ぐ成分と認識するとよいでしょう。もちろん夜も修復のために塗る必要があります。今まで夜しか塗っていなかったという人は朝も塗る事をおすすめします。
まとめ
ビタミンCは美容という点でとても重要な働きをします。内側からも外側からもビタミンCをなるべく摂取するようにしましょう。ただし熱や水に弱いという性質がある事や、一定量を超えると体内には吸収されず尿として排出されてしまうこと、ビタミンCが多く含まれる柑橘系のフルーツには紫外線を吸収しやすい成分が含まれている事に注意しましょう。もちろんビタミンCだけ取っていればいいというわけではなりません。バランスのよい食事を心がけましょう。
コメントを書く