梅雨が続いているものの、日差しが強く夏のような日も増えてきましたね。既に日傘やUVカットカーディガンなどで紫外線対策をしているという方も多いのではないでしょうか。紫外線対策と同時に動き出したいのが食事です。夏は日差しが強く、どうしてもそうめんや蕎麦、アイスクリームなど冷たくて栄養価の低い食べ物に頼りがちですが、それが肌荒れなどの原因にもなってしまいます。紫外線の影響の強い夏こそ、バランスの良い食事が必須です。今回は夏にこそしっかり食べたい夏の野菜と果物を紹介します。
夏は肌にとって過酷な環境
夏こそ食事を気をつけるべき大きな理由は、夏が肌にとって過酷な状況と言えるからです。夏の間は紫外線による刺激や日焼け、エアコンによる乾燥が、シミや肌荒れの原因になることは皆さんご存知の通り。肌に非常にダメージをかけて、疲れ切っています。また、外からの要因だけではなく、夏の寝苦しさによる慢性的な睡眠不足や、冷たいものの取り過ぎによる体の冷えによる自律神経の乱れや基礎代謝の低下によって肌の元気がなくなり、回復に時間がかかってしまいます。シミが増えた気がする・ファンデーションのノリが悪い・肌がかさつく・化粧水がしみる等の症状がある場合は特に要注意。外からのケアはもちろん、内側から肌をケアする事もとても大切な時期と言えるでしょう。
アイス、パフェ、かき氷…夏は肌の天敵になるスイーツの誘惑だらけ
肌は疲れ切っている一方、夏はアイスやパフェなど冷たくて甘いスイーツが美味しく感じる時期。特にアイスクリームやかき氷は暑さでほてった体が一旦クールダウンできるのもあって、ついつい食べてしまいがちです。しかし、こういったスイーツにはシロップや砂糖、水あめなどの糖分が多く含まれています。砂糖の分子は皮膚でコラーゲンと結合し、この際細胞に炎症を引き起こします。結果しわを発生させ、皮膚の弾力性を失ってしまい、肌が硬化しやすくなります。また、血糖値が急激に上がることでホルモンバランスが変化し、吹き出物の原因にもなります。一旦肌が荒れると、治りにくいのが夏の時期です。美肌・美容のためにも、肌に余計な負担をかける食べ物は避けるべきと言えるでしょう。
夏に食べるべき食材
夏バテ解消には梨
栄養バランスの良い食事を摂るためには、夏バテにならないよう注意する事も大切です。夏バテになると、バランスの偏った食事を取ってしまったり、体の疲れが取れずずっとだるい、深く眠れない等美容観点から見ても夏バテはいいことがありません。梨にふくまれるアミノ酸のひとつであるアスパラギン酸はエネルギー代謝を促進し、タンパク質の合成を助け、疲労回復効果をもたらしてくれます。栄養ドリンクにも含まれる栄養素なので、夏バテが残っている方にとてもおすすめの食材です。夏バテが解消されると、食欲が戻り、しっかりと眠る事ができるので、生活を整え肌を健康にするブースターとなってくれます。アスパラギン酸だけではなく、クエン酸、リンゴ酸、果糖も梨には含まれていて疲労回復に役立ちます。また、梨には体内の不要物を効率的に排出してくれる水分やカリウムが沢山含まれています。カリウムには体内の細胞の浸透圧を調整し、体内の塩分の排出をどんどん促してむくみを解消してくれる役割があります。アスパラギン酸に体内の毒素を排出する効果があるので、相まってデトックス効果が高まります。
むくみと美肌に効果のあるスイカ
スイカは90%が水分で構成されるジューシーな夏の果物の代表格です。スイカには「シトルリン」という腎臓の機能を助け、高血圧や動脈硬化の予防効果が期待できるといわれているアミノ酸の一種が含まれます。水分を取りすぎて腎臓が疲れ気味の人がいる夏でも腎臓の調子を整え、さらにスイカに含まれるカリウムの利尿効果促進でむくみの解消につながります。また、トマトに含まれるイメージの強い「リコピン」も赤玉スイカには多く含まれている栄養素です。実はトマトよりもリコピンが多く含まれている事をご存知ですか?リコピンは美肌を損なう活性酸素を除去する力が強く、美肌作りにはもってこいの美容成分です。スイカは夜より朝に食べるのがおすすめです。睡眠中に失われた水分と糖分を手軽に補給でき、ほてった体を冷やしてくれるので、朝から頭がすっきりと働きます。
ダメージ肌に効果の高いかぼちゃ
かぼちゃにのオレンジ色を構成しているβカロテンは、緑黄色野菜に多く含まれ、体内に入ると肌のターンオーバーを促すビタミンAに変化します。ターンオーバーが促されると、シミやくすみが改善されやすくなる上に、肌のザラつきやゴワつきも解消することができるのです。また、かぼちゃには皮膚の健康を保つビタミンB群、コラーゲンの生成を促すビタミンCも豊富に含まれているため、ニキビ予防にも。加えて、若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEを豊富に含んでいます。ビタミンEは、紫外線やストレスなどで増える活性酸素から体を守ってくれるため、夏の紫外線を浴びた肌には取るべき栄養素で、エイジングケア効果が期待できます。このビタミンEは、ビタミンAやCと一緒にとることで、その作用がさらに高まるという特徴があり、ビタミンA・C・Eのすべてを含んでいるかぼちゃ一つで効率よく肌のための栄養素が取れる万能食材なんです。かぼちゃにはカリウムも含まれているので、余分な塩分や水分の排出を促し、むくみを予防する効果が期待できます。老廃物を外に積極的に出すという面でも、かぼちゃは非常に優秀な食べ物なんです。
紫外線対策にはトマト
トマトの代表的な栄養素と言えばリコピン。リコピンには、細胞の酸化や老化防止をしてくれるビタミンAとCがたっぷり含まれています。また、リコピンには強力な抗酸化作用があり、注目されている栄養素のひとつです。抗酸化作用で知られているβカロチンと比べると約2倍の抗酸化力があるのです。夏は紫外線や暑さのストレスなどにより活性酸素のダメージを受けやすい季節ですが、紫外線で生成されるメラニンを消し、コラーゲンを生成するので、シミやシワを防ぐ効果があり美肌に効果的です。夏の疲れ肌に積極的に取り入れたい食材なんです。トマトはビタミンEと一緒に取ることでより強力な抗酸化作用が期待できます。ビタミンEが豊富なオリーブオイルをさっとかけて塩をふるだけで、美肌効果もアップします。トマトのリコピンは朝摂ると、吸収率は昼の1.3倍、夜の1.4倍にもなります。吸収される時間も、朝は3時間、昼は11時間、夜は7時間かかるので、早く栄養をいきわたらせるという点でも朝食べるのがおすすめです。
顔の浮腫み取りにメロン
高級フルーツのイメージが強いメロンですが、最近はスーパーでカットメロンが比較的安く手に入るようになりましたね。メロンに含まれるカリウムはなんとスイカの3倍近く含まれています。夏はしょっぱいものが食べたくなる時。塩分を過剰摂取して浮腫んでしまった時に食べればむくみ解消に繋がります。また、メロンに含まれるパントテン酸は脂肪・タンパク質・糖質の分解を促した代謝を促します。メロンのカロリーは果物のなかでは低カロリーなので、ダイエット中の方におすすめの果物です。とはいえ、メロンの糖分は脂肪になりやすいと言われている果糖なので、夜寝る前に食べるのは控えましょう。
肌を回復させるゴーヤー
苦くて苦手という人もいるかもしれませんが、ゴーヤーは美容効果の高い食材なんで、疲労回復に効果があるビタミンCがとても豊富です。ビタミンCが豊富な食材と言えばトマトやレモンなどが挙がりますが、なんとゴーヤーはトマトの約5倍、レモンの約2倍ものビタミンCが含まれているのです。冷たいスイーツで荒れてしまった肌を回復させるのに効果があります。ビタミンCは加熱に弱いという性質がありますが、ゴーヤーのビタミンCは加熱に強いといわれているので、ゴーヤーチャンプルのように炒めたり茹でたりしてもしっかりと栄養をとることができます。また、カリウムや食物繊維も豊富なので、むくみやデトックス効果の高い食材と言えるでしょう。ゴーヤーの苦味が嫌いという人は内側の白い綿の部分をしっかり取り除きましょう。実は苦みのほとんどはこの白い部分に含まれています。ゴーヤーを薄切りし、塩でもんで10分程度馴染ませると苦みも少なくなりますよ。
古い角質を取り除くパイナップル
パイナップルは美容イメージが少ないと思われがちですが、パイナップルには肌を綺麗にする要素が沢山あります。その中でも注目なのが酵素。酵素には、ビタミンB1と呼ばれる栄養が含まれており、このビタミンB1は新陳代謝を促して、肌の中の古くなった角質を取り除いてくれます。また、パイナップルの酵素にはエストロゲン様作用も認められており、ホルモンバランスを整えてくれます。身体を冷やす果物が夏は多いですが、パイナップルは冷え症に効果のあるビタミンB1を含んでいるので、エアコンで冷えやすい夏の身体に優しい果物です。パイナップルは食前、空腹時に食べると一番効果を発揮します。腸内環境が整った状態で食事を摂取することができ、その後に食べる食事の消化吸収を効率よく行うことができます。食物繊維が多く含まれているので、朝食べると便通も良くなり体調が整うのでおすすめです。早朝~正午までの時間帯は、身体が老廃物や不要なものを外に出してくれます。そのため、このタイミングで食物繊維が豊富なフルーツをしっかり摂ると、便通改善に繋がるんですよ。
美容効果の高いぶどう
美肌に良いというフルーツは沢山ありますが、特にぶどうはアンチエイジングや美肌への効果がとても高いフルーツです。ぶどうには老化を防ぐポリフェノールや強い抗酸化作用のあるプロアントシアニジンが含まれます。また美肌作りに欠かすことのできないビタミン類も多く含まれます。それと共に、ぶどうの甘さのもととなるブドウ糖は体内に吸収されやすく、すぐエネルギーに変換されるので、疲労回復にも効果のある果物です。美容効果を高めたい場合は、皮ごとたべるのがおすすめです。アンチエイジング効果のあるポリフェノールやレスベラトロールはブドウの実の部分よりも皮の部分に多く含まれています。ブドウもメロンと同じく夜食べるのは控えた方がよい果物ですが、どうしても夜に食べたい場合は皮ごと食べましょう。
まとめ
夏は肌のダメージが強くなる時期です。特に近年は猛暑続きで体調も崩しやすくなっているので、食事に気をつける事がとても大切になってきます。夏バテするとアイスクリームやそうめんなど冷たくて喉に通りやすいものをついつい選んでしまいがちですが、美容のためにもしっかり栄養価の高い食材を選ぶようにしましょう。特に夏にたまった疲れは秋に現れてきます。夏の疲労と秋のぐっと低くなる気温や湿度が重なって、どうしても肌や髪、体のトラブルを起こしがちです。また、ぐっと老けて見える要素が増えるのもこの時期です。しっかりお肌のケアができるよう、外側だけでもなく内側からの生活も見直すように心がけましょう。
コメントを書く