美容や美肌を気にする人が一度は耳にしたことがある「酵素」。なんとなく美容に良いらしい、という事だけしっているという人も多いのではないでしょうか。酵素洗顔は使っているけど食べる方の酵素は詳しくないという人もいるかと思います。とはいえ、巷に溢れる美肌や美容関連の食事はビタミンACEや食物繊維がメインに語られがちで、結局酵素がなんなのかわからずスルーしがちですよね。今回は酵素の効果や性質、取りやすい食べ物などを紹介します。
そもそも酵素って何?
酵素とは、食べたものを消化、代謝、吸収また体調を整えるために必要不可欠な物質で、タンパク質でできています。体の中では常に色々な化学反応が起こっていますが、酵素の主な役割は、他の物質と結びつき、化学反応を促すことです。食べたものを「消化」「吸収」「代謝」するのに酵素は欠かせません。体の化学反応の事を私たちは代謝と呼んでいます。酵素の種類には、大きく分けて「体内酵素」と「体外酵素」の2つがあります。体内酵素の量には限りがあり、作り出せる能力は遺伝子で決まっているとも言われています。酵素の量は年齢とともに減少していき、そのピークは20~25歳で落ち始めてくると言われており、歳を取るとともに体内酵素ななくなっていくのです。
酵素がなぜ美容にいいと言われる?
まず、酵素にはさまざまな働きがあり、消化酵素・代謝酵素・食物酵素などがあげられます。消化酵素は、食べたものを体内で栄養にする、代謝酵素は、吸収した栄養を効率よく働かせる、新陳代謝や解毒などの役割があります。また、筋肉や内臓を修復し、体を理想の状態に保つために用いられます。私たちの細胞内にいるミトコンドリアは食べ物から吸収した糖を燃やす「謝酵素」という酵素が含まれています。しかし謝酵素は年齢とともに働きが鈍ってしまうため、基礎代謝も低下していきます。そこで酵素を積極的に補う事で基礎代謝を上げることができるのです。また、美肌に必要なコラーゲンは、酵素が肉や魚などのたんぱく質を細かく分解し、消化・吸収することで得られるのです。いくらお肉や魚などを積極的に食べても、酵素が無ければ意味がありません。アミノ酸の吸収量が増えればコラーゲンの生成がスムーズになるため、美しい肌作りの大きな手助けになってくれます。加えて、酵素には食べ物を細かく分解し、消化・吸収を助ける役割があります。さらに、植物性食品を発酵させて作る酵素には、食物繊維や乳酸菌がたっぷり含まれています。この乳酸菌が腸内環境を整えることで、便秘を解消してくれるのです。便秘の解消は不要な老廃物や毒素を排出することに繋がり、結果的に肌荒れを防いで美肌効果が期待できます。
酵素を大量消費してしまうと体内環境が悪くなる
体内の酵素は大量に消費すると不足して、体が弱っていき美容面はもちろん健康面でもあらゆる悪影響をもたらします。どういう時に大量に消費されるのかを知っておく事も大切です。まず、普段の生活では過度なタバコやアルコールの摂取やジャンクフードを頻繁に食べるなどすると多量に消費されていきます。また、38度〜40度の熱が出るような風邪などでも、体を健康にするために多くの体内酵素を消費することになります。そのほか、悪い食事によって腸内で作り出された毒素や、休養をとらない不規則な生活、過度なストレス、動物食ばかりたくさん食べる、といった食生活でも酵素は減少します。タバコやアルコールをなるべく控えるのはもちろん、熱が出た後や不規則な生活になってしまっている時などに積極的に酵素を取るようにしましょう。
酵素を積極的にとるために
酵素が重要である事は理解できたと思います。先に説明したとおり、酵素は人の体にもともとある体内酵素と、外部から食べ物として取り込む体外酵素があります。体外酵素として挙げられるのが食べ物に含まれる食物酵素です。食物酵素は年齢やストレスなどで不足している体内の消化酵素や代謝酵素をサポートするため、積極的に摂りたい酵素です。もちろん食べても大量消費しない体づくりも大切です。規則正しい生活やストレス解消、体をひやさない事なども酵素を増やし働きを良くしてくれます。
酵素が多く含まれる食材
先に説明したとおり、体内の酵素は年齢とともに不足しがちになったり、ストレスやたばこ・お酒などで大量消費されてしまうので、食材から取り入れる事がとても大切です。
生野菜
酵素を多く含む食べ物としてまず挙げられるのが加熱しない状態の生の野菜や果物です。加熱しないというのが大きなポイントになります。酵素は水の中で加熱した場合、48~65度でほとんど破壊されます。特に水の中での加熱の方が、水を使わない場合よりも多く破壊されると言われています。野菜は皮の部分に抗酸化物質が多く含まれているので、なるべく皮ごと食べましょう。果物にも多くの酵素が含まれています。果物で酵素を取るメリットは吸収時間です。通常の食物は胃から腸に届くまで2~4時間ほどかかりますが、果物は30分ほどで腸へ届きます。これは、果物自身が消化酵素をたくさん含んでいるためと言われています。おすすめの野菜や果物はトマト・レタス・大根・アボカド・バナナ・キウイ・リンゴ・マンゴー・パイナップルなどです。野菜を選ぶ時はできるだけ太陽をいっぱい浴びた有機農法の健康な野菜を選ぶようにしましょう。また、時間が経てば酵素は減っていくので、なるべく新鮮な食材を摂取するようにしましょう。
発酵食品
植物性の発酵食品には、微生物によって大量の酵素が含まれています。私たちの体内で、腸内細菌がたくさんの酵素を作ってくれているように、発酵食品に含まれる微生物も、発酵の過程で多くの酵素を生み出しています。おすすめの食材としては、納豆・味噌・ヨーグルト・チーズ・キムチ・ぬか漬け・麹などが挙げられます。
体内酵素を増やすには
もちろん外からの摂取だけではなく体内酵素を増やす事も大切です。まずその大きな基本となるのが規則正しい生活です、酵素は、成長ホルモンと同じように睡眠時に作られます。十分な睡眠を確保し、睡眠不足にならないようにしましょう。また、酵素が大量に消費されるタイミングとしてお酒やたばこ・添加物に含まれる毒素を解毒する時が挙げられます。野菜や果物を積極的に取る事が不可欠になるので、食事のバランスを心がけましょう。酵素の働きを活性化させるには、体を冷えから守り、温める事が大切です。これからの季節、冷え性が悪化する人も多いかと思います。手足や腹部を冷やさないように心がけ、入浴は湯船につかる習慣をつけて体をなるべく温める環境にしましょう。加えて、ストレスが過剰にかかると酵素の働きが低下すると言われています。ストレスは自律神経のバランスも崩してしまうので、睡眠不足や食欲不振にもなってしまいます。ストレスを避けるというのはなかなか難しいかもしれませんが、運動や趣味の時間を作り、ストレス解消方法を持つ事が大切です。
酵素を活性化させる栄養素も併せて取ろう
酵素自体を積極的に摂取するのはもちろんですが、酵素を活性化し、スムーズに働かせるのに必要な栄養素であるミネラルも一緒に取りましょう。ミネラルが不足すると、代謝酵素がスムーズに働かなくなります。ミネラルの中でもとくにマグネシウムや亜鉛は、多くの酵素の働きを助けます。現代人に不足気味の栄養素なので意識的に摂取しましょう。マグネシウムを多く含む食べ物は、穀物、緑黄色野菜、海藻類、ナッツ類、亜鉛を多く含む食べ物は、肉類、牡蠣、牛乳、玄米、豆類が挙げられます。積極的に摂取したいですが、過剰摂取することで弊害も起こります。マグネシウムの過剰摂取では、下痢、悪心、腹部の痙攣、亜鉛の過剰摂取では、吐き気、、嘔吐、食欲不振、胃痙攣、下痢などが挙げられます。通常の食事で過剰摂取することはありませんが、サプリメントで補う場合は、用量を守って過剰摂取しないように注意しましょう。
まとめ
よく耳にするけどあまりその内容が知られていない酵素。年齢と共に体内の酵素は減少するので、年齢を重ねた人こそ積極的な摂取が必要ですが、タバコやアルコールが好きな人・ストレスの多い生活を送っている人も酵素不足に陥っている可能性が高いです。通常のビタミンや食物繊維などの栄養素も大切ですが、酵素も健康と美容に大切な栄養素なので、普段の食事から心がけるようにしましょう。
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