歯の色や歯並びは、その人の印象を大きく左右します。会話したり表情を動かす時には口元が気になる人もいるでしょう。
そんな歯にコンプレックスを持つ人のために、”美しく見せるため”の歯の治療があります。
セラミック治療とは？
セラミック治療とは、見た目にも美しい口元を実現し、歯に関する悩みを解消する総合的な歯科医療のことです。虫歯の治療などで削った歯を、白い陶材（セラミック）で補います。
従来、虫歯を治した後の詰め物やかぶせ物は、銀歯で補っていました。前歯は保険でも白いかぶせ物ができましたが、白い部分がプラスチックの為に時間が経つと黄色く変色したり、歯ぐきとの境目が黒い筋になって目立ってしまうことが多く、美しく保つことが困難でした。
最近では前歯だけでなく奥歯にも白い詰め物やかぶせ物を求める人も増加し、金属を使わない方法も可能となったことでアレルギーの心配もなくなりました。
また、銀歯や銀色の詰め物をセラミックに取り替える人が増え、中でも女性の割合が多くなっています。会話をしたり笑顔になる時に目立ちやすいので、どうしても気になってしまうでしょう。しかし口元を隠したり、笑わないようにするのは、個性や印象を左右してしまいますが、この悩みを解決できるのがセラミック治療です。
セラミック素材の種類
セラミック素材には種類があり、素材によって適する歯の部位や価格が異なります。
歯のコンプレックスや予算に合わせてセラミックの種類を選択しましょう。
◎ハイブリッドセラミック
レジン（安価で取り扱いしやすいプラスチック）素材とセラミック素材の中間の素材。レジン素材は変色しにくい特性がありますが、完全なセラミック素材より透明感に欠けるので前歯には適しません。芯材が金属なので、時間経過で歯肉がやせてくると、金属とセラミックの境目が黒く露出する恐れがあります。
セラミック素材の中では最も安価なので、10~20代前半に人気です。
◎メタルボンドセラミック
金属のフレームの上にセラミック素材を盛り、焼き付けたもの。表面はセラミック素材なので変色せず透明感があり、前歯にも適しています。芯材が金属なので、ハイブリッドセラミック同様、金属とセラミックの境目が黒く露出してくる恐れがあります。
オールセラミックより安価で、10~20代前半に人気です。
◎オールセラミック
芯まで全てがセラミック素材。メタルボンドセラミックより透明度が高く、大変きれいな見栄えになることから前歯にも適しています。
強度が高く、やや高価にはなりますが、費用がかかっても美しさを求めたい20代後半~40代に人気です。
◎ジルコニアオールセラミック
ジルコニア（人工ダイアモンドと知られている鉱物）を芯材に使用したセラミック素材。オールセラミックより強度が高く、奥歯やブリッジ（両隣の歯を土台にして、義歯を立てる手法）に適しています。
費用は最も高く、歯周病の進行などにより歯が欠損してブリッジ治療が必要となる50代以上の方が選ぶことが多いです。
セラミック治療の種類
治療する部位や大きさ、目的によって治療法が変わってきます。また、歯のコンプレックスだけでなく、虫歯・歯周病の進行具合によっても変わります。
◎クラウン（かぶせ物）
クラウンとは歯へのかぶせ物のことで、”差し歯”とも呼ばれています。クラウンは歯の神経を除去し、歯型を採って作製します。歯の大きさ、形、角度、位置、色、透明感、など一人一人にあわせて綺麗にマッチさせるデザインが可能です。
セラミッククラウンとは、歯を一回り小さく削った（約1～1．5ミリほど）上にセラミック製の歯をかぶせることで、短期間で歯並び、色、形を美しく整える治療法です。
変色してしまっている歯や、大きさの不揃いな歯、隙間のあいている歯、歯並びのよくない歯、歯根部分だけしか残っていないような場合まで対応ができます。
◎インレー（詰め物）
インレーとは歯への詰め物のことです。歯型を採って詰め物を作製し、その後虫歯の部分のみを削り取り、詰め物(インレー)を詰める治療です。
セラミックインレーとは、歯の神経を残すことができる程度の虫歯の場合などに、虫歯を削った部分にセラミック製で作られた詰め物を詰める治療法です。
見た目が良く、汚れが付きにくく、ほとんど変色もしません。また、金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性もありません。
まとめ
どんなに美しい人でも歯が汚いと勿体ないです。気になるけど、歯をキレイにするのは大掛かりなイメージを持つ人もいるでしょう。
しかしセラミック治療は、短期間でキレイな歯を実現することができます。種類や価格も様々なので、医師とよくカウンセリングをした上で、自分に合ったセラミック法を選びましょう。
