割れてる顎を整えよう!”割れ顎修正”

割れてる顎を整えよう!”割れ顎修正”

顎の中央に線が入って、顎が割れているように見える「割れ顎」。人によって程度は異なるものの、男女問わず「割れ顎」の方はコンプレックスとして悩んでいる方が多いです。
そんな「割れ顎」に対する修正法をご紹介していきます。

割れ顎とは?

下顎骨の中央部分の骨が凹んでいるために、顎の真ん中が割れている様に筋が入った顎のことを「割れ顎」と言います。お尻の形に似てる事から「ケツ顎」とも呼ばれています。人によって程度の差がありますが、写真を撮影すると真ん中に影ができてしまいます。

以前は、有名俳優さんや有名スポーツ選手の顎が割れているということでセクシーなイメージがあり、海外でも割れ顎は憧れの対象であります。そのため、割れた顎を作るために、プロテーゼを入れる施術も行われています。
しかし、最近では芸人さんが、割れ顎、ケツ顎をネタにしていることもあったり、日本では男女問わず、割れ顎は無くしたいというニーズの方が圧倒的多数を占めています。
割れ顎は、顔が大きく見える、丸く見える、男っぽく見えることがあるので、特に女性は気にされている方も多いです。

割れ顎のメカニズム

そもそも顎の骨は凹凸があり、特殊な形をしているために各部位に細かく名前がついています。

顎の裏側の骨を下顎底(かがくてい)といいます。また、下の歯の歯根がはまっている部分を下顎骨歯槽部(かがくこつしそうぶ)といいます。
顎の骨にはオトガイ孔、オトガイ隆起(りゅうき)、オトガイ結節(けっせつ)など「オトガイ」という名称がついている部分が多くあります。オトガイとは漢字で「頤」と書き、下顎や下顎の先端をさす言葉です。オトガイ孔は神経や静脈や動脈などが通る場所になります。

顎の先端の骨は中心が凸の字のように前に盛り上がっていて、その両サイドが凹んでおり、波をうっています。盛り上がっている部分を「オトガイ隆起」といい、凹んでいる部分の淵のあたりをオトガイ結節と言います。
また、オトガイ結節が発達している場合、顎が桃のように割れた形になります。これは、骨に異常があるのではなく、成長の過程で筋肉(顎と下唇の間をつなぐオトガイ筋)の割れ目がくっきりでてしまう体質的なものです。

以上のことを踏まえ、割れ顎の修正法にはいくつか種類があります。
①顎先のオトガイという骨を削る方法(顎先骨削り)
②プロテーゼ(シリコン)を挿入して顎先を出す方法(顎プロテーゼ)
③割れている顎の凹みにヒアルロン酸、またはレディエッセを注入して改善する方法(顎先ヒアルロン酸注入・レディエッセ注入)

その他にも、割れ顎は筋肉の発達でできるものもあり、筋肉抑制注射をすることで改善する場合もあります。

骨を削る場合やプロテーゼを挿入する場合は、1回で手術は終わります。しかし、ヒアルロン酸を注入する場合は、ヒアルロン酸は体内に吸収されて無くなってしまうので、定期的に注入する施術を受けないと、再び割れている顎の状態に戻ってしまいます。

主な治療法

顎先骨削り

顎先の骨削りを行い、割れ顎、ケツ顎を矯正する治療法です。骨削りの設備と麻酔装置を装備した施設でないと行うことができませんが、効果は大きく、半永久的に持続する治療法です。元々顎が大きい方に用いられます。
骨を切ったり削ったりする際は、口の中からアプローチするので、傷跡は外からはわかりません。顎の形にだけ集中せず、顔全体のバランスを見ながら削っていきます。
日帰りで手術が受けられることがほとんどですが、ダウンタイムやリスクは高いです。

<施術法>
①割れている部分の両サイドの出ている骨から少しづつ、骨削り用の回転やすりを使い分けて、丁寧に削っていきます。
②削った部分と顎先の周囲の骨とが、段差が出ないよう丁寧に削り込みを行い、鏡のように光沢のある表面に仕上げます。
③顎先の下側の部分の顎が割れていて、凸凹している部分も不自然にならないように削ります。フェイスラインの張りが出ている方は、シャープに整えて削ります。

顎プロテーゼ

プロテーゼとは、人間の軟骨に非常に近いシリコン性素材のことです。この人工軟骨は一般病院の手術にて心臓外科や人工関節などで使われている素材です。そのためアレルギー反応の心配もなく、安全なシリコンプロテーゼです。割れ顎修正だけでなく、フェイスラインを整えるときにも使われます。

顎先に顎プロテーゼを入れて、割れ顎、ケツ顎を矯正する治療法です。
口腔内の口腔前庭を切開して顎プロテーゼを入れることにより、割れ顎、ケツ顎を矯正します。比較的手軽で治療効果が大きく、半永久的に持続する治療法です。口の中の粘膜を切り、そこからプロテーゼを挿入するため、傷口は外見上分かりません。プロテーゼの形は、三日月型をしているので、挿入することで、顎先をシャープにすることができます。
手術は局所麻酔で行うことが可能で、手術時間は約20~30分程度になりますが、プロテーゼを加工する時間は別にかかります。
割れ顎、ケツ顎の方で顎が小さく後退している方に用いられる方法です。

プロテーゼを挿入する際のポイントとして、鼻と唇と顎にかけてのEラインを意識します。Eラインとは、より美しく見えるためのフェイスラインの基準のことです。鼻と顎のバランスは綺麗なフェイスラインを作るにはかなり重要なパーツと言えます。つまり、鼻、顎、唇が一直線上に位置すると、横顔も大変バランスがよく、「黄金比」に叶った美人顔として評価される顔立ちといえます。
割れ顎に限らず顎を修正する場合は、このEラインを丁寧に慎重に診察し、計算してプロテーゼを加工します。

<施術法>
①カウンセリングの後に、希望のデザインにプロテーゼを作成します。
②プロテーゼの挿入部分に局所麻酔を行います。クリニックによっては、静脈麻酔を行い、眠ったまま手術を受けることも可能です。
③傷が目立たないよう下唇の裏(歯茎の近く)を約15mm切開し、プロテーゼを挿入していきます。術中は痛みをほとんど感じません。顎の骨の上にプロテーゼを固定し、フェイスラインを整え、割れ顎を修正します。施術時間は20~30分ほどで終了します。施術後は、2~3日間テープで固定します。

顎先ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸は体内にもともとある物質で、肌の水分を保つ役割があります。透明なジェル状の物質で、皮下に注入することでふくらみを持たせシワを隆起させて解消します。注射されたヒアルロン酸は分解吸収されてしまうため、時間とともに体に吸収されてなくなってしまいます。持続効果はヒアルロン酸製剤の種類によって数か月~2年程度です。

顎が割れている場合、中央が凹んでいますが、その凹んでいる部分にヒアルロン酸を注入することで、窪みや縦筋を膨らませ、顎先を出すことが可能です。割れ顎、ケツ顎の治療法で最も手軽な方法です。
顎の骨の上には骨膜という薄い膜があり、骨膜上に硬いヒアルロン酸を注入することで、皮膚を持ち上げて、顎先を出します。
非常に手軽で、ダウンタイムが少ないために、人気のある治療法です。ごく稀に針を刺した場所に一致して内出血が発生することがありますが、メイクで隠せる程度で、2週間程度の経過で完全に消失します。
顎先の窪みや縦筋が比較的軽症である場合や、プチ整形で手術を希望されている場合に選択されています。注入のみの施術になるので、約10分程度で終了します。

注入後に元に戻したい場合には、ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸の酵素を注入する事で、ヒアルロン酸を溶かすことができます。溶けたヒアルロン酸は体に吸収されるので、見た目に影響することはありません。

<施術法>
①カウンセリングをし、希望の顎の形を医師と話し、イメージを共有します。
②ヒアルロン酸を注入する箇所に局所麻酔をします。
③注入部位を消毒し、痛みの少ないよう配慮された細い針でヒアルロン酸を顎に注入します。痛みが少ないように優しく丁寧に注入します。
顎には、オトガイ静脈やオトガイ動脈など、大切な血管や神経が多く通っていますので、血管や神経を気付けないように、細心の注意を払い注入します。注入時は、ただ注入するのではなく顎の形を整えながら丁寧に注入します。
④患部を10分程度丁寧に冷やし、そのまま帰宅可能です。術後1週間程度は、注入部位のマッサージや、圧迫は避けましょう。また、24時間以内は激しい運動、飲酒、長時間の日光浴、高温の場所に留まることは避けましょう。

レディエッセ注入

レディエッセ(Radiesse)とは、骨や歯の成分である「ハイドロキシアパタイト」を主成分とした注入剤のことです。顎や鼻などに注入することで骨同様の組織を形成する性質があり、輪郭形成にも優れています。粒子がとても柔らかい為皮膚へのなじみが良く、自然な仕上がりが可能です。骨に直接注入しない限りは骨の一部になることはありません。切開をせずに割れ顎を治療したい方におすすめです。

レディエッセはFDA、EC、KFDAなどを始めとする世界10カ国によって承認を得ている安全性の高い成分です。(FDA=米国食品医薬品局、EC=欧州地域における法的規制に対する適合性表示制度、KFDA=韓国食品医薬品安全局…日本での厚生労働省のような機関)
100%生体分解性物質の為、徐々に体内に吸収されます。 非動物由来成分なので、アレルギーを起こす心配もありあせん。また、自己のコラーゲンを増殖させて効果を持続させているため、シコリが残る心配もありません。

従来のヒアルロン酸注入は、半年程度で吸収されて効果が失われてしまいますが、レディエッセは注入された後、線維芽細胞が入り込み、骨様の組織を形成する性質があるため、プロテーゼ挿入などの手術をせずに形を整える事が可能です。ヒアルロン酸よりもやや硬く、ほどよい粘性があるため、ヒアルロン酸等より少ない注入量(75%程度)で同等の効果を発揮します。
レディエッセは約1~1年半程度で吸収されていますが、生成されたコラーゲンは残るため、長期的な効果の持続が期待できます。

<施術法>
①カウンセリングで骨格や皮膚の状態を確認します。痛みに弱い方は麻酔クリームを塗布します。
②様子を見ながら少しずつ丁寧にレディエッセを注入していきます。時間は5〜10分程度で、通院の必要もありません。
③注入後、赤みがでやすい方はしばらく冷やします。その後に、すぐメイクをして帰宅可能です。

筋肉抑制注射

筋肉抑制注射とは、つまりボトックス注射のことです。顎にボトックスを注入し、筋肉の発達で割れた顎を改善することが可能です。
ボトックスとは、ボツリヌス菌毒素から抽出した成分のことで、タンパク質の一種なので体内に入れても副作用がありません。ボトックス注射ではアセチルコリン分解阻害のために一過性の筋肉麻痺を生じさせることで、筋肉の動きを少しだけ麻痺させ、筋肉を細く見せることができます。他にも、汗腺への作用により、脇や手の平、足の裏の汗の量を減らす作用もあります。

骨の凹みにはヒアルロン酸の注入で改善しますが、筋肉により凹む部分には筋肉の動きを弱くしなくては改善しないのでボトックスによる治療が必要です。
注射のみの治療なのでダウンタイムが短く、リスクも少ないです。施術は約10分程度で終わります。麻酔の心配はありませんが、痛みが不安な方は麻酔も可能です。効果は4~6か月持続し、2度目以降は一般的に初回よりも効果が持続する傾向があります。顎の梅干しのようなシワにも効果的です。
ボトックスを使用する場合、3ヵ月間妊娠する事・させる事は禁止されているので注意しましょう。

<施術法>
①カウンセリングをした後に、必要な方は局所麻酔を行います。
②ボトックスを注入します。
③注入後は痛みや腫れもほとんどなく、すぐにメイクをして帰宅可能です。個人差はありますが、注入後3~4日目には効果が現れ始め、4~6ヶ月程度持続します。

まとめ

男女問わず、割れ顎にコンプレックスを抱く人はいらっしゃいます。特に割れ顎は男性的な印象を与えてしまうことから、女性はどうにかしたいと思う方が多いです。
割れ顎の根本的な原因は、生まれつきの遺伝的な要因によるものです。そのため、自力で治すことは難しいですが、医療の力を借りて改善することができます。

割れ顎の治療法は様々ですが、どれくらいアゴ先端部が窪んでいるか、縦筋は入っているか、アゴの後退はあるかなどをきちんとチェックした上で治療法を決める必要があります。最近は、切開せずに手軽で腫れが少ない顎先ヒアルロン酸注入を希望される方が増えています。リスクも低いので、比較的抵抗無く、治療を受けられますが、効果は永久的ではないので、その都度注入をする必要があります。
一回の治療で終わらせたい方には、顎先骨削りやプロテーゼの挿入がおすすめです。

割れ顎でお悩みの方は、是非一度検討してみてはいかがでしょうか?

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