妊娠・出産における女性の体の変化・トラブル…!防止策と産後のケア方法

妊娠・出産における女性の体の変化・トラブル…!防止策と産後のケア方法

妊娠・出産は人生の大きなライフイベントのひとつとして数えられ、とてもおめでたいことですが、女性の身体に大きな変化を伴うことも事実です。妊娠・出産で起こる身体の変化を知って、子育てをしながらしっかりケアを行っていきましょう!

妊娠で起こるからだの変化とは?

妊娠ときくと、「妊娠線ができる」「つわりが大変そう…」などマイナスな変化が最もよく挙がりますが、実は女性にとってうれしい変化もあります。個人差が大きく、妊娠した全員に現れる変化ではありませんが、よく起こるものを挙げてみました。

・お肌のきめが整う

・お肌がしっとりする

・ニキビができにくくなる

・バストアップする

・バストトップが黒ずんでくる

・腹部からおへその間の線(正中線)が黒ずむ

・お腹の毛が濃くなる

・妊娠線ができる

・髪が抜ける

・髪がパサつく

・爪が割れやすくなる

・骨盤が開く、ゆがむ

・膝裏や腕などにクモ状静脈ができる

・お尻が大きくなる

・下半身のむくみ

・虫歯ができやすくなる

・痔になる

上に挙げたものは見た目の変化であり、その他、つわりや尿漏れ、腰痛などの変化が現れるひともいます。

からだの変化はなぜ起こる?

妊娠すると、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の量が大きく変動します。これらの女性ホルモンの変動により、妊娠した女性の身体は、出産に向けてさまざまな変化をするといわれています。そのため、妊娠中に生じた変化の多くは産後、ホルモンバランスが元に戻っていくのと同時に、自然に消えたり治まったりしていきます。

髪のトラブル

自然に治まっていくトラブルとして、抜け毛があります。妊娠初期及び産後に抜け毛を経験する女性が多いようです。産後は今まで経験したことがないほど髪が抜けるため、髪が少なくなるのではないかと不安になることもあるかもしれません。しかし、産後1年ほど経てばホルモンバランスが元通りになり、新しい髪が少しずつ生えてきます。

出産後も続くトラブル

産後も症状が続くトラブルもあります。妊娠線や黒ずんでしまった正中線は、出産と共に薄くなりますが、消えずに残ることが多いようです。また、妊娠中は調子がよかった肌も、ホルモンバランスの崩れによってニキビや吹き出物ができやすくなったり、乾燥などが目立ちやすくなったりします。

トラブルを事前に回避するには?

妊娠・出産時に起こるからだの変化は、事前に予防できるものもあります。

保湿

妊娠線は、皮膚の下にある真皮と皮下組織が、お腹のふくらみの速度に追いつけずに割けてしまうことでできるものです。妊娠線ができる人・できない人は、体質もあるといわれていますが、保湿によって皮膚を柔らかくすることで妊娠線を予防することができます。妊娠8か月以降の急激にお腹が大きくなってくるタイミングでできることが多いので、その前からお腹の保湿を念入りに行っていきましょう。お腹がふっくらし始めてきたら保湿を始めてみてください。特に乾燥する季節は、早めに保湿を行うようにしましょう。妊娠線ができやすいのは、おへその下あたりですが、腰回りなどにもクリームを塗っておくと、保湿効果が上がります。妊娠線専用のクリームでなくてもかまいませんが、保湿力が高く、添加物の少ないクリームを選ぶようにしましょう。

保温

保湿と同様に、体を温める「保温」もトラブル予防・緩和につながります。妊娠中は腰痛が起こりやすくなります。お腹の子のために、お腹を温めることをする方は多いと思いますが、併せて腰も温めるようにすると、腰痛の予防や改善になります。また、気分がよければ、お風呂にゆっくり浸かるようにしましょう。血行をよくすることで、クモ状静脈になることを予防することができます。

歯の治療・丁寧な歯磨き

妊娠中はホルモンバランスが崩れることにより、ふだんより口のなかが不衛生になりやすく、虫歯などができやすくなります。治療は妊娠がわかった時点で早めにおこない、歯のケアにいつも以上に注意しましょう。多くの自治体で、妊婦に対する歯科検診の補助が出ています。うまく活用して歯を清潔に保ち、妊娠中や産後に口腔トラブルを起こさないようにしましょう。

産後のトラブルケア

これらのさまざまなトラブルに対して、産後にケアを行うことは、妊娠中に対処するよりも大変になるといわれます。理由は、出産とともに妊娠中とは比べ物にならないくらい体は急激に変化し、更に慣れない育児も始まります。自分のことよりも子どものことを優先しなければならない場面も多く出てくるため、自分自身のトラブルの対処は後回しになりがちです。じっくり時間をかけてケアすることは難しいかもしれませんが、毎日継続してケアをしていくことが大切です。

紫外線対策

妊娠中はエストロゲンが多く分泌されるため、肌や髪の毛をツヤツヤに、脳の働きもアップし、骨や血管が丈夫になりますが、出産とともにその量は減少していきます。そのため、肌や髪は再び老化し始めます。紫外線は肌の老化を促進し、シミやシワを生じさせるきっかけにもなります。予防のためには、紫外線から身を守るために、こまめに日焼け止めを塗るようにしましょう。肌に塗った日焼け止めが赤ちゃんについてしまう可能性がありますので、低刺激で添加物が少ないものを選ぶと、ママも赤ちゃんも安心です。紫外線対策は顔や腕、足などの肌だけでなく、髪にも行うようにしましょう。髪用のスプレータイプの日焼け止めなども販売されています。また外出の際は日傘や帽子を着用しましょう。実は、紫外線の影響は屋内にいても受けることがあります。外出をしなくても、カーテンで紫外線を遮るなどの対策はしっかりと行うようにしましょう。

十分な保湿

普段のスキンケアでも言われることですが、洗顔やメイクのクレンジングは、よく泡立てた洗顔料でやさしく肌をなでるようにし、必要以上に肌をこすって傷つけることのないようにしましょう。そして洗顔後は保湿をしっかりと。ただ、赤ちゃんを優先しなければならないときに、あらゆる保湿液や美容液を顔にパッティングする余裕がないかもしれません。オールインワンのジェルやパックなどをうまく使い、これまでのケアよりこまめに行うことが望ましいです。

食事

バランスのよい食事は、肌トラブルの解消に役立ちます。また、母乳で育てる場合は赤ちゃんにもよいと言われますが、育児優先の生活の中で、自分の食事に気を遣うことが難しいことの方が多いでしょう。毎食でなくとも、1日1食は野菜を摂るようにするなど、意識的に食事のバランスを考えてみるようにしてみてください。そのほか、必要な栄養素をサプリメントで補うことも可能です。ただし、産後の経過が思わしくない場合や、薬を処方されている場合などは、必ず医師に相談するようにしてください。

睡眠

産後1~3か月ほどまでは3時間おきに授乳をしたり、赤ちゃんが泣くのに合わせて夜中起きたりと、常に睡眠不足になりがちなため、十分な睡眠時間を確保することは難しいかもしれません。ただ、睡眠が肌トラブルだけでなく、体調などを整える効果もあるため、可能な限り睡眠をとるようにしましょう。忙しい毎日のなかでも、赤ちゃんが眠っている間はできるだけ一緒に眠たり、家事を多少後回しにしてでも睡眠時間に回したりしてみてください。また、パートナーに育児を任せられる日は、自分自身がしっかり休息をとれるようにしましょう。

お尻のトラブルには

出産の際におこるトラブルとして、痔を患う女性も少なくありません。赤ちゃんが産まれる際に、脱肛や切れ痔などを引き起こしてしまうのです。専門の病院で診てもらったり、市販の薬を塗るなどの治療もありますが、普段から肛門を締めることを意識して過ごすと治りが早くなります。肛門を締める動きは、骨盤底筋を鍛える動きにもつながり、産後にゆるんでしまっている骨盤底筋を元に戻します。骨盤底筋を元に戻すことで、産後の尿漏れの改善にも効果があります。

骨盤のゆがみを矯正する

妊娠・出産とともに骨盤は大きく開き、産後は開いた骨盤を元に戻す必要があります。産後すぐは骨盤ベルトなどで締めて矯正しますが、その後の生活によってゆがみが生じてしまうことがあります。足を組んで座ったり、片足体重で立ったりすることはなるべく避けるようにしましょう。また産後1か月が経過していれば、整体等で矯正することも可能です。ずれが大きい場合は、コルセットや骨盤サポーターを使用してみましょう。骨盤の位置を修正する運動で改善することもあります。産後、育児の合間の運動として実施してみてはいかがでしょうか。

まとめ

妊娠・出産は、女性にとって、これまで経験したことのない大きな変化を伴い、産後に妊娠前と同様に「元通りになる」ことはとても難しいものです。それでも、あらかじめどのように変わる可能性があるのかを知っておき、事前に対策をすることによって、産前に近い身体を取り戻すことができます。また、何においてもストレスを感じた状態は自分の身体にも赤ちゃんにも負荷がかかります。マタニティライフも育児も一息ついてストレス解消をしながら、セルフケアを行っていきましょう!

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