産後のぽっこりお腹、どうして?

産後のぽっこりお腹、どうして?

出産という大きなイベントを終えると、女性のからだは胎内で子どもをはぐくむ仕組みから、育児・子育てをしていくからだの仕組みに変わっていきます。その過程の中で、多くの女性が抱える悩みの一つに「下腹部のたるみ」があります。一方で、自身の体型に悩みながらも、慣れない育児に追われ、自分自身のケアは後回しになりがちで、「忙しいから仕方ない」と諦めてしまいがち。今回は、産後のからだの変化と、それに応じた運動方法についてご紹介します!

産後のお腹がなかなかもとに戻らない理由

出産を終えると、女性のからだはすぐに産前のように戻るかというと、そうではありません。大きくなったお腹が元に戻るのには、実は多くの時間を要するのです。では産後から女性のからだ、特にお腹は、どのように変化をしていくのでしょうか。

子宮が大きくなっているから

女性のお腹は、子どもが生まれても数日間は妊娠6、7か月くらいの大きさのままです。なぜなら、子宮が大きくなったままだからです。子宮は、妊娠中に子の成長に合わせて、通常時の20~30倍ほど大きくなっています。それが産後、1~2か月ほどかけて妊娠前の子宮の大きさに戻るといわれています。子宮が元に戻る子宮収縮については、母乳を授乳することによって促進されることが知られています。

妊娠中の脂肪の増加

妊娠中には胎児を守るために、母体に皮下脂肪がつきやすくなります。皮下脂肪は、お腹周りやお尻、太ももにつきますが、出産したらその脂肪が体から消えてなくなるわけではありません。そのため、積極的に脂肪を減らす行動をしないと、お腹周りなどに脂肪が残ってしまうのです。

筋力の低下

妊娠してお腹が大きくなるにつれ、お腹の前側にある腹直筋が伸びて開きやすくなります。 また、お産が近づくと、出産のためにホルモン分泌され、その作用により骨盤が開いたり、筋肉をゆるめたりすることで出産しやすくしているのですが、そのホルモンの分泌が産後にも影響し、腹筋やじん帯をゆるめます。そのため、通常は縦に閉じている腹直筋が、左右に割れたように開いてしまう現象が起きます(腹直筋離開といいます)。お腹の前側の筋肉が開き、腹筋がうまく働かない状態になるため、お腹の脂肪が目立つようになるだけでなく、お腹にある内臓が本来の位置より下に落ち込んでしまう内臓下垂が起こり、お腹が出てしまう原因になっています。腹直筋離開は、元に戻るのに1年ほどかかるといわれています。

産後の食生活にも関係がある?

産後、過食になる女性が多くいるそうです。慣れない子育てと自由が利かない生活でのストレスで、食べることでストレスを発散しようとしてしまいがちです。併せて、母乳を与えると、1回あたり約600kcalを消費するといわれています。そのため、授乳期の女性はとにかくお腹が空いてしまうもの。間食などを習慣にしてしまうと、子どもの授乳回数が減っても食事量が減らず、結果的に太ってしまうということも起こります。

産後、動けるなら運動してもいいの?

産後のお腹のでっぱりは、なるべくなら早く引っ込めたいと思うもの。しかも産前は運動不足になりやすく、産後に「体がなまっている」と感じる方もいるかもしれません。しかし、「産後すぐ」に自分のお腹を引き締めるための筋トレや運動は、かえって母体を痛めつける結果になってしまうのでNG。特に産褥期(さんじょくき)といわれる産後1、2か月程度は、母体の回復に専念しましょう。まずは先述の通り、子宮の大きさを元に戻すことが先決です。

母体の回復を促す運動

子宮を妊娠前の大きさまで戻し、母体の回復と健康に保つために、出産当日からできる産褥体操というものがあります。無理のない範囲で行うとスムーズな体の回復が見込めます。産後の時期に応じて負荷をかけていくようにしましょう。(帝王切開をされている方や出産時に異常があった場合は、実施前に必ず医師に相談してください。)

出産当日

◆深呼吸 寝たまま行います。肺で呼吸する胸式深呼吸と、お腹を膨らませる腹式深吸を行います。いずれもゆっくり息を吸い、ゆっくり吐き出します。回数などの目安はありませんが、体調がよく、身体が比較的楽な時に行いましょう。

◆足先の運動 こちらも寝たまま行います。かかとは床につけたまま、足先を上に向けたり、ぴんと伸ばしたりする動きを繰り返します。

産後2日目

◆頭を起こす運動 寝たまま首に力を入れ、頭を起こします。その後ゆっくり頭を戻します。

◆肛門の引き締め運動 寝たままお尻や肛門に力を入れて引き締めたりゆるめたりを繰り返します。この運動は、ゆるんだ骨盤底筋(骨盤の下にある筋肉で産後にゆるむ事で、尿漏れなどを引き起こします)の回復や、脱肛にも役立ちますので、継続して行うとよいでしょう。

産後3~4日目

◆腰を浮かす運動 寝たまま膝を立て、腰を浮かせます。腰を高く上げすぎると体に負荷がかかりすぎるので注意しましょう。

◆足を上げる運動 寝たまま膝を立て、膝を曲げたまま片足ずつ足を上げます。かかとが反対側の足のひざの高さにくるくらいまで上げてみましょう。

産後1か月頃から

◆腹筋で起き上がる運動 お腹に力を入れ、腹筋を使って寝ている状態から体を起こす練習をしてみましょう。腹直筋離開が起こっていると、お腹に力を入れて起き上がることですら困難です。1日のうちの数回から始めてみて、徐々に腹筋だけで起き上がれるように練習しましょう。

◆自転車こぎ運動 寝たまた足を上げ、自転車を漕ぐように足を回す運動です。

◆骨盤運動 寝た状態で、膝を立てて足を肩幅くらいに開きます。手はからだの横にまっすぐに置き、腰を浮かせます。胸から立てている膝までが一直線になるように腰を浮かし、ゆっくりと戻します。呼吸をしながら行いましょう。

まとめ

出産後は子ども中心の生活になりますが、自分のからだをいたわる時期でもあります。しかも出産後は思うように体を動かすことができないほど、出産は身体に負担をかけています。しかし、だらだらと漫然に過ごしてしまうとかえって回復に逆効果。出産時に問題がなく、経過もよいようであれば、産褥体操から取り入れて、体を動かすことに慣れておきましょう。産後1~2か月は自分の体型が気になるところですが、徐々に元通りに戻るものもあります。まずは回復に努め、普段通りの生活が送れるようにすることから始めてみてください。

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