ピーリングはひとつだけじゃない!?ピーリングの種類と、その使い方について

ピーリングはひとつだけじゃない!?ピーリングの種類と、その使い方について

スキンケアのひとつに”ピーリング”というものがあります。お肌のターンオーバーを利用して角質を除去し、美しいお肌を手に入れることができます。
実はピーリングにはいくつか種類があり、始める前に自分に合ったピーリングを見つけてみましょう。

ピーリングとは?

ピーリングとは、薬剤を用いて皮膚表面の余分な角質を除去することで、肌のターンオーバーを促す施術です。
肌のターンオーバーはホルモンバランスや加齢、ストレス、紫外線の影響、化学物質など外的要因によって、サイクルが乱れやすく、本来は剥がれ落ちていくはずの不要な角質が肌表面に蓄積してしまいます。洗い方が不充分であったり、寝不足が続いたり、環境の変化でストレスを感じたりなどで、皮膚が固くなっている人も多いかもしれません。これが肌のくすみやしみ、にきびの原因となります。
ピーリングを定期的に行うとターンオーバーが整い、新陳代謝を促し、しみや小じわの改善、予防、にきびの改善、毛穴のつまりの除去、黒ずみの原因となるメラニン色素の排出も促され、症状の改善が期待できます。キメも整い、お化粧ノリもアップします。

“ピーリング”と聞くと、無理やり剥がすようなイメージがあるかもしれませんが、最近では、フルーツ酸と呼ばれるAHA(グリコール酸)や、角質柔軟効果の高いオイルなどを配合した、肌に優しい“ソフトピーリング”が主流となっています。固くなった不要な角質を取り去るスクラブ洗顔のようなものから、塗るだけでターンオーバーを促す化粧水までさまざまな種類があります。
また、ピーリングは自宅でできるホームピーリングと医療機関で受けるケミカルピーリングに分けられます。

相性によっては炎症などの肌トラブルを起こすこともあるため、期待する効果を知って自分の肌悩みにあったピーリングで美肌を目指していきましょう。

ホームピーリング

自分でできるピーリングには、ジェルやクリーム、石鹸など様々なタイプがあります。またクレンジングを兼ねたアイテムもあり、メイク落としのついでに角質ケアできます。ホーム用のピーリング剤は日本人の肌に合うフルーツ酸が含まれたものが多く、肌へのダメージが少ないことが特徴です。自宅で行えるピーリングのレベルは、トラブルを考慮した弱い薬剤を使用するため、自己ケアの範囲での効果です。
シミや黒ずみ、ニキビ跡などメラニン色素の沈着が原因の場合も同様に、ジェルやクリーム、石鹸などでケアしましょう。


◎自宅で使うピーリング剤の有効成分の主だったもの…AHAとBHA 
AHA>
アルファヒドロキシ酸といい肌表面の角質を除去し、リンゴ酸やクエン酸などの天然由来の成分で、肌にやさしく作用することが特徴です。 そのため「フルーツ酸」とも呼ばれます。AHAによる刺激は、BHAに比較すると穏やかです。国内で生産・販売されるピーリングアイテムは、基本的にこちらの「AHA」を使用しています。

①グリコール酸(ヒドロキシ酢酸)…主にサトウキビ・テンサイ等、砂糖を作る植物から抽出されます。
②乳酸( 2-ヒドロキシプロパン酸)…ヨーグルト、サワーミルク等の乳製品から抽出されます。
③酒石酸(タルタル酸)…ブドウやワインから抽出される成分です。
④クエン酸…柚子・グレープフルーツ・レモン等からの抽出の他、デンプンや糖を発酵させて作ることもあります。
⑤リンゴ酸(オキシコハク酸)…リンゴから抽出される成分です。

<BHA
ベータヒドロキシ酸といい毛穴の奥につまった皮脂を除去し、サリチル酸エタノールやフェノールなどの医療機関でも使用される成分で、強い効果を発揮します。 ただしその分副作用も強く、デリケートな東洋系の肌には合わないとも言われています。 またトリクロロ酢酸等の一部のBHAは劇薬指定がされており、国内ではほぼ市販されていません。
並行輸入品・お土産品等の海外製品の中には、「強力ピーリング」と謳いBHA成分が多量に含まれることがあります。 重篤な炎症を起こす可能性もあるため、成分チェックをよく行い自己判断での使用は避けましょう。

①サリチル酸(サリチル酸マクロゴール等)…アスピリン等にも使用される成分で、タコやウオノメ対策薬にも用いられます。サリチル酸マクロゴールを使ったピーリングは「マクロゴールピーリング」と呼ばれることもあります。
②トリクロロ酢酸…カルボン酸の一種で、シワ取り・イボ取り等の美容整形手術等にも用いられます。


肌にやさしく作用させたい場合はAHAを、強い効果を得たい場合はBHA配合のものがおすすめですが、効果が強い分BHA配合のものは取り扱いが難しいため注意が必要です。くすみや毛穴の黒ずみ、ニキビの予防や改善、シミやニキビ跡などピーリング剤により得意とするものがありますので、目的に合わせての選び方もおすすめです。

お手入れの頻度は7~10日に1回程度が目安ですが、使用するアイテムによって異なるので説明書きの指示に従って使うことが大切です。ケミカルピーリングよりも使用頻度は多いですが、通院の必要がないため忙しい方でもケアが可能です。

ホームケア用のピーリング剤は、さまざまな種類があり、その種類は以下の通りです。

洗顔石鹸タイプ

手軽で扱いやすく人気のピーリングは、洗顔石けんタイプです。刺激が低くお肌に優しいので、乾燥肌や敏感肌の方、ピーリング初心者でも安心して使えます。ピーリングの有効成分が洗顔フォームや洗顔石けんに配合されているので、洗顔と同じ感覚で毎日使えるものも多く、同時にピーリングもできるためとても便利です。 また、泡切れが良いためピーリング成分が肌に残りにくく、後の刺激となる心配も低いと言えるでしょう。 

しかし洗顔前に顔を水で洗う必要があるため、酸性成分が薄まることがあります。 ピーリング作用が弱まる分、定期的に継続してケアする必要があり、効果を感じるまでに少し時間がかかる傾向も見られます。
かといって、いつもの洗顔と同じ感覚で口元・まぶた等のデリケートな部分もしっかりと洗いすぎてしまい、かえって刺激となる人も少なくありません。低刺激とは言え、「角質を溶かす」という酸性刺激があることに変わりはありませんので、洗顔時には注意しましょう。 

フォーム状や固形と形状、価格帯も幅が広く種類も豊富で、使いやすいものが選べるのも魅力的です。使用頻度や形状、価格などのご自分のニーズに合わせて選んでみましょう。

ジェルタイプ

クリームやジェル状でスクラブ(ポリマー粒子)が配合されているものが多くなっています。肌に塗ってマッサージをすると、ポロポロと消しゴムのカスのようなものが出てくるのが、塗ってから擦って落とすタイプのピーリングの特徴です。 濡れていない肌にも塗布できるため酸性成分が肌で働きやすく、効果を比較的早く実感しやすいです。

効果が表れやすい分、刺激が強いので、乾燥肌や敏感肌にはオススメしません。拭き取る際の摩擦による刺激が大きいほか、成分が肌に残りやすく、ピーリング後の肌が余計に敏感になる恐れがあります。 負担が大きいと感じたら事前に肌を濡らしたり、時間を短縮するといった方法を取りましょう。

洗顔石けんタイプにくらべてピーリング効果が高く、週に1回のスペシャルケアとして使用する製品が多く販売されています。お風呂で手軽に使えるものが多いことがおすすめのポイントです。 

液状タイプ

化粧水や美容液のような液状のピーリングで、洗顔石けんタイプのように泡立てる必要がなく、塗って水に流すだけですので手軽に使えて人気です。洗顔石けんタイプにくらべてピーリング効果が高く、週に1回のピーリングで良い製品が多く販売されています。 

また、ジェルタイプに比べ、肌に対しての刺激が少ないことも魅力です。洗顔石けんタイプに物足りなくなってしまった方や、擦るようなジェルタイプに不安がある方におすすめです。お風呂などでも使用できるので、いつものバスタイムに入れ込みやすいです。

洗い流さないタイプ

洗顔後のケアとして化粧水などと同時に使用し、洗い流したりふき取ったりする必要がない、とても手軽なタイプで人気のピーリングです。塗ることで角質をやわらかく、はがれやすくするため、ピーリングの効果が出るまでに時間がかかったり、弱いといわれています。 
しかし、次に使う化粧水や美容液の浸透を良くしてくれるピーリングのメリットがあったり、洗顔石けんタイプよりもさらに低刺激ですので、敏感肌の方におすすめです。

使い方〜ピーリング石鹸の場合〜

製品によって変わる場合もありますが、ほとんどのピーリングは
クレンジング→洗顔→ピーリング→化粧水→美容液の順番で行われます。中にはピーリング後に洗顔する製品もあります。 
ピーリングには様々な種類がありますが、今回はピーリング石鹸の使い方について説明していきます。


①準備
ぬるま湯(35℃程度)で顔全体を濡らします。ネット等を使用して石けんをしっかりと泡立てます。 製品によっても変わりますが、ピンポン玉2個~3個程度の泡を使うのが平均的です。

② Tゾーンから洗う 
もっとも角質が溜まりやすい、皮脂や汗などが多く出る額や鼻などのTゾーンに泡を乗せて、クルクルと円を描くように洗っていきます。指に力を入れず、優しくマッサージするように洗いましょう。

②皮膚の薄い部分を洗う
皮膚が薄い頬~顎・額は、より優しい洗い方を心がけましょう。目の周辺・口の周辺は皮膚が非常に薄く弱い場所であるため、この部分には酸性成分を触れさせない方が安心です。

③洗い流す
長時間泡を放置していると、角質を除去しすぎることがあります。製品に書かれた注意書きをよく読んで、推奨されている放置時間・洗浄時間を守りましょう。 
30℃程度の非常にぬるいお湯をたっぷり使い、泡を洗い流していきます。泡が残るとピーリング成分が刺激となって肌荒れの原因になることもあるため、すすぎは30回以上行い、しっかりと成分を落としてください。 

④仕上げ
清潔で、柔らかい肌触りの綿のタオルで顔の水分を優しくに取ります。角質が取れ肌がピーリングで敏感になって傷つきやすいため、タオルでゴシゴシこすらないようにしてください。この後、すぐにアフターケアに入りましょう。

アフターケアについて

ピーリング後の刺激となるような、作用が強い成分が入った美白化粧水やアンチエイジング化粧水、アルコール配合量が多い化粧水は避けた方が良いでしょう。 
保水成分であるヒアルロン酸(ヒアルロン酸Na)やセラミド(細胞間脂質)、リピジュア(R)等の保湿成分をメインとした無添加系の化粧水で、たっぷりと水分補給を行ってください。 ただし、その際パッティングは刺激となるため控えましょう。

実は、美容液の有効成分も、デリケートな肌には刺激となることがあります。 
ピーリング後24時間~48時間は美容液使用は避けて、「化粧水+乳液+クリーム」もしくは「化粧水+クリーム」のシンプル保湿がおすすめです。
またピュアオイル等を使用すると、ピーリングで一時的に開いた毛穴にオイル成分が入り込み、酸化脂質となることがあります。 化粧水同様、保水成分を多く含む肌に穏やかな保湿クリームを使用しましょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは医療機関で行われるピーリングのことで、ホームケア用のものよりも強力な薬剤を使います。使用する薬剤は、フルーツ酸やサリチル酸、トリクロロ酢酸など様々です。肌のコンディションや肌トラブルの状態に合わせて濃度を変えたり、複数の薬剤を混ぜ合わせたりします。
ホームケアのアイテムに用いられていることが多いフルーツ酸によるケミカルピーリングは、日本人の肌に合うため多くの医療機関で使われています。

施術の頻度は肌の状態で変わるため、医師の指示に従って受けるようにしましょう。クレンジング、洗顔後に薬剤を塗り、所定の時間後にふき取って中和し、水で洗顔するか氷水で冷やします。医療機関によって方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。

ケミカルピーリングは、ホームケアのピーリングよりも高い効果が期待できます。しかし、費用が高くなることや、施術後に赤みや乾燥、水ぶくれや小さな傷などの症状がでる可能性があることなどのデメリットもあります。
そのため、人に会う前にケミカルピーリングをするとなんらかの症状が出てしまった状態で会うことになってしまうので、2~3日の休みがあるタイミングで受けると安心でしょう。

施術の流れ

クリニックによって施術の流れは異なるので、事前に確認しておくと安心でしょう。以下、ケミカルピーリングの施術の流れになります。

①カウンセリング
自分が行いたいケミカルピーリングの希望を伝えます。クリニックからはケミカルピーリングの最適な施術、治療法のアドバイス、リスクなど説明があります。

②クレンジング
クレンジングと洗顔を行います。顔以外の部位は、日焼け止めや汚れを落とします。クレンジングや洗顔料はクリニックでも用意されていることがあります。

③施術
余分な皮脂を取り除き、清潔な顔にピーリング剤の塗布していきます。所定の時間後に薬剤を拭き取り、中和し、水で洗顔します。

④仕上げ
肌が熱を持っていたら鎮静させるパックでクールダウンします。終了後にスキンケア、日焼け止めの塗布を行います。

施術後の注意点

*クリニックでのケミカルピーリング後は、ホームケアよりもお肌が敏感になっています。毎日の保湿ケアと紫外線対策をしっかりと行うことが大切です。

*皮膚に赤みが出たり、乾燥が生じたりすることがありますが、数日後に改善することがほとんどです。小さいかさぶた、水ぶくれや浅い傷などの症状が長く続く場合は医師に相談しましょう。

*施術前後3日間のかみそりの使用、前後1週間のピーリング作用のある化粧品や洗顔などの使用は控えましょう。

*施術後1週間は必ず紫外線対策を行ってください。

*施術後当日のメイクは可能ですが、メイク落としに負担のかかるようなメイクは控えましょう。

*医療機関でサリチル酸によるケミカルピーリングを受けた場合は、化粧品とピーリング剤が化学反応を起こすことがあるため、医師の指示に従い、正しいケアを行ってください。

まとめ

「ピーリング」と一口に言っても、様々な種類があることがわかりました。
また、家でセルフで行えるホームピーリングと、医療機関で行えるケミカルピーリング…どちらで受けるかだけでも効果に違いが出てきます。

乾燥肌を改善するためにピーリングを自宅で行うのが不安という人は、クリニックでプロに施術してもらうのが最も安心な方法です。クリニックで行われるものは、肌トラブルにあわせて、化粧のりが悪い人や加齢によるしわで悩む人にも効果的といえます。
ホームピーリングは手軽さが最大のメリットですが、行う際は使用手順や注意事項をきちんと確認して正しい方法で行いましょう。通院の必要がないため忙しい方でもケアが可能ですが、大きな効果を得たい場合にはケミカルピーリングがおすすめです。

どちらにしても、適切な頻度で継続的にケアすることでシミや黒ずみ、ニキビなどの改善が期待できます。ピーリング後は肌が敏感になっているので、入念な保湿ケアと紫外線対策を心がけ、洗顔も肌を刺激しないように優しく行ってください。

自分に合ったピーリング方法で美しいお肌を手に入れましょう!

スキンケアカテゴリの最新記事