肩甲骨を柔らかくしよう!

肩甲骨を柔らかくしよう!

前屈で床に手がぺたっとついたり、足が180度開脚できたり、身体の柔軟性については「柔らかい方がいい」と言われますが、肩甲骨の柔らかさについて聞いたことはありますか?寒い時期、身体がこわばりがちになってしまいますが、肩甲骨をほぐして柔らかくすることで、実はさまざまなメリットが得られるのです。

肩甲骨を柔らかくするメリット

背中の肩周辺にある、三角形の骨を肩甲骨といいます。腕を後ろに動かしたときに、背中に「天使の羽」のように左右に浮き出る骨です。今回は肩甲骨とその周辺の筋肉をほぐすと得られるメリットをご紹介します。

肩こりや首こりの解消

肩こりや首こりは、長時間同じ姿勢でいることによる筋肉の緊張や、血行不良が原因になっていることが多いと言われています。肩こりの解消には、筋肉の緊張をほぐすことにありますが、肩こりの原因となる筋肉は、実は首よりも肩甲骨につながっているのです。そのため、肩甲骨を動かすことにより、肩や首周辺の筋肉が動いてほぐれ、血行が促進されることから、こりの解消につながります。そして、肩甲骨周辺の筋肉を日頃から動かす習慣がついていれば、肩こりや首こりが日常的に起きにくい身体を作ることができるのです。

姿勢が改善される

実は日本人の多くは猫背と言われており、猫背は肩や腰の痛みにつながるだけでなく、内臓に悪影響を与え、お腹がでることにもつながると言われています。猫背の原因は、肩こりなどと同様で同じ姿勢を長時間続けているから。背中や肩甲骨周辺の筋肉をしっかり動かして鍛え、身体を支える筋肉を作ると、猫背が改善することにも効果があると言われています。

痩せやすい体質に変化する

肩甲骨が柔らかくなるということは、肩甲骨の可動域(動く範囲)が広がるということです。肩回りには大きな筋肉があります。肩甲骨が動くことで周りの筋肉の活動量が増加し、体の代謝がアップするのです。身体の代謝を上げることは消費エネルギー量が増えることになるため、結果的に痩せやすい状態になるのです。

冷え性の改善

肩甲骨の可動域が広がり、筋肉が動くようになると、血行がよくなります。血行がよくなることで、身体の隅々まで血液が通い、冷え性の改善につながります。また筋肉が動くことで発熱しますので、身体をすばやく温めることもできるようになるのです。

怪我をしにくくなる

スポーツをしている人は、肩甲骨を柔らかくすることで可動域が広がり、無理な動きをしなくてもよくなるため、痛めたり怪我をしたりするリスクが下がります。また、肩甲骨と連動して全身の筋肉がスムーズに動くようになり、パフォーマンスの向上につながることもあります。

バストアップにつながる

実は肩甲骨やその周りの筋肉をほぐすことで姿勢がよくなり、胸郭(胸の周りの骨格)が開きます。そうすることで、ハリのあるバストを作ることができます。また姿勢がよくなることで血行がよくなり、リンパの流れがよくなります。乳腺とリンパには密接な関係がありますので、乳腺の発達を促すことができ、女性ホルモンの分泌に効果が期待できます。

肩甲骨の柔らかさチェック

あなたの肩甲骨はどのくらい動きますか?以下6つの項目で肩甲骨の動きをチェックしてみましょう。ただし、無理に行わないようにし、痛みを感じたらすぐに中止するようにしてください。

肩の上げ下げ

姿勢を正して立ち、すくめるようにして肩を真上に引き上げます。そしてそのまま力を抜いてストンと肩を元の位置に戻します。これを10回程度繰り返して、肩に疲労がたまる場合には、肩甲骨や肩甲骨周辺の筋肉が緊張して固まっている可能性があります。

背中で手が触れる

手を背中に回し、片方の腕は上から、もう片方は下から回して背中の真ん中で指先をタッチします。腕を入れ替えて同様にタッチします。いずれかでタッチできない、または両方タッチできない場合は、肩甲骨の動きが悪いと言われています。

両腕を上げて耳につく

姿勢を正して立ち、両腕を伸ばして水平に広げます。腕を伸ばしたまま頭上に持っていき、頭の上で手を合わせます。両腕が耳につけば、肩甲骨が動いている証拠です。

背中で手を組み、上に上げる

姿勢を正して後ろ手で手を組み、そのまま上に引き上げます。前かがみになったり首が曲がったりせずに、腕を伸ばしたまま60度以上引き上げられればOKです。

肩を押さえ、腕を上げることができる

姿勢を正して立ち、右手で左側の肩甲骨を押さえます。そのまま左腕を身体に対して垂直になるように伸ばして上げます。この際、左手は上を向けます。身体と腕の角度が120度以上になればOKです。反対の手でも同様におこないます。

背中を壁につけて立つ

背中を壁に向けて立ち、後頭部・肩・お尻・かかとを壁につけます。肩をつけると腰が反って、壁と背中の間に大きなすき間ができてしまう場合は、身体にゆがみができており、肩甲骨に負荷がかかっている可能性がある状態です。

もしできないものがなければ、あなたの肩甲骨は柔らかくよく動く証拠です。引き続き適度なストレッチや運動を行い、肩甲骨周りの筋肉がしっかりと動くようにしていきましょう。一方、1つでもできないものがあれば、日々の生活の中で肩甲骨周りが緊張して固まっていることがあるかもしれません。姿勢を正したり、こりを感じる前に動かすようにしたりすることで解消していきましょう。できないものがほとんどの場合は、こりだけでなく、頭痛や吐き気など、その他の体調不良を引き起こしている可能性があります。ストレッチや運動を習慣化し、筋肉を動かして血行をよくするようにしましょう。

肩甲骨を柔らかくする運動

肩甲骨周りの筋肉をほぐすストレッチをご紹介します。継続的に行うことで、徐々に筋肉をほぐすことができます。ただし、急に動かしたり無理に行ったりすると、かえって痛みを強くしてしまう可能性がありますので、いつもと違う痛みを感じた場合にはすぐにやめるようにしましょう。

肩甲骨を動かす運動

  1. 背もたれを使わず椅子に座り、両腕を伸ばして上に挙げます。
  2. 両肘を曲げてゆっくりと腕を下ろします。この時、肘を背中側に引き寄せるようにします。
  3. ゆっくりと肘を伸ばし、両腕を上にあげます。これを5回ほど繰り返します。

背筋が曲がると効果が薄れますので、姿勢を正して行うようにしましょう。

肩甲骨を回す運動

  1. 右手で右肩、左手で左肩に手を添えます。
  2. 肘を前に向かって5回まわします。
  3. 後ろ回しも5回行います。

ポイントは、肘を回すようにすることです。手が肩にあることで、肩甲骨を回す運動が効率よくできます。

タオルを使ったストレッチ

  1. お腹の前でタオルの両端を持ち、腕とタオルを伸ばす。
  2. 腕とタオルを伸ばしたまま腕を上げ、頭の上を通ってタオルが腰に来るように動かす。
  3. 反対の動きで腕を元に戻す。これを5回ほど繰り返す。

最初は長めのタオルの方がやりやすいです。肩甲骨がぐるぐると大きく動きますので、ストレッチや筋肉をほぐす効果が高い運動です。ただし、やや難易度が高い運動ですので、痛む場合は無理にやらないようにしましょう。腕を伸ばしたままできない場合には、以下の運動から行ってみてください。

  1. 椅子に浅めに座り、肩幅でタオルを持ちます。
  2. タオルと腕を伸ばしたまま、腕を頭の上まで持ち上げます。
  3. 肘を曲げ、頭の後ろを通すようにして腕を下ろします。腕の上げ下げを10回ほど行います。

肩甲骨を柔らかくするポイント

最も大切なことは、リラックスして行うことです。肩甲骨が固まってしまうのは、同じ姿勢を続けていることによる緊張や硬直が挙げられます。これをほぐすために行うストレッチですので、まずは気持ちをリラックスさせ、身体も極力リラックスした状態から始めるとよいでしょう。オススメはお風呂あがり。入浴によるリラックス効果と、身体を温めることによって血行がよくなっていることから、肩甲骨をほぐしやすいタイミングだからです。

また、肩甲骨をほぐすことは非常に大切ですが、更に効果を高めるためには、普段の姿勢にも気を付けましょう。せっかく肩甲骨がほぐれても、それ以外の筋肉が発達していなければ、またしわ寄せが肩甲骨に来てしまう可能性があります。姿勢を正すことで、背筋や腹筋も鍛えられ、肩甲骨をほぐした効果が長続きします。

そして、肩甲骨のストレッチは1回だけでなく、継続して行うようにしましょう。特にいつでもできる「肩甲骨を回す運動」などは、仕事の合間でも実施できるストレッチです。「肩が凝ったな…」と思う前に実施すると、こり知らずの身体を作ることができるのです。

最後に

肩甲骨を意識的に動かしてみると、数回ストレッチをしただけで身体がポカポカしてくるのがわかるほど、すぐに効果が表れるものです。寒い時期、特に筋肉は緊張し、固まりやすくなっています。朝起きた時などにストレッチを行うと、目覚めもよくなり、身体を温める効果もあります。是非積極的に行ってみてくださいね!

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