七草がゆの効果がスゴい!今年は食べてみませんか?

七草がゆの効果がスゴい!今年は食べてみませんか?

お正月の習慣の一つに「七草がゆ」があります。習慣としてなんとなく食べているものかもしれませんが、実は美容や健康に大きな効果があるのです!ここでは七草がゆの由来や食べ方、効果などについてご紹介します。

七草がゆとは?

七草がゆは正月行事のひとつとして定着していますが、実は「節句」の一つで、季節の節目として位置づけられた日です。節句は現在5つあり、1月7日の人日の節句、3月3日の上巳の節句(桃の節句)、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕、9月9日の重陽の節句があり、人日の節句は五節句の最初の日にあたります。古代中国では人日の日に7種類の若菜を入れた汁物を食べて、無病息災を願う習慣がありました。これが日本に伝わり、七草がゆを食べる習慣として定着したのです。

七草とは?

七草がゆに使われる七草は、この時期に若菜が生える7つの野菜です。具体的にはせり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろです。七草は、季節の野菜というだけでなく、さまざまな栄養素が含まれているのです。

せり

せり(芹)は、水辺に生える山菜で、競り合うように生えていることからこの名がついたと言われています。せりの「競り勝つ」という言葉をかけて、縁起物とされている食材でもあります。独特の香りが食欲を刺激する効果があり、栄養価が高いことも特徴です。野山に自生していますが、七草がゆを食べるこの時期には芽が出始めた頃ですので、見つけるのは少し難しいかもしれません。

せりにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは活性酸素の働きを抑えることで老化を防止する効果や、コラーゲンの生成を促し、肌に潤いを保つ役割があります。また、せりの葉や茎にはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変わり、活性酸素を抑えて皮膚や粘膜の細胞を正常に保ち、免疫力を高める効果があります。さらに食物繊維も含まれており、腸の働きを整え、便通を浴する働きや、急激な血糖値の上昇を防ぐ働きもあるのです。

なずな

なずな(薺)ははぺんぺん草とも呼ばれ、花の下についている実がハート形をしている草です。道端でよく見かけるこの草が、実は春の七草のひとつで食べることができるものです。

せりと同様、食物繊維が豊富に含まれている他、カルシウムやカリウム、鉄も多く含まれているのが特徴です。カルシウムに関しては、同量のほうれん草の5倍以上含まれています。さらにビタミンKも豊富に含まれ、カルシウムと併せて骨を丈夫にする効果が期待されています。カリウムは体内の塩分排出を助け、身体の水分量を調節する作用があります。そのため、むくみに効果があります。また、鉄は人間の代謝や肌に潤いを保つために必要不可欠な栄養素ですが、特に女性は月経などにより不足しがちな栄養素です。不足すると肌だけでなくストレスの原因にもなると言われていますので、意識的に摂取したい成分です。

ごぎょう

ごぎょう(御形)は、明治時代ごろまで草餅の食材として利用されていました。現在は草餅と言えばよもぎですが、今もごぎょうを使っている地域はあります。ごぎょうはたんぱく質を多く含んでいます。また咳止め・痰きり・など喉の炎症を抑える作用だけでなく、利尿作用があるため、むくみに効果があるとされています。さらに風邪予防や解熱にも効果があると言われています。

はこべら

はこべら(繁縷)は、「繁栄がはびこる」として、縁起のよい植物とされています。効能は七草の中でも多く、中国では薬草として使用されていました。たんぱく質やビタミンB群、ビタミンC、鉄分などを多く含んでいる植物で、炎症を抑える効果があるとされています。また母乳の出をよくする効果があるともいわれています。

ほとけのざ

ほとけのざ(仏の座)は、整腸作用、高血圧予防などがあるとされています。「ほとけのざ」と調べると、紫色の花が咲く、道によく生えている植物が出てくるかと思いますが、こちらはシソ科のほとけのざで食用ではありません。七草として食べられるほとけのざは、黄色の花が咲くキク科の植物(コオニタビラコ)ですので注意が必要です。

すずな

すずな(菘・鈴菜)とはかぶの葉のことを差します。すずなは「神を呼ぶ鈴」として縁起物とされてきました。すずなは食物繊維が豊富で、かぶの白い身の部分と比較しても倍近く含まれています。また、β-カロテンも豊富で、消化の際にビタミンAに変換されることで、鼻・喉等の粘膜が強化され、細菌・ウィルスへの免疫力が高まると言われています。ビタミンC・Eも多く含まれているため、肌の保湿や細胞の活性化、便秘、むくみにも効果が期待できます。

すずしろ

すずしろ(晴白・蘿蔔)は、大根の葉のことです。葉にはビタミンC、β-カロテン、カルシウム、葉酸、鉄分などが含まれています。同量のほうれん草と比較してみても、ビタミンCが約5.5倍、鉄分は約1.5倍、カルシウムは約5.3倍も含まれています。大根の葉は緑黄色野菜に分類されるため、さまざまな栄養素を効率よく摂ることができるのです。また、一般的に知られている緑黄色野菜に比べ、実は栄養価が高いのが大根の葉=すずしろなのです。

お粥の効果

お粥は、胃腸に負担をかけずに、水分と栄養分を身体に運んでくれるものです。消化吸収を促すだけでなく、身体を温める効果もありますので、年末年始の寒い時期、豪勢な食事で疲れた胃腸にはちょうどいいのではないでしょうか。また、七草がゆは朝に食べるのがベスト!身体を温めるだけでなく、柔らかくなったお米は糖が吸収しやすくなることにより、身体も頭もしっかりと目覚めることができます。

また、曹洞宗では、宗祖である道元自身がお粥が持つ効能を「粥有十利」(しゅうゆうじり)といって食事に取り入れてきました。

粥有十利とは

  1. 色 (肌の色艶をよくする)
  2. 力 (気力が増す)
  3. 寿 (寿命が延びる)
  4. 楽 (食べ過ぎず、体が楽になる)
  5. 詞清辯 (血流がよくなり頭が冴え、言葉もなめらかになる)
  6. 宿食除 (胸やけをしない)
  7. 風除 (風邪をひかない)
  8. 飢消 (飢えを満たす)
  9. 渇消 (喉の渇きを潤す)
  10. 大小便調適 (便通がよくなる)

です。昔からお粥は身体によい食べ物として知られていました。体調が悪いときなどに食べるのもうなづけますね。

お粥にはダイエット効果やデトックス効果も期待でき、更に七草を取り入れることで、炭水化物だけでなく、必要な栄養素やビタミンも摂ることができる美容にも健康にも最適な食事になるのです。

七草がゆの作り方

お粥はお米から作る方が、米本来の旨味や甘みを感じることができると言われています。今は炊飯器でもお粥モードがありますので、活用すれば簡単に米からお粥を作ることができます。七草がゆにする場合には、七草は別途茹でて細かく刻み、あとからお粥と混ぜるようにします。またお粥は出来立てを食べるのが最もおいしい食べ方。たくさん作りすぎず、食べ切れる分を作るようにしましょう。

一般的にお米から作ったものをお粥と言いますが、炊いたご飯から作ることもできます。ご飯から作ると、好みの硬さに調節がしやすかったり、手軽にできるというメリットもあります。ご飯から作る場合にも、七草は別に茹で、後で混ぜるようにしましょう。

お粥は、ご飯・水・塩のシンプルな味付けで作りますが、慣れておらず食べにくい場合は、卵を入れたり、水をだしにしたりしてみるのもいいでしょう。ただし味付けが濃すぎてしまうと逆に身体に悪い食べ物になってしまいますので、控えめにすることがポイントです。

最後に

七草がゆは、お正月の風物詩や習慣としての行事や縁起担ぎの意味合いだけでなく、実は身体にとっても良いものです。つい食べ過ぎてしまう年末年始の食事を七草がゆで改め、胃腸の調子を取り戻していきましょう。また七草による健康と美容の力で、2021年を気持ちよくスタートさせましょう!

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