体調と美容に関わってくる「自律神経」の整え方って?

体調と美容に関わってくる「自律神経」の整え方って?

暑い日がだんだん増えてきましたが、それと同時に梅雨の季節も近づいていますね。梅雨になると、体調が優れなかったり気分がいまいち乗らない…というような事はありませんか?梅雨の季節になると自律神経が乱れやすくなってきます。「自律神経」は近年良く知られる言葉となりましたが、美容にも大きく関わってきます。とはいえ、どんな状況で自律神経が乱れたり、整ったりするのかはいまいちわかりづらいですよね。また、自律神経が美容とどう関わっているのかもわかりづらいです。今回は自律神経と美容について解説します。

そもそも自律神経って何?

体調が悪いんだよねーと言うと決まって指摘されやすいのが「自律神経が乱れてるんじゃないの?」です。一度は言われた事があるという人が圧倒的に多いのではないのでしょうか。そもそも自律神経ってなんでしょうか。自律神経とは、体の働きを調整する神経で、例えば体温や内臓などをコントロールしている神経のことです。交感神経と副交感神経の二つから成り立っていて、それぞれがバランスを取って私たちの体を支えています。「自律神経が乱れている」というのはこのバランスが崩れる事によって、体調などに不調をきたしているという事になるんです。

自律神経が乱れるとどうなる?

自律神経が乱れると、健康面だけではなく精神面にも影響が出ます。特徴的な症状としては、倦怠感や不眠、頭痛、食欲不振などで、精神的な症状としては不安感ややる気が出ない、情緒不安定などが挙げられます。これらの症状はなんとなく体調不良というような軽い症状の場合もあれば、起きるのがしんどい・頭痛が治らないなど日常生活に支障をきたすような症状になる場合もあります。また、体調だけではなく、ニキビが酷くなったり顔色が悪い、肌がくすんでいる、体重が増加するなど美容面でも影響が出る事があります。もし原因のわからない体調不良が続いていたり、気分がすっきりしない、肌荒れがずっと治らないなどの症状がある場合は自律神経が乱れている可能性を疑いましょう。症状が酷い場合、所謂「自律神経失調症」となり、ホルモン剤を用いた治療や、不眠を解消する薬などを用いて治療が行われます。また、精神的な症状が重い場合は心理療法が行われる場合もあります。自律神経失調症は誰でもかかるので、普段から自律神経が乱れないよう生活を整える事も大切です。

自律神経が乱れてしまう原因

では、自律神経はどうして乱れてしまうのでしょうか。原因は実は様々あり、その人によって原因が異なります。自分の生活を振り返り、どこに原因がありそうかをチェックしましょう。

気温や気圧による乱れ

季節の変わり目や、梅雨の季節などに多いのが、気圧や気温の変化による自律神経の乱れです。耳の奥にある内耳が気圧の急激な低下または上昇を感じると、交感神経と副交感神経がバランスを乱します。気圧の変化で頭痛を起こしやすいという人は交感神経が活発な状態です。交感神経が活発になりすぎると、痛みの神経を刺激し、頭痛を引き起こしたり、膝が痛くなったりします。こういった症状を「天気痛」「低気圧不調」とも言いますが、こういった不調はそもそも自律神経の乱れからくるものです。低気圧不調は頭痛のほかにも、怠さやめまい、気分の落ち込みなどを引き起こします。昔は天気に左右されなかったのに最近はすぐ天気に左右される…というような人は以前より自律神経が乱れやすくなっている可能性があります。

ストレス

強いストレスが続くと、アドレナリンが分泌され、血圧上昇や覚醒などを引き起こしやすくなり交感神経を優位にします。交感神経が優位になり続けることで副交感神経とのバランスが崩れ、自律神経も乱れてしまいます。ストレスは仕事のプレッシャーや人間関係のような悩みによるストレスはもちろん、夜遅くまで仕事をして脳を使うストレスや、過労、怪我なども含まれます。何に対してどれくらいのストレスを感じるかは個人差があるので、自分がどんなことにストレスを感じやすいのか、苦手と感じているのかを把握することが大切です。

ホルモンバランスの変化

女性ホルモンが直接的に自律神経に影響するということはありません。ただ、女性ホルモンを分泌するように指令を出している脳の機能部分と自律神経の働きをコントロールしている脳の機能部分は同じ箇所になります。女性ホルモンの分泌量の増減によって、機能部分が不安定な状態になると、自律神経にも影響がでます。特に閉経を迎える時期は卵巣から女性ホルモンが分泌されなくなるため、なんとかホルモンを出そうと命令を多発し、のぼせや発汗、眩暈などの症状を起こします。所謂更年期障害は女性ホルモンの分泌が急激に減少し自律神経が乱れてしまう疾患です。更年期障害にならなくても、ホルモンバランスが乱れると近い状態になるので、気をつけるようにしましょう。

不規則な生活習慣

私たちの体は、規則的なリズムのもとで生活をしていて、その生活リズムに合わせて健康的な状態を保つ為に自律神経が働いています。よって慢性的な寝不足が続いたり昼夜逆転の生活が続くと、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなってしまいます。交感神経が優位な時には活動的になり、副交感神経が優位な時にはリラックスした状態となっています。この生体リズムのもとさまざまな器官がその役割を果たしていますが、これが乱れる事により、体調不良や頭痛等様々な不調が症状として現れてしまいます。

喫煙や飲食

タバコに含まれるニコチンは自律神経を刺激する作用があります。また、深酒も自律神経を乱す原因となります。タバコや飲酒の習慣があると、自律神経が乱れてしまうことがあるので注意しましょう。

自律神経の乱れではないことも

甲状腺機能関係の病気などは、自律神経失調症と同じような症状が出てきます。こういった場合は素人では判断しづらく、識別できません。自律神経の乱れかな?と思いつつ、症状が深刻だと感じる場合や、何をしても治る傾向がまったくない場合は病院へ行き、相談しましょう。実は他の病気だったという可能性があります。

不調が続いた時の対処法

自律神経の乱れにより、体調不良が続いている場合は日常生活を改善させて、自律神経を整える事が大切です。

寝る3時間前には夕食を済ませる

自律神経が乱れた時、睡眠の質を改善させる事が大切になってきます。寝る前に夕食が消化されるよう、寝る3時間前までには夕食を終えるようにしましょう。食後もなるべくリラックスできる時間を作り、副交感神経への切り替えがスムーズに行えるようにする事が大切です。

朝起きたら日光を浴びる

朝起きたらまずは日光を浴びる習慣をつけましょう。日光を浴びる事で、体内の「セロトニン」が活性化されます。セロトニンは自律神経を整える働きがあり、日差しを浴びる事で体内時計がリセットされます。自律神経の乱れによる眠りが浅かったり不眠気味の人には特におすすめです。朝は忙しい時間ですが、3分光を浴びて深呼吸するだけでもかなりリラックスできます。

湯船につかる

特に夏にかけて暑くなってくると湯船に入らずシャワーで済ませがちですが、なるべく湯船につかるようにしましょう。この時注意が必要なのは湯船の湯は40度以下のぬるま湯にすることです。そうすることで副交感神経が優位になり、心身がリラックスした状態になって質の良い睡眠にもつながります。熱いお湯が好きという人もいますが、暑いお湯は交感神経が活発になってしまいます。寝る前に湯船に浸かる場合はぬるま湯にしましょう。また、お風呂上がりに水を一杯のむと効果が高まるのでおすすめです。

良質な睡眠

不規則な生活が自律神経の乱れを引き起こすので、良質な睡眠をまず心がけるといのはとても大切な事です。ただ長く寝ればいいという事ではなく、就寝前の体をリラックスした状態にするように心がけましょう。就寝前にスマートフォンやパソコンを長時間見ることは、ブルーライトによってバイオリズムが乱れてしまうため、心身にストレスを与えてしまうとされています。就寝前にスマホを見たり、仕事のメールを返信する…というような事は避けましょう。寝る前は考え事などで頭を使い過ぎるとストレスがかかるので、ハーブティーなどでリラックスし、好きな事をやる時間に充てるのもおすすめです。

セロトニンを作るのに必要な栄養素を取る

セロトニンは体内で貯蔵する事ができないので、食べ物からセロトニンを作る栄養素を摂取しましょう。その中でも、トリプトファンは、セロトニンの材料となります。積極的に摂取すること自律神経を整える効果が期待できるので、意識的に取るようにしてみてください。牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品や大豆製品などに多く含まれています。また、ビタミンB6もトリプトファンと同様にセロトニンの材料になります。ビタミンB6はマグロやカツオなどの魚や、レバー、鶏肉、納豆などに多く含まれています。特にイワシやバナナはトリプトファンとビタミンB6の両方を取る事ができますよ!

カルシウムや食物繊維を積極的に取る

カルシウムはストレス耐性を高めて、神経の働きの緊張をしずめて、精神的なイライラを抑える効果があります。カルシウム不足は精神的にも悪影響を及ぼすので、不足しないよう注意しましょう。乳製品や小魚類、豆腐などの大豆製品、小松菜などに多く含まれます。また、食物繊維は腸の働きを整えるというのは既に皆さん知っていると思いますが、腸の働きが良くなると副交感神経が働きやすくなり自律神経を整えるのに効果的でとてもおすすめです。逆に、便秘や下痢などによって腸が不調な状態ですと、副交感神経の働きが低下してしまいまうんです。食物繊維は腸の働きを良くするだけではなく、美肌効果もあるので、積極的に取りましょう。ゴボウやこんにゃくなどに多く含まれています。

自律神経を乱れないようにする予防法

日頃から自律神経を整えるよう、予防する事も大切です。予防はちょっとした習慣作りでできるので、是非実践してみてください。

朝起きたらコップ一杯の水を飲む

朝起きたらまずコップ一杯の水を飲みましょう。一気に水を飲む事で、胃と腸が刺激されて便通の改善に繋がります。朝水を飲む事で、外に出て活動的になる前にトイレに行く癖もつくのでおすすめです。水を飲んでもお腹が動いている感じがなければ、お腹周りを簡単にストレッチして活性化を促しましょう。

軽い運動をする

適度な運動はストレス解消にもなりますし、内臓の活性化にも繋がります。気分がすっきりすることでストレスの軽減にも繋がります。また、適度な運動により夜眠くなりやすい体になります。いきなりハードな運動をする必要はありません。時間がなかったり運動が苦手であれば、ラジオ体操など短いものでさっと体を伸ばすだけでもいいでしょう。無理せず少しずつからだを動かす習慣をつけることが大切です。

ダイエット中も炭水化物は取る

炭水化物は太るイメージが強く、ダイエット中はまったく食べないという人も多いのではないでしょうか。炭水化物にはトリプトファンやビタミンB6と同様にセロトニンの材料となるため、ダイエット中もある程度の摂取がおすすめです。

まとめ

自律神経の不調は、いつも通り毎日を過ごせるけどなんとなく怠い、というようなものから、布団から起き上がるのもしんどいというような重い症状まで様々です。自律神経が乱れてるというと、軽い感じに捉えやすいですが、症状が重くならないように日常生活のサイクルを整えるようにしましょう。もし、あまりにも体調不良が重かったり治らないと感じた場合は、病院で相談する事も大切です。これから梅雨の季節、なんとなく過ごしにくい日が増えてきやすいですが、リラックスして乗り越えられるようにしましょう。

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