毛のメカニズム

毛のメカニズム

近年、脱毛は幅広い年齢層が行うものとなり、一般化してきました。最近では男性の脱毛も人気が出てきています。
そんなみんなが注目する脱毛ですが、そもそも何故毛は生えてきて、脱毛によって薄くなっていくのでしょう?そのメカニズムに迫っていきます。

何故毛は生えてくる?

体毛には皮膚を保護したり、体温を保ったり、フェロモンを分泌するなど、体のパーツごとにそれぞれ役割があります。
元々原始時代の人は動物のようにフサフサに体毛が生えていましたが、洋服を着るようになったり、冷暖房など環境の整った場所で暮らすようになった現代人の体毛は徐々に退化していきました。
とは言え、今でも私たちの体には毛は生えてきます。女性にとっては腕や脚、脇に生えてくる毛やヒゲは一切必要なく感じる人も多いでしょう。

毛が生えてくる仕組み

体内から酸素・血液の栄養分を毛乳頭が吸収し、毛母細胞が細胞分裂し、メラノサイトがその細胞に色素をつけます。その繰り返しによって毛は作られます。

毛周期

シャンプーやブラッシングをすると、髪の毛が抜けることはよくありますが、1日平均80~100本は自然に抜けていくと言われています。しかし髪の毛が完全になくなることはありません。
毛は常に伸び続けているわけではなく、ある一定期間成長を続け、その後成長を停止し、古い毛が抜け落ちていきます。そしてまた新しい毛に生え替わるという一定の周期を繰り返しています。このサイクルを毛周期(ヘアサイクル)と呼びます。
この毛周期には「成長期」「退行期」「休止期」の3つのステージに分かれています。

◎成長期(3ヶ月~数年)
成長期はまさに、髪が成長する段階です。毛乳頭に分布している毛細血管から栄養を受けて、毛母細胞の細胞分裂が活発に行われ、毛球部で作られた毛はその後、上部へと押し上げられます。
一般的には2~6年で次のステージへと移行していきます。
毛母…皮膚の表面から見える部分は一般的に毛穴と呼ばれています。ムダ毛を処理しても生えてくるのは、この「毛母」という皮膚組織の一番深い部分に毛を作る器官があるからです。

◎退行期(1~3週間)
退行期は、休止期に移行する過程の時間です。毛母細胞は、毛細血管からの血液供給が受けられなくなり、細胞分裂が衰え、毛球が退縮し、完全に退化します。その後、毛は上へと押し上げられていきます。

◎休止期(3~4ヶ月)
毛周囲の最終ステージにあたります。毛乳頭と毛が離れ、毛包との固着がなくなるためシャンプーや摩擦などによって毛は自然と抜け落ちます。そして、休止期を経て再び成長期の準備に入っていきます。

男女や個人で差はありますが、女性の場合、平均的に4~6年で毛周期が一周し、一生においては15~30回ほどの毛周期を繰り返すと言われています。
毛周期は一斉にスタートはせず毛1本1本異なり、「成長期」「退行期」「休止期」のそれぞれのステージにいる毛が混在している状態です。そのため、いま生えている毛がどのステージの段階の毛なのかは、見かけだけでは見分けることはできません。

頭髪の90%は成長期の毛ですが、体毛は成長期の毛が30%だけと言われています。つまり毛は、今生えている毛とは別に、その約2.5倍近くもの量の毛がお肌の下でスタンバイしているのです。この皮膚から出て目に見えている部分を「毛幹」といい、皮膚の中にあって目に見えない部分を「毛根」と言います。

各ステージにおける脱毛

*成長期
毛根にある黒い色素(メラニン色素)に反応して、レーザーの熱が蓄積され、他の皮膚組織にダメージを与えること無く脱毛ができます。

*退行期
退行期に毛を照射すると、毛は抜け落ちても、毛根の持つ毛の再生能力にダメージを与えることはできません。そのため、また生えてくる可能性が高いです。

*休止期
毛が生えていないので、レーザーが反応せず、脱毛の効果を実感することはできません。

このように、確実に脱毛をしていくには、各部位の毛周期に合わせた脱毛スケジュールを組むことが重要となってきます。
脱毛のポイントは、脱毛可能なのはメラニンが沢山ある「しっかりと生えた成長期の毛」だけです。そのため、他の毛穴の毛が休止期の場合、成長期になってしっかりと生えたときにレーザー照射をして脱毛をしていきます。したがって、毛周期も合わせて数回レーザーを当てることが必要となっていきます。

いかがでしたか?お肌を美しくみせる為にしている脱毛には、これだけのメカニズムが働いていました。
いくら退化してきているとは言え、毛が完全に生まれながらにしてなくなることはまだまだ先のようですね…

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