眼瞼下垂法

眼瞼下垂法

普段聞き慣れない人も多い「眼瞼下垂」。瞼が下がって目に覆い被さる状態を言います。ただ印象が悪くなるだけでなく、身体的な症状も現れます。
しかしこれは治すことができます。

眼瞼下垂とは?

瞼が垂れ下がり、上がりにくく、目が十分に開きにくい状態のことです。眼瞼下垂には二種類のタイプに分かれます。
①先天性眼瞼下垂
生まれつき筋肉や神経の状態が良くなく、十分に開きません。特に筋肉(瞼を開く主動筋=上眼瞼挙筋)の成分や全体が欠損していることが多いです。
しかし筋肉や神経の状態が問題なくとも、一重や奥二重の人ははっきりした二重の人と比べると、瞼が開きにくい構造になっています。若い日本人で眼瞼下垂になっていなくても、欧米の基準では眼瞼下になってしまうこともあります。つまり、細目だからといって必ずしも先天性眼瞼下垂というわけではありません。
両目より、片方の目に症状が出ている方が比較的診断しやすいです。

②後天性眼瞼下垂
瞼の支持組織(=骨格)と瞼を持ち上げる筋肉の接着部分が弱まり、筋肉の動きがすぐに伝わらなくなる為に起こります。誰でも瞼板(コラーゲンの塊)と筋肉の接着部分は元々弱く、少しずつ結合が切れていきます。
眼瞼下垂の進行スピードは人によって異なり、同じように進行しても、瞼の構造、目の周りの筋肉バランス、神経細胞間の信号の量、脳の感受性、社会的立場などで様々な症状が出る人、逆に全く出ない人がいます。早い人は10歳になる前から症状が出始めます。
つまり手術など特別な状態の瞼でない限り、成人になるとある程度の眼瞼下垂、またはそれに近い状態になっているということになります。
眼瞼下垂が進行すると上方の視界が悪くなり、顎を上げないと前が見えない程になります。重症化すると指などを使って瞼を引っぱり上げないと目が開かない状態にまでなってしまいます。また、眼瞼痙攣を合併することもあり、そうなると随伴症状の悪化や瞼を開くのも次第に辛く感じてきます。
目を開けようとすると先に閉じる力が働くので、どのようにして開ければ良いかわからなくなる「開瞼失行」という状態も引き起こすことがあります。

眼瞼下垂による症状

①開瞼障害
元々開きが悪い、瞼が下がってくる、瞼が重いなどの症状が見られます。眼瞼下垂でも瞼はしっかり開いている人もいます。そのため。医療機関にかかっても眼瞼下垂と診断されることも時々あります。

②肩こり
瞼が下がることによって顎を上げて視界を良くしようという動きが働きます。また、筋肉の緊張が強くなるので、肩の筋肉に疲労がたまります。腰痛や膝の痛みも引き起こす可能性があり、酷くなると肩から背中にかけて激しい痛みが続くことも。

③頭痛
明らかな原因が不明な頭痛で緊張性頭痛、片頭痛、群発頭痛などがありますが、これらに頻繁に悩まされる人の大半が眼瞼下垂が原因と考えられます。というのも、頭痛持ちのほとんどが眼瞼下垂を正しい方法で治療すると治るからです。

④睡眠障害
寝付けない、眠りが浅いなどの原因は外的要因も多いので、眼瞼下垂が全てではありませんが、これを治療すると眠りが改善される割合が高いです。

⑤めまい
眼瞼下垂でおこる要因はハッキリしていませんが、眼瞼下垂の治療で治ることがあります。メニエール病や良性発作性頭位眩暈と診断されたことがある人も治ることがあります。

上記以外にも、自律神経失調、気分障害、線維筋痛症、顎関節症、成人の非アレルギー性喘息、眼瞼・顔面の痙攣などといった症状の原因が眼瞼下垂によることがあります。

整形による改善法

最近ではメスを使わず、瞼の裏側からのアプローチで眼瞼下垂を治すことができます。メスを使わない場合腫れも少なく、人気のある治療です。
治療することで顔の印象を良くするだけでなく、先ほど挙げたような様々な症状を改善することが期待出来ます。

①全切開による挙筋腱膜前転法
最も多く行われている手術で、対象となる状態も幅が広く、軽度〜重度の眼瞼下垂にだけでなく、正常な開きの瞼を更に大きく開くことも可能です。同時に皮膚の緩みを取ることも可能です。通常は全切開法の二重の手術を併用します。
ダウンタイムは長いです。

②結膜切開による挙筋腱膜前転法
軽度〜中度の眼瞼下垂で、皮膚の緩みを取る必要のない人に向いた手術。正常な開きの瞼を更に開くことも可能です。
同時に二重にする場合、埋没法の二重術が行われます。
全切開法と比べると、ダウンタイムは短いです。

③切らずに糸でとめる手術
軽度の眼瞼下垂の人に対する手術です。正常な開きの場合、または中度以上の眼瞼下垂の人には向いていません。
①②とは違って挙筋腱膜の異常そのものを修復する手術ではなく、ミュラー筋という筋肉だけを縫い縮める手術なので、効果は限定的です。長期的には戻ってしまう可能性があります。
同時に二重にする場合、埋没法の二重手術が行われます。
ダウンタイムは短いです。

まとめ

目を開ける為の眼瞼挙筋の働きが悪くなることで上下の眼瞼の幅が狭くなってしまう「眼瞼下垂」。大きくぱっちりした目元に憧れる女性は多いですが、正常な瞼の開きでなく、このような原因から目元を変えたい人がいます。
眼瞼下垂によって様々な症状を引き起こすこともあるので、気になる方はその症状が重症化する前に眼瞼の手術で改善させるのも1つの手段です。

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