まるで欧米人のような鼻に!鼻中隔延長術

まるで欧米人のような鼻に!鼻中隔延長術

日本人に多い短い鼻や上向きの鼻(ブタ鼻)、又はL型プロテーゼの施術の影響で上に上がっている鼻先を下げたい方は改善したいと思うでしょう。このようなお悩みを解決する、自分の軟骨を使って半永久的に美しくできる「鼻中隔延長術」というものがあります。
一体どのような美容整形術なのでしょうか?

鼻中隔延長術とは?

そもそも鼻中隔とは、鼻腔(鼻のなかの空間)を左右に仕切る壁の役割をしていて、鼻中隔軟骨とも呼ばれています。この壁に軟骨材を移植して延長し、希望する方向に移動した状態で縫いつけて固定するのが鼻中隔延長術です。

日本人に多い、鼻の穴が正面から見えてしまう上向きの鼻(いわゆる“ブタ鼻”)や短い鼻は、鼻先を支えている鼻柱(鼻中隔軟骨)が小さいことが原因で、鼻先が短くなり上を向いてしまいます。鼻中隔延長術は、鼻中隔軟骨をのばすことでこれらの問題を改善し、鼻のバランスを良くし、鼻の印象が大人っぽく上品にすることができます。また、L型プロテーゼの施術の影響で上に上がっている鼻先を下げることもできます。


◎組み合わせ治療
鼻は立体的な部位で、骨、軟骨、皮膚がそれぞれ位置を保ちながら存在しています。そのため、鼻先の形成を行なう場合、鼻中隔延長術だけでは希望通りに仕上がらないことがありますが、他の治療を組み合わせることもできます。
・鼻の印象を小さくしたい…小鼻縮小と組み合わせ
・鼻の印象をスリムにしたい…プロテーゼ隆鼻術と組み合わせ
・鼻先を整えたい…鼻尖形成術と組み合わせ


<おすすめの方>
*鼻先を上向き、又は下向きにしたい
*ブタ鼻を改善させたい
*鼻が短い
*鼻尖と上唇間の距離が長い
*鼻筋が曲がっている
*L型プロテーゼが変形してしまった
*欧米人のようなシャープな鼻にしたい
*ハーフ顔になりたい

使用する軟骨について

①耳介軟骨
耳介軟骨は採取の際、耳介裏側のシワに沿って切除するので傷跡が目立ちません。必要な長さが確保でき、術後の安定性も高く鼻尖が曲がるなどの変形が起きにくいことから、最も一般的に選択される軟骨です。
耳介軟骨は耳の後ろ約2㎝切開し、約25㎜×20㎜の軟骨を両耳から1枚ずつ採取します。変形・機能障害・土台の強度の心配がない範囲で、なるべく大きく採取します。両側から採取した軟骨を2〜3枚重ねして強度を形成します。
<欠点>
軟骨の形が凹凸不正のため、形成に時間がかかります。また、肋軟骨と比べるとボリュームが小さいです。

②鼻中隔軟骨
鼻中隔軟骨は他の軟骨よりも強度が高く、厚さは薄いのに固いので使いやすい材料です。また、鼻中隔軟骨自体を用いるので合理的です。鼻中隔軟骨は鼻の奥にあるため、軟骨採取の際に、新たな傷痕もできません。
<欠点>
鼻中隔軟骨は元々小さいため、必要な長さを確保しづらく、実際の切り出しが難しいです。また、鼻中隔自体が一部欠けることになるため、移植床としての強度が弱まり、鼻中隔自体が変形または陥没のリスクが残ります。過度な採取を行うと術後鼻先が低くなることもあります。

③肋軟骨
バストの下の付け根からバストに沿って切開し、採取します。肋軟骨は採取できる軟骨の大きさが最大であり、非常に強度もあります。
採取する肋軟骨は上から数えて7番目の肋軟骨が一番大きいため、この7番目の肋軟骨を用います。
<欠点>
肋軟骨の採取に時間がかかり、硬すぎる、曲がりやすい、乳房下縁に3㎝ほどの傷痕が残るなどの欠点があります。そのため、耳介軟骨や鼻中隔軟骨が採取できない場合に限って使用するケースが多いです。

※クリニックや状況によっては、インプラントや保存軟骨(他のドナーから提供された軟骨)を使用することもありますが、上記3つを使用するケースがほとんどです。

施術方法

鼻の手術を行うためのアプローチには、鼻孔(鼻の穴)の内側のみを切開するクローズ法と、経鼻柱切開と呼ばれる鼻柱(左右の鼻の間の部分)を横切る切開を加えるオープン法とがあります。

◎オープン法
オープン法は、鼻の穴と、穴と穴の間の鼻柱を切開し、そこから軟骨を挿入します。どんな鼻の方でも施術が正確に行えます。

オープン法で手術を行うことで、鼻先のバランスがきれいに整い、安全かつ確実に手術することができます。安全性と見た目向上の観点から、オープン法で手術を行うクリニックが多いです。

皮膚表面にある鼻柱から切開するので、切開後は傷口が外に出て目立ってしまいますが、シワと同じような傷口であり、術後3ヶ月も経過すると傷口は目立ちにくくなります。

◎クローズ法
クローズ法は、傷が目立たない鼻の穴の片方から切開し、そこから軟骨を挿入します。

鼻の手術のほとんどはクローズ法で可能ですが、鼻中隔延長術は、移植軟骨を固定する際に鼻中隔の延長方向と距離、位置を慎重に検討する必要があり、この作業を正確に行うためには、オープン法が適切です。
また、クローズ法の場合、鼻の穴が小さい方は施術がかなり難しく、移植がスムーズにいかない場合もあり、左右のバランスを整えることが難しかったり、鼻先が傾きやすい等といったデメリットがあります。

施術の流れ

①カウンセリング
医師と鼻の悩みや希望について話し、それを踏まえた上で最適な手術方法や、鼻だけでなく顔全体のバランスをみながらデザインをシュミレーション・決定していきます。

デザインの際には、鼻中隔を支点として、延長する方向や長さを決めます。不格好にならないよう基本的には鼻背(鼻筋)とほぼ並行に延長させます。同時に、延長の度合いが過剰、または不足とならないような長さの調整も必要です。
あまりに無理をすると鼻尖が曲がってしまうことがあるので、延長する長さにはこだわり過ぎずに、適度かつ控えめな延長にとどめることが美しい鼻を実現させます。

<延長する方向による効果>
・前方に延長…長さを変えず鼻先を高くする
・斜め下方向に延長…鼻先の高さ、長さを出す
・下方向に延長…高さを変えず鼻の穴を隠す

②マーキング
細かい部分を確認しつつ、カウンセリングで決定したデザインに沿って切開線のマーキングをします。

③麻酔
手術は4〜5時間と長時間に渡るので、局所麻酔ではなく静脈麻酔・全身麻酔を行います。

④軟骨の成型
鼻に挿入する軟骨を生成します。
(インプラントや保存軟骨を使用する場合はこの工程はありません)

⑤手術
鼻柱および鼻腔内側を切開して、鼻翼軟骨と鼻中隔軟骨を露出させます。その後、使用する軟骨を延長したい方向に鼻中隔軟骨に縫い付け、延長した鼻中隔が曲がらないように、軟骨を用いて、延長した軟骨を支えます。延長した鼻中隔に合わせて大鼻翼軟骨を縫い付け、形を整えて手術は完了です。

⑥術後
手術後は手術部分を冷やし、腫れを最小限に抑えます。基本的には日帰りで受けられますが、クリニックによっては入院が必要です。
また、血腫を防ぐためのチューブを鼻孔へ挿入、ギプス(シーネ)やテープでの固定、軟骨を採取した場合にはガーゼや包帯での固定を行います。

⑦抜糸
約一周間後に抜糸とチューブやギプスなどの除去を行います。抜糸と固定の除去を終えたら、メイクや洗顔は可能となります。
その後は経過観察として、クリニックの指定するタイミングで数回通院します。

注意点・リスク

*腫れや内出血は約1〜2週間ほどで引き、傷跡は3ヶ月~6カ月くらいで目立たなくなります。

*術後は鼻先の感覚が鈍くなったり硬くなりますが、徐々に消失していきます。

*鼻先の浮腫みが完全に引くのは3ヶ月以上かかることがあります。

*術後数日間は、鼻の傷より出血が続くことがあります。

*変形等の恐れがあるので、術後は鼻に強い力を与えないよう注意しましょう。寝る時も、うつ伏せや横向きの姿勢は控えましょう。

*鼻の中から出血することがありますが、鼻の中に指は入れないようにしましょう。鼻はかんだりせずに、優しく拭き取る程度にしましょう。

*鼻の組織の安定には約3週間程かかります。それまでは眼鏡の長時間の使用・飲酒・喫煙・運動・サウナ・マッサージ等は控えましょう。

*自家軟骨移植の場合には、術後経過とともに少々変形する場合があります。

*鼻中隔延長術は、鼻の構造を根元から組み替える手術になるため、他の手術に比べると身体の負担も大きくなることを覚えておきましょう。

まとめ

特に日本人に多い鼻の悩みは様々ですが、欧米人のようなスッキリして鼻筋の通った鼻に憧れる人は多いでしょう。美しい鼻は顔の印象を大きく変えてくれます。

鼻中隔延長術で使用する軟骨は、自分の体から採取するので安全性も高く、鼻の整形術の中でも人気の施術です。延長する方向も自由なので、自分に合った鼻を作ることができます。

移植で大掛かりな手術であり、術後のケアも要必須ではありますが、今まで叶わなかった理想の鼻を手に入れたい方は是非検討してみてはいかがでしょうか?

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