でべそのせいで、人前でお腹を出すのが恥ずかしい…なんてお悩みをお持ちではありませんか?
実はでべそは、切除してキレイな形に整えることができるのです。
”でべそ”とは?
そもそもおへそとは、赤ちゃんが生まれたときにお母さんと繋がっていた臍帯(へそと胎盤をつないでいた管状の組織=へその緒)といわれている部分が残っている部分です。
通常は切断された後に、乾燥脱落した断端が収縮して陥没した状態となります。
しかし、陥没せずにおへその中央が盛り上がり、前方に突き出てしまった状態のことを「でべそ」と言います。
つまり、小さい頃から、または出産を機におへそが突き出てしまうのです。
基本的には生まれつきであることがほとんどではありますが、火傷等の外傷や病気で腹水が溜まることによる圧力が原因で、成人してからでべそになってしまう場合もあります。
でべそだと、おへその形の悪さにコンプレックスを感じる方が多くいらっしゃいます。そのため温泉や海、プールなどといった、お腹を出すきっかけがある場所で、人の目についてしまうことが気になってしまいます。
でべその悩みは女性に限らず、男性にも多く見受けられる症状です。
◎「でべそ」のメカニズムとは?
臍帯が腹腔内から体外に出る部分は臍輪と呼ばれています。臍輪は、硬い線維からなっており、臍帯の周囲をしっかりと輪状にとりまいています。
それによって腹腔内容(胃や腸)が体外に飛び出ないように維持しています。
先天性(生まれつき)の場合、ほとんど小児期に正常の陥没した臍となります。しかし、一見治ったようでも臍輪は薄く脆弱であり、成人になっても、妊娠や肥満が原因で腹腔内圧が上昇すると、臍ヘルニアを生ずることがあります。
成人例では、腹腔内圧上昇の原因がなくなっても、改善せずにヘルニアが残存する場合があります。
でべそには、生まれてきたばかりの時にへその緒のあった部分が上手く閉じなかった場合に起こる「臍(さい)ヘルニア」と、へその皮膚だけが突き出た状態の「臍突出症」の二種類があります。
臍ヘルニア
通常、赤ちゃんのへその緒が取れた後、徐々に穴(臍輪)が閉じます。
しかし、臍帯が完全に閉じないで腸や脂肪など腹腔内容が腹膜に包まれた形で飛び出している状態を「臍ヘルニア」と言います。別名「脱腸」とも呼ばれています。
赤ちゃんの場合は1才までに約90%が治るので経過観察しますが、2才を過ぎても治らない場合は手術を行います。
治療をせずに放っておくと、臍のふくらみが大きくなり、痛みなどの症状を伴うようになってきます。臍のふくらみは腸管などのおなかの中の臓器が脱出して起こりますが、ふくらみが元に戻らなくなって痛みや吐き気を伴うことがあります。場合によっては、嵌頓(かんとん)といって脱出した臓器が戻らなくなって壊死してしまい、緊急手術が必要となる状態になることもあるので、原則的には手術を受けましょう。しかし臍ヘルニアで嵌頓を呈することは極めて稀です。
臍ヘルニアの場合は、形態だけでなく機能的な理由により手術を必要とするので、病気扱いとして健康保険の対象となります。
生まれつきのケースが多いですが、女性は妊娠・出産により皮膚が引き伸ばされてでべそになったり、妊娠による腹部への負荷で臍ヘルニアを発症する場合があります。他にも、加齢や手術などによって腹壁が弱くなって後天的に起きる事もよくあります。
また、筋膜の代謝異常(コラーゲン、エラスチンなど)との関連が示唆されています。
=施術=
基本的には”突び出した部分の処理”をしたあと、陥没した臍を作り直します。
臍ヘルニアの箇所の皮膚を切開し、ヘルニア門を出します。腹直筋の部分の腹壁の筋膜を縫合し、ヘルニア門を閉じて皮膚を縫合します。
腹膜の下の腸が押し出されて出てくるものなので、腹膜と腸管を腹腔内に戻し、原因となっている腹壁の裂け目を縫合して修復をする整復が必要となります。
へその下にあるヘルニア門という小さな穴から、へその出っ張っている部分に腹水(お腹の中の水)や腸が入り込んで膨らんでいます。その腹水や腸が入り込まないように施術します
臍突出症
臍の穴(臍輪)は閉じているのですが、臍が陥凹しないで突出した状態を「臍突出症」といいます。単なるでべそに値し、皮膚と皮下組織が突き出しているだけなので、臍ヘルニアのような危険性や健康への害はありません。
しかし、皮膚が余って突出しており見た目が悪く、多くの方はこのタイプの症状です。
一般的なでべそは機能的には障害がないため、形態的な改善のための手術です。
そのため、臍突出症の手術は、いわゆる”美容形成手術”に該当するので、残念ながら保険適応にはなりません。
=施術=
お腹の中とは関係していないので、理想のへその形になるようメスを使って余分な組織を切除して縫合する簡単な施術です。
余分な皮膚の切除とともに皮下の瘢痕組織を取り除き、皮膚を薄くして、形を整えながら深さが出るように底の腹壁に縫合固定をし、へそをつくり直します。
見た目が気にならなければ手術をする必要はありません。
施術法
でべそと一言にいっても、術式に違いがあります。
しかし、いずれの場合の施術も、カウンセリングで医師と決めておいたおへその形やシワなどのデザインに沿って切開し、それぞれの皮弁を折り畳んでくぼみを作ります。余った皮膚を適宜切除しながら縫合していきます。
施術によって臍ヘルニアはもちろん、見た目もキレイにすることができます。
理想のおへそはモデルのような縦型にくぼむ形であり、この形はウエストラインをすっきりと見せるため、人気があります。
そのため、施術ではたて長で深いおへその形成を目指しますが、皮下脂肪の少ないやせ型の子供さんは難しいです。
施術をすることで悩んでいたおへその形を、すっきりとキレイな形にすることが可能です。特に女性は美意識の高さから、へそをキレイに整えようとする方が増えています。
治療をすれば不安や悩みの解消となり、様々な場面でおへそを気にすることなく過ごすことができます。理想のおへそになることで、自分の体に自信を持てるでしょう。
治療はへその中で行われる上に、へそは元々シワが多い部分でもあるので傷跡が目立つことが無く、キレイに完成されます。また、一度形成されたおへそは、ほぼ半永久的に持続します。
ただし、臍ヘルニアの場合は妊娠や加齢によって再発する事が絶対にないとは言いきれないことを知っておきましょう。
<おすすめの方>
*でべそを治したい
*温泉や海、プールで人目が気になる
*でべそを笑われた
*身体検査の時が恥ずかしい
*おへその形を整えたい
*へそピアスなどのおしゃれをしたい
*出産したらでべそになってしまった
*肥満ででべそになった
*ビキニが着れない
施術の流れ
「臍突出症」「臍ヘルニア」はそれぞれ手術方法や金額は異なりますが、いずれもへその中での切開になるので、傷が表面に出て目立つ心配はありません。
また、「臍突出症」は日帰り手術となり、「臍ヘルニア」は入院治療となります。
①カウンセリング
医師がでべその状態を確認し、必要に応じて画像の検査を行います。
②麻酔
局所麻酔を行います。クリニックによっては、希望に応じてり静脈麻酔・全身麻酔を併用し、寝ている間に手術を終わらせることも可能です。
「臍突出症」の場合は、施術を行う部分にマーキングし局所麻酔を行います。
麻酔を行うので、手術中に痛みはほとんど感じないことが多いです。
③施術
<臍ヘルニアの場合>
膨隆した臍の下半周を切開し、臍ヘルニアの原因である、筋肉が開いている部位を縫合閉鎖します。
臍の皮膚の最下点を筋に縫合固定し、くぼんだ臍になるように形成します。皮膚の縫合は吸収糸(溶ける糸)を用いますので、抜糸の必要はありません。
手術時間は1~2時間で終了します。臍膨隆が極めて大きい場合には、異なる手術法になる場合があります。
<臍突出症の場合>
マーキングした線を切開し、瘢痕組織を取り除きます。へその形を見ながらバランスを整えてデザインしていきます。
余分な皮膚を調整しながら切除した後に、吸収糸(溶ける糸)とナイロン糸を使い分け、糸の痕が残らないように形成したへその底面を縫合します。
手術は約30〜60分で終了します。手術から約7日後に抜糸を行います。
リスク・注意事項
*患部に多少の腫れ・内出血が出る場合がありますが、徐々に落ち着いてきます。しかし、術後に傷の中で出血すると、血が溜まって胸部が腫れが生じます。血が溜まったままにしておくと、感染やしこりになる、あるいは血行不良のため壊死になる恐れがあるので、できるだけ早めの処置が必要となります。その際は再度傷を開け、溜まった血液を排出します。
*赤み・腫れ・痛み・熱感が増したり、長く続いたりする場合は、感染が疑われます。痛みは、痛み止めでコントロールできる程度なので、内服薬の服用や抗生剤の投与で対応をします。
*糸が外れたり、傷の治り具合が悪いことで、傷が開いてしまうことがあります。開いてしまった場合には、再度縫合、あるいは傷の治りを促進する外用薬で処置します。
*施術個所の細かい神経をカットするため、施術付近の感覚に麻痺が起こったり、しびれを感じたりすることがありますが、3~12ヶ月程で回復してきます。しかし稀にしびれが残ることもあります。
*皮膚の血流が悪くなる関係で、血行障害を起こした皮膚が数時間後に紫色や赤色になり、痛みを伴うことがあります。放置しておくと、皮膚が萎縮して凹みや赤みを残す可能性があります。異常を感じたら早めの処置を受けましょう。
*再形施術を行った後に、再度腹壁が形成した部分を押し上げてでべそが再発する場合があります。その場合は、再度傷を開いて強固に腹壁を再建し、再度ヘルニアが起こらないようにします。
*非常に稀なケースですが、治療中に目に見えない小さな傷が腸管を傷つけることがあります。万が一生じた場合には、大きな合併症、腹膜炎、敗血症など生命にかかわることもあるトラブルになるので、術後は腹部の痛みが改善していくのかどうかを自分でもしっかりと判断する必要があります。
必要に応じて、専門の病院を紹介されることもあります。
*もともとへそのくぼみが浅すぎる方や、皮膚が非常に薄い方の場合、十分に深いへそが形成されない可能性があります。
*手術当日からシャワー浴が可能ですが、患部は濡らさないよう気を付けましょう。術後5〜10日後、もしくは抜糸後からは入浴も可能です。
*飲酒・激しい運動等は出血や腫れの原因となりますので控えてください。
激しい運動、お腹に圧力がかかるような動き、重いものを持ったりなどは2週間を過ぎてから始めましょう。ゆったりとした軽めのジョギングやウォーキング等は、治療後1週間程から身体の様子を見つつ徐々に行っても大丈夫です。
*術後約1ヶ月間はうつ伏せ寝やお腹に力を入れるような行為は避けましょう。
*喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなるので、術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をする必要があります。
まとめ
温泉や海、プールなどに行くとお腹を出す機会が出てきます。
でべそだと他人の目が気になって、そういったところに行きにくさを感じ、避けてしまったり楽しさが減ってしまう…なんてこともあるでしょう。
でべそは先天性の「臍突出症」と、後天性の「臍ヘルニア」の二種類があります。
臍突出症の場合は健康への影響はなく、見た目だけの一般的な”でべそ”になるので、美容目的の治療となります。そのため、切開を伴う手術ではあるものの比較的簡単に手術を受けられます。
臍ヘルニアの場合は、そのままにしておくと悪化して思わぬ病気となってしまうので、手術を受ける必要があります。そのため、保険適応扱いとされます。早めに病院に行くことをおすすめします。
でべそは自力では治すことができません。手術となると抵抗を感じる方もいますが、手術は1〜2時間で終了し、傷跡は目立ちにくく、傷の安定までは1ヶ月もあれば今までの生活を送ることができます。
でべそを治すことで自分の身体に自信がつき、今まで避けていたビキニや旅行、アウトドアなどの行事も、今まで異常に楽しむことができるでしょう。
でべそでお悩みの方は、これからの夏のシーズンに向けても、治療を検討してみてはいかがでしょうか?
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