断食ときくと、「過酷で大変なダイエット」というイメージがあるかもしれませんが、今回ご紹介するのは「プチ」断食。一番の目的は「内臓の機能を正常にすること」。1~2日の断食をすることで内臓の機能が正常に働くようになると、美容にも健康にもたくさんのメリットが!無理なく体内のデトックスをしませんか?
プチ断食ってなに?
断食とは、一定期間飲食物を摂らないようにすることを差します。プチ断食は、1~2日、固形物を摂らないようにすることで、身体の機能をリセットし正常にすることを目的としたものです。胃腸は7~8時間で食べ物を消化します。一般的な時間に1日3食の食事をしたとすると、食べ物を消化しきる前に次の食べ物を摂取していることになり、胃腸は休まるときがないのです。断食をすることでこれを一旦休ませ、胃腸の機能をリセットさせるのです。プチ断食は、胃腸の機能の正常化が目的なので、断食中に飲み物や食べ物を一切摂ることができないというわけではなく、胃腸や体調に負担をかけない飲み物や負担をかけない回数で食事をすることも可能です。また、断食自体が過度なストレスになってしまったら意味がなくなるので、不安があったり、自信がなかったりする人は、断食期間をまずは半日にするなど無理のない期間から始めて、身体を慣らしていくといいでしょう。
プチ断食の効果
胃腸を休ませることで、体の中の老廃物や毒素を尿や汗などによって排出するデトックス効果が期待できます。デトックスにより、美容にも健康にもさまざまなメリットがあるのです。
便秘改善効果
便秘の原因のひとつに、腸の動きが弱くなっていることが挙げられます。断食をすることにより、腸を休めて回復させることができるため、消化機能の向上が期待できることから、便秘も解消されやすくなります。また、空腹を感じると、モチリンという腸のぜん動運動(胃腸の収縮運動)を刺激するホルモンが出るため、腸が動いて排泄を促します。その結果、お通じがよくなり、便秘の改善につながります。
美肌効果
便秘が解消されることにより、ニキビや吹き出物、肌荒れなどに肌のトラブルが解消します。便秘の際に肌が荒れるのは、溜まった便から出る毒素のせい。便秘の解消により、毒素を出す便が体外に排泄され、肌の調子が戻ってきます。また便秘でなくとも、デトックスにより体内の老廃物が排出され、細胞が活性化します。細胞の活性化により、肌のターンオーバーが正常化して肌ツヤがよくなるのです。
ダイエット効果
プチ断食の目的はダイエットではないのですが、結果として痩せやすい身体を作ることができます。プチ断食により身体の老廃物を出し、代謝を上げることができます。身体の基礎代謝を上げることは、ダイエットにとって最も有効な方法です。さらに、断食を習慣として行うことにより、食べるものや食べる量に変化が表れます。たとえばこれまでよりも少ない食事量で満腹感を得られるようになったり、薄味でも満足感を得られるようになったりするのです。そうしていくことで、健康的に痩せやすい身体へと変化していくことが期待できます。
プチ断食のやり方
プチ断食開始~断食期間中
プチ断食は、いきなり食べ物を摂らないようにして我慢をするものではなく、身体に負荷をかけすぎないように徐々におこなっていくものです。プチ断食を始める際には、はじめに身体を「慣らす」ことから始めます。慣らす方法としては、プチ断食をしようとしている期間の1、2日前から食事の量を減らすことや、食事を摂らない時間を少しずつ伸ばすやり方があります。
食事の量を減らす場合には、プチ断食をしようとしている日の前日から朝食・昼食は腹八分目程度にし、夕食は半分程度に抑えます。そして、翌日から食事を摂らないようにします。プチ断食の期間は、はじめは1日程度から始めましょう。断食の期間中、まったく何も飲食をしてはいけないというわけではなく、具なしのスープを飲んだり、温かいカフェインレスの飲み物、酵素ドリンクやスムージーを飲んだりすることはOK。むしろ水分は積極的に摂るようにし、1日1.5リットルくらい摂取するのが望ましいとされています。しかし、清涼飲料水やコーヒーなどのカフェインの入った飲み物、お酒などは避けるようにしてください。
食事を摂らない時間を伸ばしていく方法で慣らす場合には、たとえば夕食後からプチ断食をはじめ、次の日の昼食までは水分のみで過ごすなど、断食時間を半日+αくらいの時間から始め、徐々にその時間を伸ばしていくようにします。例のように夕食後から断食を始めると、食べないことへのストレスが少ない中で断食を行うことができます。
いずれの場合でも、あくまで「プチ」断食のため、断食期間は最大でも2~3日程度の期間に収めておきましょう。また、プチ断食の頻度は、1~2週間に1回程度でも効果を感じやすいと言われています。慣れてきたら「週末断食」のように、自分のサイクルを作るようにするといいですよ。
断食後のケア
実はプチ断食で最も重要ともいえるのが、断食期間を明けたときの食事です。空腹や我慢のストレス発散のために「好きなものを好きなだけ」食べてしまうと、胃腸に過度に負担をかけてしまう恐れがあります。そのため、断食が終わった後は「回復食」といわれる消化にいい食べ物を摂るようにします。回復食としておすすめの食べ物の一例を以下に挙げました。
- 豆腐
- 大根
- 味噌汁
- きのこ類
- おかゆ
回復食で気を付けることは、味付けを濃くしないことです。2、3日の断食の期間があるだけでも、味覚は非常に敏感になっています。今までの食事の味付けだと、濃すぎる可能性があるのと、胃腸に負担になることがあります。薄めの味付けを意識して、回復食を用意しましょう。
プチ断食中に気を付けること
睡眠
睡眠時間はしっかりと取るようにしましょう。睡眠中には、成長ホルモンや副腎皮質ホルモン(コルチゾール)など、代謝に欠かせないホルモンが分泌されるため、いつも以上に意識して睡眠時間を確保するといいでしょう。また、好転反応(好転反応については後述します)の一つに眠気が出る場合があります。その場合には、可能であれば仮眠を取ってみてください。すっきりとして、好転反応の軽減につながることもあります。
運動
プチ断食中は、激しい運動は避けるようにしましょう。一般的に運動をすると、血中のブドウ糖を消費するため血糖値が下がります。断食により糖質を摂取していない中でのハードな運動は、血糖値の急激な低下を起こし、動悸、冷や汗、ふるえ、意識障害などを引き起こす可能性があります。気分転換に運動をする場合には、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動にとどめておきましょう。
プチ断食の注意点
プチ断食をしてはいけない人
身体にいいからと言って、誰でもプチ断食ができるわけではありません。以下に当てはまる人は、プチ断食をすると、栄養が不足して、かえって体調を崩してしまう可能性がありますのでしないようにしましょう。
- 中学生以下の子ども
- 薬を服用している
- 妊娠中
- 授乳中
- 体調不良
- 怪我等がある
好転反応について理解しておく
好転反応とは、プチ断食中に起こる頭痛やだるさ、眠気、下痢、吐き気といった症状のことを言います。好転反応が起こるのは、断食による糖質の不足を補うために古い細胞が分解され、その古い細胞に溜まっていた老廃物などが血中に排出されるためです。好転反応は一時的なものですので、症状が軽くなるようであればそのままプチ断食を続けましょう。しかし、我慢できないほど症状が重い場合には、すぐに断食を中止するようにしてください。
最後に
いかがでしたか?断食と聞くと、とてもハードルの高い健康・美容方法だと思われがちですが、厳密なルールがあるわけではないので、実は自分の体調やペースに合わせてできるのがプチ断食。デトックスとしての効果も高いため、週1のカラダリセットとして取り入れてみてはいかがでしょうか。また、断食明けの食事は、食べ物の素材の味をしっかり感じることができるため、生活において新たな発見ができるかもしれませんよ!ぜひ楽しみながらプチ断食を実施してみてくださいね。
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